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不登校による勉強の遅れを取り戻す方法を解説!
公開日: 2024.08.19
最終更新日: 2024.10.30
不登校のお子さんをもつ親御さんは、お子さんの将来を考えたときに、さまざまな不安や悩みが頭をよぎることでしょう。2022年に文部科学省が行った調査によると、小中学校における不登校児童生徒数は約30万人と過去最多を記録し、不登校は決して珍しいことではなくなっています。加えて今は、子ども向けの学習コンテンツやサービスが充実しているため、勉強は学校に行かなければできないものではなくなっています。
とはいえ、いざ家庭内で学習環境を整えようと思っても何から始めたら良いのかわからず、途方に暮れてしまう方も多くいらっしゃいます。親御さんは教育のプロではないのですから、当然です。そこで本記事では、不登校による勉強の悩みを解決する具体的な勉強法をご紹介します。本記事が、親御さんの不安を少しでも和らげ、お子さんの学習支援に役立てば幸いです。
データ元:文部科学省「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果概要」
不登校中の勉強の悩み
お子さんが不登校になり始めると、多くの親御さんは、どうして学校に行かなくなってしまったのだろうと考えます。そして学校に行かない日がしばらく続くと、今度は勉強の遅れや進学への影響が気になり始めます。こういった悩みはなかなか周囲の人には相談しにくいもの。まずは不登校のお子さんがいらっしゃる親御さんの多くに共通する勉強の悩みをご紹介します。
同級生に遅れをとってしまい、追いつけなくなるのでは?
不登校が長引いたときに気になるのは、「学校に復帰した際に授業に追いつけなくなっているのではないか」ということです。「せっかく復学しても授業についていけず、また不登校に戻ってしまうのでは?」と不安になる方もいるでしょう。
でも安心してください。ひとりの先生がクラス全員を見る形が一般的な学校の授業は、理解のスピードが速い生徒ではなく理解に時間がかかる生徒に合わせて進んでいくため、家庭でひとりで勉強するよりも学習進度はゆるやかです。
そのため、きちんと学習計画を立てて正しい勉強法でコツコツと学習を続けることができれば、不登校のお子さんでも遅れを取り戻すことは十分に可能です。
不登校だと受験はどうなる?
高学年のお子さんを持つ親御さんが気になるのは、やはり受験でしょう。進学して学校が変われば、また学校に通い始めるかもしれないと期待を抱く親御さんも多いので、余計に「このままでは受験に失敗するのでは?」といった不安が生じやすくなります。
でも大丈夫。先ほどお伝えしたように、学校の授業は比較的ゆっくり進むのに加え、学校では音楽や体育といった受験科目以外の教科にも時間を使うので、不登校のお子さんのほうが、受験に必要な科目に多くの時間を割くことができるからです。先ほど同様に、お子さんに適した学習環境を用意しコツコツ勉強を続ければ、受験に必要な学力をつけることは難しいことではありません。
学習意欲の低下
不登校が続くと、お子さん自身の学習意欲が低下してしまうことがあります。学校に行けないことで孤立感を感じることで、勉強を含めあらゆることに対してモチベーションが保てなくなるからです。また、学校に通えていないということに負い目を感じ、「ダメな人間なんだ」と自分を追い詰め自暴自棄になるお子さんもいらっしゃいます。
特に思春期のお子さんは心が不安定になりやすいので、学習意欲を回復させるためには、親御さんや専門家のサポートが欠かせません。
不登校中の勉強の遅れへの対策
親御さんが抱える勉強に対する悩みがわかったところで、ではそれを解消するためにはどうしたら良いのでしょうか。具体的な勉強方法をご紹介する前に、ここでは勉強を始める前に行うべきことや心がけをご紹介します。
学習環境と生活リズムを整える
勉強を日々のルーティーンにするためには、勉強に集中できるように、部屋の整理整頓や、学習スペースの確保などを行い、物理的な環境を整えることから始めましょう。
加えて日々の生活リズムを整えることも大切です。朝起きて朝食をとり、決まった時間に学習を始めるといったリズムを作ると、勉強に対する意欲が湧きやすくなります。
小さな目標を設定する
大人のみなさんも経験があると思いますが、ただただがむしゃらに何かをし続けるというのはなかなか難しいものです。それが苦手意識のある勉強であればなおのこと。そこでおすすめなのが目標を設定することです。
そして目標を設定するときは、「大きな目標」ではなく「小さな目標」を立てるようにしましょう。そうすることで日常的に達成する喜びを味わうことができ、学習のモチベーションを保つことができます。そして小さな目標は、一日に解く問題の数や、覚える単語の数、◯分机に向かうなど、具体的に設定すること。そうすることで達成できたかどうかを判断しやすくなります。
最初から完璧を目指さずに時間をかけて試す
人は一人ひとり性格が違うので、耳で聞いたほうが記憶に残りやすい子、イラストなどを活用したほうが理解できる子など、効果的な勉強法も人それぞれです。1日に1教科だけを長時間取り組むほうが理解が深まるというお子さんもいれば、毎日30分ずつ複数の教科を勉強したほうが飽きずに続けられるというお子さんもいます。
どういった方法がお子さんに合っているかは試してみないとわかりません。ひとつ試して効果がでなかったからといってガッカリしたり、「なんでできないの」とお子さんを責めたりせずに、ぜひいろんな方法を試してみてください。
また、前の章でご紹介した小さな目標を達成できなかったときも、頭ごなしに怒るのではなく、まずは取り組んだことを褒めてあげましょう。そして目標を達成できなかったときは、なぜできなかったかを一緒に考え、必要であれば一緒に目標を立て直してあげましょう。
幸いなことにいまは、YouTube動画や学習漫画など、さまざまな勉強コンテンツがあります。とはいえ、お仕事や家事をこなしながら、お子さんに合った勉強方法もリサーチするのは大変なこと。その場合は、これまでたくさんのお子さんを見てきたプロの力を借りるのもひとつの手です。
不登校中の勉強方法
いよいよここからは、具体的に学校に通わずに勉強する方法をご紹介していきます。
市販のテキストや無料のオンライン教材を使った自主学習
書店の参考書コーナーに行くと、たくさんの教材が並んでいます。またいまは、学習用動画コンテンツやオンラインテキスト、スマホやタブレット用の学習アプリなど、無料でできる学習コンテンツが充実しています。それらを活用して、毎日コツコツ勉強を続けるのもひとつの方法です。
通信教育
通信教育とは、オリジナルの教材と添削指導がセットになったサービスのこと。月に一度など定期的に教材が自宅に届くものもあれば、タブレットなどで視聴できる動画授業を提供しているサービスもあります。
市販のテキストや無料のオンライン教材との大きな違いは、添削指導があること。それにより、指導員から個別にフィードバックを受けたり、苦手な箇所を把握したりすることができます。
個別指導の学習塾やオンライン学習塾
学校に行くのが苦手なお子さんでも、マンツーマンもしくは少人数での授業を受けられる学習塾であれば嫌がらずに通うことができる場合もあります。また、最近はオンラインで授業を受けられる塾も増えています。
録画された動画コンテンツを視聴するオンライン型の通信教育とは異なり、授業がリアルタイムで進むのが特徴で、わからないことがあったときにその場で質問することもできます。
家庭教師
塾との一番の違いは、お子さんが教室に通うのではなく先生が自宅に来てくれること、そしてオンライン学習塾との違いは対面で勉強を見てもらえる点です。自宅だと集中できないというお子さんもいらっしゃるので、運営会社によっては、カフェやファミレス、図書館など自宅以外の場所で勉強を見てもらうことも可能です。
一対一が基本で、先生がお子さんにしっかり向き合ってくれるので、勉強以外の相談を聞いてもらえる可能性もあります。また、気に入っているテキストがあればそれを使える場合が多く、お子さんの好みや学習進度に合わせて柔軟に対応してもらえます。
不登校中の勉強方法のメリット・デメリット
4つの勉強方法をご紹介しましたが、「うちの子にはどれが合うんだろう?」と選べない方も多いでしょう。ここからはそれぞれのメリット・デメリットを見ていきます。
市販のテキストや無料のオンライン教材を使った自主学習のメリット・デメリット
この方法の最大のメリットは、費用が少なくて済むことです。無料のオンライン教材を利用した場合、かかるのはタブレットやPCといった端末代とインターネットの利用料のみ。市販の参考書代もさほど大きな金額にはならないので、あまり費用をかけたくないという方におすすめです。
その反面、親御さんの負担が大きくなりやすいのがデメリット。書店にはたくさんの参考書が並んでいるので、どれが良いかの見極めが必要ですし、お子さんが自主的に学習を進めるのが苦手な場合は、一緒に学習計画を立てる必要があります。
また、教材を読んでも理解できなかったときに質問する相手がいないため、お子さんが理解できるようになるまで、根気よく勉強を見てあげなければなりません。
通信教育を利用するメリット・デメリット
通信教育は、定期的に教材が自宅に届き、現在取り組むべき内容が明確になっているため、自主学習のように自分で計画を立てる必要がないのがメリットです。ただし、計画通りにちゃんと取り組むかどうかは本人次第。手をつけていない教材が溜まり、やる気が削がれてしまう場合もあるので、自発的に勉強を続けるのが苦手なお子さんは要注意です。
一方で通信教育には、添削指導がついているというメリットがあります。個別に添削をしてもらったり、苦手な部分に対してアドバイスをしてもらったりできるので、自主学習よりも疑問点を解消しやすくなります。
ただ注意が必要なのが、通信教育は自社のオリジナル教材を使用するので、教材自体がお子さんに合わない可能性があるという点です。これは次で紹介する学習塾も同様。お試し用の教材を用意しているサービスもあるので、受講を決める前に教材をチェックするとミスマッチを減らせます。
また通信教育の場合、カリキュラムはある程度決まっているので、お子さんのペースに合わせて学習が進むわけではないという点は理解しておきましょう。
個別指導の学習塾やオンライン学習塾を利用するメリット・デメリット
学習塾は、オフライン・オンライン問わず、授業をリアルタイムで受けられるので、お子さんの反応を見ながら授業を進めてくれる点が魅力です。もしわからないことがあったとしても、その場で質問ができるので、疑問点を解消しながら自分のペースで学習できるでしょう。
ただし、オンライン授業の場合、対面に比べるとお互いの表情を把握しにくく、理解しきれていないことに気づいてもらえない可能性があります。外に出ることが苦手でオンラインを選んでいるお子さんにとっては、画面越しに自分から質問をするというのはハードルが高いので、先生に気がついてもらえないと疑問を抱えたままになる可能性が高くなります。それを考えると、表情をうかがいにくいのはデメリットといえるでしょう。
ほかにも、集団型の学習塾よりも費用がかかること、通信教育同様にオリジナルの教材がお子さんに合わない可能性がある点がデメリットとして挙げられます。
家庭教師のメリット・デメリット
外に出ると気力や体力を大きく消耗してしまうお子さんにとって、通塾する必要がないのは大きなメリットです。それでいて対面で勉強を見てもらえるので、先生がお子さんの変化に気づきやすくなります。
個別指導の学習塾同様に、わからないことをすぐ質問でき、疑問を解消しながら自分のペースで学べるのも魅力です。また、教材が指定されていないケースが多いので、その都度、一人ひとりに合った教材を使って、個別に学習計画を立ててもらうこともできます。
そして、これは学習塾にも言えることですが、第三者の力を借りることができる点も大きなメリットです。不登校のご家庭の場合、お子さんと親御さんという二者で日常が完結しやすい傾向があり、お子さんも親御さんも悩みや不安を家庭内で抱え込んでしまう場合があります。
そこに家庭教師や塾の先生といった第三者が介入すると、お子さんにとっても親御さんにとっても息抜きになる可能性があります。なかでも家庭教師は、自宅というプライベートな空間に先生が入るため、先生と家庭の距離が近く、勉強以外の悩みや不安も相談しやすくなります。信頼できる第三者ができるということは、子供にとっても大きなメリットとなるでしょう。
一方で家庭教師のデメリットは、ほかの勉強方法よりも費用が高くなりやすいこと。そして、先生とお子さんの相性が合わない場合もある点です。もし合わなかった場合、先生を変えてもらうことはできますが、少し時間がかかってしまう可能性はあります。
不登校の勉強の遅れを取り戻した事例
それぞれの勉強方法のメリット・デメリットをご理解いただいたところで、最後に少しだけ、勉強が苦手なお子さん専門の家庭教師として20年以上お子さんを見てきた、私たちランナーのご紹介をさせてください。
不登校のお子さんの勉強をたくさんサポート!
ランナーでは、これまで数多くの不登校のお子さんたちを指導してきました。そのため、不登校のお子さんが抱える悩みやつまずきやすいポイントなどを把握しています。とはいえこれは、「不登校の子どもはこのような感じ」と決めつけて、画一的な指導をするという意味ではありません。
ランナーの強みのひとつは、先生を採用する際に、指導力はもちろん、人間性を重視して選抜していること。そのため、「勉強で困っている子の力になりたい」と熱意を持った先生が、お子さん一人ひとりときちんと向き合い、それぞれの特性を把握したうえで、お子さんに合った指導を行うことができます。
また、実際にお子さんを指導する先生を選抜する際は、お子さんと先生との相性にとことんこだわるために、たっぷり時間をかけているのでご安心ください。
入会後のフォロー体制が家庭教師業界イチ厚い!
家庭教師会社の多くは、入会後のサポートを担当の先生に任せがちですが、ランナーでは、指導開始後の半年から1年という最も大切な時期には、本部から各家庭にご連絡をし、定期的なサポートを行うようにしています。
指導の様子や、先生とお子さんの相性が良いかどうかといったことをヒアリングし、必要であれば先生を交代するなど、お子さんが快適に勉強し結果が出せるよう、先生と本部が一体となってフォローを行っています。
指導がない日にも受けられるサポートサービスが豊富
勉強が苦手なお子さんにとって、学習習慣をつけることはとても大切なことです。ランナーの授業がない日にもぜひ勉強を続けてほしいと思っています。
しかし、授業が休みの日にひとりで勉強をしていてわからない問題があったらどうでしょうか。わからないことで、やる気を失ってしまったり、疑問点を放置するクセがついたりしてしまう可能性があります。
ランナーではそういった事態をさけるために、授業がない日でもLINEを通じて、わからない問題を質問できるようにしています。解き方がわからない問題の画像を送ると、スタッフが詳しく解説した動画で返信するので、それさえ見ればひとりでも疑問を解消することができます。
また、授業の予習や復習に役立つように、いつでもどこでも視聴できる動画解説シリーズも用意しています。勉強が苦手なお子さんに向けて作っているため、わかりやすいと好評で、授業がない日の自主学習に大活躍しています。
まとめ
私たちランナーは、「うちの子はこのままで将来大丈夫なのだろうか」と不安を抱えている親御さんにたくさんお会いしてきました。そして、お子さん自身が一番、「このままでいいんだろうか」と不安を抱えていることも知っています。
そんなお子さん親御さんに寄り添いながら、それぞれにあったカリキュラムを考え、ときには勉強以外の悩みの相談にものりながら、苦手な勉強を好きに変えてきた実績をたくさん持っています。
不登校の武器は時間がたくさんあること。冒頭でもお伝えしましたが、正しい学習環境と勉強方法を用意してあげれば、自分のペースで効率良く学び、進学をすることも十分に可能です。
もし何から手をつけていいかわからず不安を抱えているのでしたら、ぜひ一度ご相談してください。創業20年を超える「勉強が苦手なお子さん専用の家庭教師」として、お子さんをしっかりとサポートいたします。
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この記事の監修者
マインズ株式会社
本部
大島 あずさ
教育現場を志していたところ、家庭教師という仕事に出会い、「1対1での指導の素晴らしさ」に惹かれ、気がつけば10年になっています。勉強が苦手な子にももちろんですが、「理解することの楽しさ」を一人でも多くのお子さんに伝えるために日々努力しています。
# 経歴
家庭教師歴10年。家庭教師として仕事をしながら教師へのサポート業務も行いつつ、マインズ株式会社に入社。現在はマインズ株式会社本部に所属し、コンテンツ作成やサービス向上のためのコンテンツ制作に勤しんでいる。
# 得意領域
- 学習支援コンテンツ制作
- 勉強が苦手な子へのアプローチ