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WISC-IV検査結果の見方|4つの指標の意味と家庭での活かし方を解説
2025.12.19

WISC-IV知能検査の結果を受け取ったものの、数値の意味がよくわからず不安を感じていませんか。
「IQが低いと将来が心配…」「この数字で何がわかるの?」と悩む保護者の方は多いです。実は、WISC-IVの結果で最も大切なのは、IQの数値そのものではありません。本当に見るべきポイントは「4つの指標のバランス」なんです。
このバランスを理解することで、お子さんの得意・不得意がはっきり見えてきます。そして、日常生活や学習での具体的なサポート方法がわかるようになります。
この記事では、WISC-IV検査の結果の見方を専門用語をかみ砕いて解説します。さらに、結果を家庭や学校でどう活かすか、具体的な行動プランまでお伝えしていきます。検査結果を「子どもを理解するための羅針盤」として使いこなせるよう、ぜひ最後まで読んでくださいね。
※現在はWISC-Vが現行版として提供されていますが、すでにWISC-IVで検査を受けた方の結果理解にも本記事は役立ちます。
目次
まず押さえたい!WISC-IVの結果を見る3つのポイント

- 全検査IQ(FSIQ)は全体像を示す合成得点だが、指標差が大きい場合は併せて確認が必要
- 4つの指標(VCI・PRI・WMI・PSI)のバランスこそが子どもの認知特性を示す
- パーセンタイル順位を使えば同年齢の中での位置を直感的に把握できる
WISC-IVの結果用紙には、たくさんの数値が並んでいます。
最初に見るべきポイントを3つに絞ってご紹介します。この3つを押さえれば、お子さんの認知特性の全体像がつかめるようになります。
全検査IQ(FSIQ)は全体像を示す合成得点
- FSIQは複数の下位検査を総合した合成得点で、平均値は100
- 指標間に大きな差があるとFSIQだけでは特性が見えにくい
- FSIQと4つの指標を併せて確認することで全体像がつかめる
結果用紙で最初に目に入るのが「全検査IQ(FSIQ)」という数値です。
これは複数の下位検査の結果を総合した合成得点で、一般的に「IQ」と呼ばれているものになります。平均値は100で、統計上の前提として得点分布を正規分布とみると、85〜115(±1SD)の範囲に約68%の子どもが収まります。
ただし、この数値だけを見て一喜一憂するのは早いんです。
FSIQは下位検査の合成で算出されるため、指標得点だけからFSIQを決め打ちすることはできません。たとえば、VCIが高くPSIが低い場合、FSIQが「平均付近」に見えることもあります。しかし実際には、言語理解と処理速度に大きな差を抱えているケースです。
指標間の差が大きい場合は、FSIQだけでなく指標別の特徴も併せて解釈することが重要です。
逆に、FSIQが低くても指標のバランスが取れていれば、適切な支援で力を発揮できることも多いです。まずはFSIQを「全体像を示す合成得点」と捉え、次に紹介する4つの指標に注目してください。
4つの指標(VCI・PRI・WMI・PSI)が子どもの特性を示す
- 言語理解(VCI)・知覚推理(PRI)・ワーキングメモリー(WMI)・処理速度(PSI)の4指標
- 各指標も平均100・標準偏差15で算出されている
- 4つの数値を横並びで比較することで子どもの特性が見えてくる
WISC-IVで最も重要なのが、4つの指標得点です。
それぞれが異なる認知機能を測定しており、お子さんの「認知の凸凹」がここに表れます。
4つの指標とは、言語理解(VCI)・知覚推理(PRI)・ワーキングメモリー(WMI)・処理速度(PSI)です。各指標も平均100、標準偏差15で算出されています。
たとえば、VCIが高くてPSIが低い子どもは「言葉での理解は得意だけど、作業スピードがゆっくり」という特性を持っています。この場合、時間制限のあるテストで実力を発揮しにくい傾向があります。
指標間に差がある場合、その差こそがお子さんの学習上の困りごとや、逆に伸ばせる強みを示しています。結果を見るときは、4つの数値を横並びで比較することを意識してみてください。
パーセンタイル順位で「同年齢の中での位置」がわかる
- パーセンタイル順位は同年齢集団の中での相対的な位置を示す
- 50が真ん中で、数値が大きいほど上位に位置する
- 学校への説明や合理的配慮の依頼時に活用しやすい
結果用紙には「パーセンタイル順位」という数値も記載されています。
これは同年齢の子どもの中で、どのあたりに位置するかを示す指標です。
たとえば、パーセンタイル順位が75であれば、同年齢のうち「自分より低い得点の人が75%」いることを意味します。つまり上位25%ほどの位置です。50が真ん中、数値が大きいほど上位ということになります。
IQスコアは専門的でわかりにくいと感じる方も多いですよね。パーセンタイル順位なら、お子さんの相対的な位置を直感的に把握できます。
学校の先生に結果を説明するときにも、パーセンタイル順位を使うと伝わりやすいです。
「ワーキングメモリーは下位10%ほどなので、聞き取りに配慮が必要です」といった説明ができます。合理的配慮を相談する際の根拠としても活用できるので、ぜひ覚えておいてください。
4つの指標の意味と低いときの困りごと

- 言語理解(VCI)は言葉を使って考えたり表現したりする力
- 知覚推理(PRI)は目で見た情報をもとに考える力
- ワーキングメモリー(WMI)は情報を一時的に記憶しながら作業する力
- 処理速度(PSI)は目で見た情報を素早く正確に処理する力
ここからは、4つの指標がそれぞれ何を測定しているのか、そして低い場合にどんな困りごとが生じやすいのかを解説します。
各指標の意味と対応策を一緒に理解することで、お子さんの日常生活での困りごとと検査結果がつながって見えてきます。
言語理解(VCI)|ことばで考えて伝える力
- 言葉を使って考え、表現する力を測定する
- VCIが低いと言葉での指示が入りにくく、誤解されやすい
- 視覚的な補助や短い指示で理解が深まる
言語理解(VCI)は、言葉を使って考えたり、自分の考えを言葉で表現したりする力を測定します。
語彙力や言語的な推論能力、一般的な知識量なども含まれます。
VCIが高い子どもは、説明を聞いて理解する力が優れています。本や文章から情報を得ることが得意で、言葉での表現も豊かな傾向があります。
一方、VCIが低い場合は、言葉での指示が入りにくいことがあります。長い説明を聞いても要点がつかめない、質問の意図がわからないといった困りごとが生じやすいです。本人は一生懸命聞いているのに、「聞いていない」と誤解されることも少なくありません。
サポートとしては、視覚的な補助を使う方法が効果的です。
言葉だけでなく、絵や図、実物を見せながら説明すると理解が深まります。指示を出すときは、短い文で一つずつ伝えることを心がけてみてください。
言語理解に課題があるお子さんへの具体的な支援方法については、「理解力がない子供の発達障害|今すぐできる支援方法と家庭教師選び」も参考になります。
知覚推理(PRI)|目で見て考える力
- 目で見た情報をもとに考える力を測定する
- PRIが低いと図形問題や漢字の形の把握でつまずきやすい
- 言葉での説明を増やすことで理解が深まる
知覚推理(PRI)は、目で見た情報をもとに考える力を測定します。
図形の認識や空間把握、視覚的なパターンを見つける能力などが含まれます。
PRIが高い子どもは、パズルやブロック遊びが得意なことが多いです。地図を読んだり、組み立て説明書を見て作業したりすることもスムーズにできます。
PRIが低い場合は、図形問題や地図の読み取りで苦労することがあります。また、漢字の形を覚えにくかったり、文字のバランスが取りにくかったりする場合もあります。算数の図形問題で苦労したり、展開図から立体を想像したりする問題が難しく感じられます。
サポートとしては、見たものを言語化して伝えることが効果的です。「この図形は三角形が2つ重なっているよ」など、視覚情報を言葉で説明してあげましょう。漢字学習では、「へん」と「つくり」に分けて意味づけする方法もおすすめです。
ワーキングメモリー(WMI)|覚えながら作業する力
- 情報を一時的に記憶しながら作業する力を測定する
- WMIが低いと聞いたことをすぐ忘れ、複数の指示が覚えられない
- 「外部メモ」の活用や指示の書面化が有効
ワーキングメモリー(WMI)は、情報を一時的に記憶しながら作業する力を測定します。
いわゆる「頭の中のメモ帳」の容量と考えるとわかりやすいです。
WMIが高い子どもは、先生の話を聞きながらノートを取ることがスムーズにできます。暗算や複数の指示を覚えて実行することも得意です。
WMIが低い場合は、聞いたことをすぐ忘れてしまうことがあります。「さっき言ったでしょ」と言われることが多いですが、覚えられないのは努力不足ではありません。複数の指示を一度に出されると、最初の内容を忘れてしまうことも多いです。
脳の情報処理の特性なので、外部にメモを取る習慣をつけることが大切です。
指示は紙に書いて渡す、やることリストを作るなどの工夫が有効です。一度にたくさんのことを伝えず、一つずつ確認しながら進める配慮も効果があります。
ワーキングメモリーについてさらに詳しく知りたい方は、「ワーキングメモリが低いとどうなる?特徴・原因・今日からできる改善法を解説」もあわせてご覧ください。また、忘れ物が多いお子さんへの対応は「忘れ物の多い子どもと発達障害の関係「安心して始められる家庭での工夫」」で詳しく解説しています。
処理速度(PSI)|見た情報を素早くさばく力
- 目で見た情報を素早く正確に処理する力を測定する
- PSIが低いと板書や時間制限のあるテストで苦労しやすい
- 時間延長や板書のプリント配布などの配慮が有効
処理速度(PSI)は、目で見た情報を素早く正確に処理する力を測定します。
視覚探索、注意の持続、筆記の速さなど複数の要素が関わっています。
PSIが高い子どもは、計算ドリルや書き取りなどの作業が速いです。テストでも時間内に問題を解き終えることができます。
PSIが低い場合は、理解はできているのに作業が追いつかないことがあります。板書を写し終わる前に消されてしまう、テストで時間切れになるといった困りごとが生じやすいです。周囲から「のろい」と言われて自信を失うこともあります。
これは「わかっていないから遅い」のではなく、理解とは別に「作業面」で時間がかかっているのです。
時間をかければ正確にできることが多いので、時間延長の配慮が有効です。板書はプリント配布に変える、テストは別室で時間延長するなどの対応を学校に相談してみてください。家庭では、急かさないことが一番のサポートになります。
集中力や処理速度に課題があるお子さんについては、「集中力がない子供の発達障害を理解する「家族で踏み出す安心の一歩」」も参考になります。
指標の凸凹(差)が大きいときの考え方
- 指標間の差が大きいほど「できること」と「できないこと」のギャップに苦しみやすい
- 差の評価には報告書の有意差や標準出現率を確認すると理解が深まる
- 差があることは悪いことではなく、支援のヒントになる
WISC-IVの結果で特に注目すべきなのが、指標間の差です。
この差が大きいほど、子どもは「できること」と「できないこと」のギャップに苦しみやすくなります。理解と対応のポイントを押さえておきましょう。
差が大きいと「能力はあるのにできない」が起こりやすい
- 指標間の差が大きいと「わかっているのにできない」もどかしさが生じる
- 周囲から「やればできるのに怠けている」と誤解されやすい
- 検査結果は適切な配慮を考えるための情報として活用する
指標間の差が大きいと、子ども自身が「なぜできないんだろう」と混乱しやすくなります。
たとえば、VCI(言語理解)が高くPSI(処理速度)が低い子どもがいたとします。この子は、理解力は高いのに作業が追いつかない状態にあります。本人は「わかっているのにできない」というもどかしさを抱えています。周囲からは「やればできるのに怠けている」と誤解されることも少なくありません。
このギャップこそが、自己肯定感の低下や二次的な問題につながりやすいポイントです。検査結果は、子どもを責める材料ではなく、適切な配慮を考えるための情報として活用してください。
なお、報告書では「統計的に有意な差か(臨界値を超えるか)」や「その差が標準化集団でどの程度珍しいか(標準出現率)」が示されることがあります。これらを確認すると、お子さんの特性がより明確になります。差があること自体は悪いことではなく、得意を活かして苦手をカバーする戦略を立てるヒントになります。
よくある凸凹パターンと子どもの困り感の例
- VCI・PRIが高くWMI・PSIが低いと「頭がいいのに成績が伸びない」と言われがち
- WMI・PSIが高くVCI・PRIが低いと深い理解や応用が苦手な傾向
- パターンがわかれば「なぜ困っているのか」の理由が見えてくる
実際によく見られる凸凹パターンと、それに伴う困り感の例をご紹介します。
臨床場面では、VCI・PRIが相対的に高く、WMI・PSIが相対的に低いプロファイルが見られることがあります。このタイプは理解力はあるのに、記憶や作業速度でつまずきます。「頭がいいのに成績が伸びない」と言われがちです。
逆に、WMI・PSIが高くVCI・PRIが低いパターンもあります。作業は速いけれど、深い理解や応用が苦手な傾向があります。テストでケアレスミスが多いと思われがちです。
PRIだけが低いパターンでは、図形や漢字の形の把握に困難を感じます。WMIだけが低いパターンでは、聞き取りや複数の指示の実行に困難を感じ、忘れ物が多い、約束を忘れるといった特徴が見られます。
お子さんのパターンがわかると、「なぜ困っているのか」の理由が見えてきます。その理由に合わせた対応を取ることで、状況は改善しやすくなります。
今日からできる!家庭でのサポートの具体策
- 苦手を克服するより「得意を活かす」視点を持つことが大切
- 苦手な部分は環境調整でカバーする方が現実的
- 「頑張りが足りない」ではなく「どうしたらできるか」を一緒に考える
検査結果を理解したら、次は具体的な行動に移しましょう。ここでは、今日から家庭で実践できるサポート方法をご紹介します。特別な道具がなくてもできることばかりなので、ぜひ試してみてください。
得意な指標を活かした声かけと関わり方
- VCIが高い子には言葉での説明を多くする
- PRIが高い子には図や絵を使った説明が有効
- 強みを認める言葉で自信につなげる
まず大切なのは、苦手を克服しようとする前に「得意を活かす」という視点を持つことです。
得意な部分を使って苦手をカバーする戦略が効果的です。
VCIが高い子どもには、言葉での説明を多くしてあげましょう。「これはこういう理由でこうなるんだよ」と言語化して伝えると、理解が深まります。PRIが高い子どもには、図や絵を使った説明が有効です。言葉だけでなく、視覚的な情報を添えることで理解がスムーズになります。
得意な部分を活かして学習すると、「自分にはできることがある」という自信につながります。
苦手な部分ばかりに目を向けると、子どもは自信を失ってしまいます。声かけでも「〇〇は得意だね」「こういうやり方ならできるね」と、強みを認める言葉を意識してください。
苦手をカバーする環境づくりのコツ
- WMIが低い子にはやることを「見える化」する
- PSIが低い子には時間に余裕を持たせる
- 環境を整えることは「甘やかし」ではなく必要なサポート
苦手な部分は、努力で克服するよりも環境調整でカバーする方が現実的です。
子どもの負担を減らし、ストレスなく生活できる工夫を考えましょう。
WMIが低い子どもには、やることを「見える化」するのが効果的です。ホワイトボードにやることリストを書いたり、付箋でスケジュールを示したりします。
PSIが低い子どもには、時間に余裕を持たせることが大切です。朝の準備は前日に済ませる、出発時間の30分前に声をかけるなど、バッファを設けます。
VCIが低い子どもには、指示を短く区切り、視覚的な補助を添えます。「明日の準備をして」ではなく、持ち物リストを見せながら一つずつ確認しましょう。
環境を整えることは「甘やかし」ではありません。メガネをかけることと同じで、必要なサポートを提供しているだけです。
「頑張りが足りない」と責めないための視点の持ち方
- 困りごとの「理由」がわかれば誤解から解放される
- 「なぜできないの」ではなく「どうしたらできるかな」と考える
- 保護者が子どもの特性を受け入れる姿勢が何よりのサポート
検査結果を見ると、子どもの困りごとの「理由」がわかります。この理由を理解することで、「頑張りが足りない」という誤解から解放されます。
忘れ物が多いのは、努力不足ではなくWMIの特性です。作業が遅いのは、怠けではなくPSIの特性です。本人が一番困っていることを忘れないでください。
「なぜできないの」ではなく「どうしたらできるかな」と考える習慣をつけましょう。責めても状況は改善しません。子どもが失敗したときは、「次はどうすればいいかな」と一緒に対策を考えます。失敗を責めるのではなく、成功体験を増やす工夫を重ねていきましょう。
保護者が検査結果を理解し、子どもの特性を受け入れる姿勢を見せることが、何よりのサポートになります。
検査結果を活かした学習サポートという選択肢
家庭でのサポートに限界を感じたときは、専門家の力を借りるという選択肢もあります。
WISC-IVの結果を踏まえた学習支援は、お子さんの特性に合わせたアプローチができるのが大きなメリットです。たとえば、WMIが低いお子さんには一度に伝える情報量を調整したり、PSIが低いお子さんには時間をかけて丁寧に教えたりと、マンツーマンだからこそできる配慮があります。
塾の集団授業では、どうしても「全員に同じペースで教える」形になりがちです。その点、家庭教師なら検査結果をもとに、お子さん一人ひとりの認知特性に合わせた指導が可能です。
家庭教師のランナーでは、これまで30,034人のお子さんを指導してきました。その中には、WISC検査で凸凹が見つかったお子さんも多くいらっしゃいます。また、ランナーには発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフが在籍しており、検査結果を踏まえた学習支援の相談が可能です。
詳しくは「発達障害の家庭教師サポート」をご覧ください。オンラインでの指導も可能なので、「オンライン家庭教師」という選択肢もあります。
「まずは話を聞いてみたい」という方も大歓迎です。90分の無料体験レッスンでは、お子さんの特性に合った勉強のやり方を一緒に考えます。発達障害のあるお子さんの学習支援については、「発達障害の中学生が勉強しない理由とその対策をタイプ別に解説」も参考になります。
学校にお願いできる合理的配慮の具体例
- VCIやWMIが低い子には言語情報の処理をサポートする配慮が有効
- PSIが低い子には時間延長や板書のプリント配布が効果的
- 検査結果を根拠として示すと学校への相談がスムーズ
家庭でのサポートと並行して、学校への働きかけも重要です。
検査結果は合理的配慮を相談する際の客観的な根拠になります。具体的な配慮例と、学校への伝え方を解説します。
聞き取りや記憶が苦手な子への配慮例
- 口頭での指示は板書や配布プリントで補足してもらう
- 座席は先生の近くに配置してもらう
- 複数の指示は一つずつ確認しながら進めてもらう
VCIやWMIが低い子どもには、言語情報の処理をサポートする配慮が有効です。
口頭での指示は、板書や配布プリントで補足してもらえるよう相談してみましょう。宿題の指示なども、連絡帳に書くだけでなく、プリントで配布してもらえると助かります。
長い説明は、途中で区切って確認を入れてもらうのも効果的です。「ここまでわかった?」と声をかけてもらうだけでも、理解度が上がります。
座席は、先生の近くに配置してもらうとよいでしょう。指示を聞き逃したときにすぐ確認できますし、先生も気にかけやすくなります。複数の指示を一度に出すのではなく、一つずつ確認しながら進めてもらう配慮も相談できます。
処理速度が遅い子への配慮例
- テストでは時間延長の配慮を相談できる
- 板書内容をプリントで配布または写真撮影の許可を検討してもらう
- タブレット入力やキーボード入力の許可で書く負担を軽減
PSIが低い子どもには、時間的な配慮が最も効果的です。
理解力はあるのに時間切れで力を発揮できないことが多いため、時間の確保が鍵になります。
テストでは、時間延長の配慮を相談できます。別室で時間を延長してもらえると、本来の力を発揮しやすくなります。
板書は、写し終わる前に消されてしまうことが多いです。板書内容をプリントで配布してもらうか、写真撮影を許可してもらえないか相談してみましょう。
課題の量を調整してもらうことも有効です。同じ内容を学ぶのに、問題数を減らして質を保つ方法もあります。書く量が多い課題は、タブレット入力やキーボード入力を許可してもらえると負担が軽減します。
なお、合理的配慮は「他の児童生徒と平等に教育を受けるための変更・調整」という位置づけです。学校運用や試験の種類によって対応可否が異なるため、学校と建設的に話し合いながら調整していくことが大切です。
学校への伝え方と相談のコツ
- 検査結果を根拠として示すとスムーズに話が進みやすい
- パーセンタイル順位を使うとわかりやすく伝えられる
- 合理的配慮は「特別扱い」ではなく公平に学ぶための調整
合理的配慮を相談するときは、検査結果を根拠として示すとスムーズです。
感情的に訴えるよりも、客観的なデータをもとに話すことで、先生も対応を検討しやすくなります。
まずは担任の先生に相談します。検査結果の報告書があれば、コピーを渡して説明しましょう。パーセンタイル順位を使うと、わかりやすく伝えられます。
「ワーキングメモリーは下位5%ほどなので、聞き取りに配慮が必要です」といった伝え方が効果的です。
学校によっては、特別支援教育コーディネーターや教育相談員に相談できる場合もあります。担任だけでなく、学校全体でサポート体制を作ってもらえると安心です。
合理的配慮は「特別扱い」ではなく、お子さんが公平に学ぶための調整です。遠慮せずに必要なサポートを伝えてください。
専門家と一緒に学校への配慮を依頼する方法
学校への相談がうまくいかない、どう伝えればいいかわからないという場合は、専門家のサポートを活用する方法もあります。
保護者だけで学校と交渉するのは、心理的にも負担が大きいものです。検査結果の読み方や、どんな配慮が有効かを第三者が説明することで、学校側の理解が深まることもあります。
家庭教師のランナーでは、発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフが在籍しています。
「あんしんサポートサービス」を通じて、学習面だけでなく進路相談や学校との連携についてもサポートしています。お子さんの特性を理解した上で、ご家庭と学校の橋渡し役として機能できる場合もあります。
「家庭だけで抱え込まない」という選択肢があることを、ぜひ覚えておいてください。進学を見据えた支援については、「発達障害のある子どもの高校受験で失敗しないための全知識と最適な家庭教師選び」も参考になります。
WISC-IVの結果でよくある疑問Q&A
- スコアが低いだけで発達障害と診断されるわけではない
- 結果を見たらまず心理士の説明を聞き、学校と共有する
- 検査結果は「子どもを理解するためのツール」として活用する
最後に、WISC-IVの結果を見たときに多くの保護者が感じる疑問にお答えします。
スコアが低いと発達障害ってこと?
- 検査結果だけで発達障害と診断されるわけではない
- 診断は医師が複数の情報を総合的に判断して行う
- 大切なのは診断名より「どうサポートするか」という視点
WISC-IVのスコアが低いからといって、それだけで発達障害と診断されるわけではありません。
WISCは発達障害の有無を判定する検査ではなく、検査結果はあくまで参考データの一つです。発達障害の診断は、医師が複数の情報を総合的に判断して行います。検査結果だけでなく、生育歴や日常生活の様子、行動観察なども含めて評価されます。
また、指標が低いことと発達障害は直接イコールではありません。環境要因や教育環境、検査時のコンディションなども結果に影響します。検査結果で気になる点があれば、専門家に相談してください。
大切なのは、診断名よりも「子どもが何に困っていて、どうサポートするか」という視点です。
結果を見た後、まず何をすればいい?
- FSIQだけでなく4つの指標と指標間の差をチェック
- 心理士から結果の説明を受ける機会があれば必ず参加
- 説明を聞いた後は学校と情報を共有する
検査結果を受け取ったら、まず冷静に数値を確認しましょう。
FSIQだけでなく、4つの指標と指標間の差をチェックします。
次に、心理士から結果の説明を受ける機会があれば、必ず参加してください。数値の意味や日常生活との関連を具体的に聞くことが大切です。
疑問点は遠慮なく質問しましょう。「この数値は日常のどんな場面に影響しますか」「家庭でできるサポートはありますか」といった具体的な質問がおすすめです。
説明を聞いた後は、学校と情報を共有します。担任の先生に報告書を見せて、必要な配慮について相談してください。
検査結果は「子どもをジャッジするもの」ではなく、「子どもを理解し、支援するためのツール」です。この視点を忘れずに活用していきましょう。
WISC-IV知能検査の結果の見方についてまとめ
- ・FSIQだけでなく4つの指標(VCI・PRI・WMI・PSI)のバランスを見ることが重要
- ・指標間の差(凸凹)が子どもの困りごとの原因を示している
- ・得意を活かして苦手をカバーする戦略が効果的
- ・家庭では環境調整、学校には合理的配慮を相談する
- ・検査結果は子どもを理解するための「羅針盤」として活用する
この記事では、WISC-IV知能検査の結果の見方と、その活かし方について解説してきました。
まず押さえておきたいのは、FSIQだけを見て一喜一憂しないことです。本当に大切なのは4つの指標(VCI・PRI・WMI・PSI)のバランスであり、指標間の差が子どもの困りごとの原因を示しています。
各指標が何を測っているかを理解すれば、「なぜ困っているのか」の理由が見えてきます。そして、その理由に合わせた家庭でのサポートや学校への合理的配慮の相談が可能になります。
検査結果は子どもの能力を否定するものではありません。むしろ、得意を活かして苦手をカバーする戦略を立てるための「羅針盤」として活用してください。
今日からできることとして、まずはお子さんの得意な部分を言葉にして伝えてみてください。そして、苦手な部分は環境調整でカバーしていきましょう。学校への相談も、遠慮せずに行動に移してください。
検査結果を正しく理解し、適切なサポートにつなげることで、お子さんの可能性は広がっていきます。お子さんの学習でお悩みの方は、まずは気軽にご相談ください。家庭教師のランナーでは、90分の無料体験レッスンを実施しています。お子さんに合った勉強のやり方を一緒に見つけていきましょう。







