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漢字が覚えられない発達障害?原因と家庭でできる対処法4選【チェックリスト付き】
2026.01.22

「何度書いても漢字が覚えられない」「昨日練習したのに、今日はもう忘れている」。
そんなお子さんの様子を見て、「もしかして発達障害?」と不安を感じていませんか。
ご安心ください。漢字が覚えられないのは「努力不足」ではありません。
脳の情報処理の仕方に少し特徴があるだけで、その子に合った学習方法を見つければ、漢字を身につけることは十分に可能です。
この記事では、漢字が覚えられない4つの原因と発達障害との関係、簡易チェックリスト、今日から家庭でできる対処法をご紹介します。
目次
漢字が覚えられないのは「努力不足」じゃないかもしれません

- 公立学校の通常学級に在籍する小中学生の約8.8%に学習面又は行動面での著しい困難がある
- 何度書いても覚えられないのは脳の働き方の違いが原因の可能性
- 「努力不足」ではなく「サポートが必要」というサイン
漢字が覚えられないことで悩んでいるお子さんは、実は少なくありません。
文部科学省の調査によると、公立学校の通常学級に在籍する小中学生の約8.8%に学習面又は行動面での著しい困難があるとされています。これは35人学級であれば、クラスに3人程度いる計算です。
何度書いても覚えられない…親御さんの不安
- 漢字が苦手な子どもを持つ親御さんは決して少数派ではない
- お子さん自身も自己肯定感の低下につながりやすい
- まずは「努力が足りない」という考えから離れることが大切
「うちの子だけ、どうしてこんなに漢字が苦手なんだろう」。
そんな思いを抱えている親御さんは、決して少数派ではありません。
宿題で漢字練習をさせても翌日には忘れている、テストでは白紙に近い解答用紙が返ってくる。こうした状況が続くと、焦りや不安を感じるのは当然のことです。
でも、実際にはどれだけ練習させても改善しないケースがあるんです。
お子さん自身も苦しんでいます。一生懸命書いているのに覚えられない経験を繰り返すうちに、「自分はダメなんだ」と自己肯定感が下がってしまうことも珍しくありません。
だからこそ、まずは「努力が足りない」という考えから離れることが大切です。
覚えられないのには理由がある
- 漢字を覚えるには視覚認知・記憶・運動協調など複雑な脳機能が必要
- 発達障害(LD・ADHD・ASD)と関連していることがある
- 「欠陥」ではなく「特性」として理解することが重要
漢字を覚えるという作業は、実はとても複雑な脳の働きを必要とします。
まず目で漢字の形を認識し、それを記憶に留め、さらに手を動かして正確に再現する。この一連のプロセスのどこかに苦手さがあると、漢字学習が極端に難しくなるんです。
こうした特性は、学習障害(LD)やADHD、自閉スペクトラム症(ASD)などの発達障害と関連していることがあります。
重要なのは、これらは「欠陥」ではなく「特性」だということです。特性に合った学習方法を見つければ、漢字を身につけることは十分に可能です。
発達障害のあるお子さんが勉強で困る原因と対策は「発達障害で勉強についていけない|原因と具体的サポート法」で詳しく解説しています。
漢字が覚えられない原因|発達障害との関係とは

- 学習障害(LD):読字障害と書字障害が漢字学習に影響
- ADHD:注意力の維持と反復作業への苦手意識が原因
- ワーキングメモリの弱さ:情報を一時保持する機能の困難
- 視覚認知の困難:漢字が「模様」に見えてしまう状態
漢字が覚えられない背景には、さまざまな要因が考えられます。
ここでは、代表的な4つの原因について解説します。
学習障害(LD)|読み書きに困難がある
- 知的な遅れがないのに特定の学習に著しい困難がある状態
- 読字障害(ディスレクシア)と書字障害(ディスグラフィア)の2種類
- 「見えにくい障害」として周囲から誤解されやすい
学習障害(LD)は、知的な遅れがないにもかかわらず、読む・書く・計算するなど特定の学習に著しい困難がある状態です。
漢字学習に関係するのは、主に「読字障害(ディスレクシア)」と「書字障害(ディスグラフィア)」の2つです。
読字障害のあるお子さんは、文字と音を結びつけることが苦手です。「読めないから書けない」という悪循環に陥りやすいのが特徴です。
一方、書字障害のあるお子さんは、文字の形を正確に認識して書くことに困難があります。線の数が足りなかったり、へんとつくりの位置が逆になったりすることがあります。
学習障害は「見えにくい障害」とも呼ばれ、周囲から「怠けている」と誤解されやすいんです。でも本人は一生懸命やっています。
ADHD|集中が続かず反復練習が苦手
- 注意力の維持が難しく反復作業が苦痛になりやすい
- 衝動性によりお手本をよく見ずに書き始めてしまうことも
- 短時間で区切りながら取り組む方法が効果的
ADHD(注意欠如・多動症)の特性を持つお子さんも、漢字学習でつまずきやすい傾向があります。
漢字練習には、同じ字を何度も繰り返し書くという作業が伴います。ADHDのお子さんにとって、この単調な反復は非常に苦痛なんです。
また、衝動性の特性があると、お手本をよく見ないまま書き始めてしまうこともあります。結果として、練習したのに正確な形が身についていないという状況になりやすいんです。
ADHDのお子さんが集中して勉強できる具体的な方法は「ADHDの勉強法|集中力を引き出す7つのコツ」で解説しています。
ワーキングメモリの弱さ|覚えてもすぐ忘れる
- 情報を一時的に保持しながら処理する脳機能の弱さ
- 書いている途中で次の線がわからなくなることがある
- 一度に覚える量を減らし声に出しながら書く方法が有効
ワーキングメモリとは、情報を一時的に保持しながら処理する脳の働きのことです。
この機能が弱いと、「さっき覚えたのに、もう忘れた」という状態が頻繁に起こるんです。
漢字を書くときには、お手本を見て形を記憶し、その記憶を保ったまま手を動かす必要があります。ワーキングメモリが弱いお子さんは、書いている途中で「次にどこに線を引くんだっけ」とわからなくなることがあります。
対策としては、一度に覚える量を減らすこと、声に出しながら書くことなどが有効です。
ワーキングメモリを鍛える方法は「ワーキングメモリが低いお子さんへのサポート法」で詳しく解説しています。
視覚認知の困難|漢字が「模様」に見える
- 目から入った情報を脳で処理して意味を理解する機能の困難
- 漢字の全体像を把握することが苦手
- 「見て覚える」より「聞いて覚える」方法が効果的
視覚認知とは、目から入った情報を脳で処理して意味を理解する機能のことです。
この機能に困難があると、漢字が「文字」ではなく「模様」のように見えてしまうことがあります。
視覚認知に弱さがあるお子さんは、漢字の全体像を把握することが苦手です。お手本を見ながら書き写す作業でも、どこからどこまでが一つのまとまりなのか把握できず、バラバラな線の集合体として認識してしまうんです。
このような場合は、漢字を「見て覚える」方法より、「聞いて覚える」「体で覚える」方法が効果的です。
【簡易チェックリスト】うちの子に当てはまる?
- 読むときに見られるサイン:似た形の漢字の読み間違い、読むのに時間がかかる
- 書くときに見られるサイン:正確に書き写せない、線の数の間違い
- チェックが多い場合は専門家への相談を検討
お子さんの漢字学習の困難さが特性によるものかどうかを見極めるヒントとして、簡易チェックリストをご用意しました。
読むときに見られるサイン
- 似た形の漢字を読み間違えることが多い
- 漢字を見ても読み方がすぐに出てこない
- 音読を極端に嫌がる傾向がある
□ 似た形の漢字を読み間違えることが多い(例:「待」と「持」、「校」と「枝」)
□ 漢字を見ても読み方がすぐに出てこない、または読むのに時間がかかる
□ 文章を読むとき、漢字のところでつっかえたり、飛ばして読んだりする
□ 習った漢字でも、文脈が変わると読めなくなることがある
□ 音読するのを極端に嫌がる
これらのサインは、読字障害(ディスレクシア)の特性と関連している可能性があります。
書くときに見られるサイン
- お手本を見ながらでも正確に書き写せない
- 線の数が多かったり少なかったりする間違いが頻繁
- 何度練習しても同じ間違いを繰り返す
□ お手本を見ながらでも、正確に書き写せないことがある
□ 線の数が多かったり少なかったりする間違いが頻繁にある
□ へんとつくりの位置が逆になったり、パーツがバラバラになったりする
□ 筆圧が極端に強い、または弱い
□ 何度練習しても、同じ間違いを繰り返す
これらは書字障害(ディスグラフィア)や、視覚認知の困難と関連している可能性があります。
チェックが多いときの次のステップ
- チェックが多くても焦らず「サポートが必要」というサインと捉える
- 学校の担任やスクールカウンセラーへの相談がおすすめ
- WISC-Ⅴなどの発達検査で得意・不得意を可視化できる
チェックリストで複数の項目に当てはまった場合、まずは焦らないでください。
これらのサインは「サポートが必要」というシグナルです。
まずは学校の担任の先生やスクールカウンセラーに相談することをおすすめします。
より詳しく特性を把握したい場合は、WISC-Ⅴなどの発達検査を受けることもできます。検査を受けると、お子さんの得意・不得意が数値で可視化され、効果的なサポート方法を見つけやすくなります。
今日からできる!家庭での漢字学習サポート法
- 漢字をパーツに分解して覚える方法
- 声に出して「唱えて」覚える聴覚活用法
- タブレットやアプリを活用したデジタル学習
- 「できた」を増やす声かけで自己肯定感を育てる
漢字が覚えられないお子さんには、従来の「書いて覚える」方法以外のアプローチが効果的です。
今日から家庭で実践できる4つの方法をご紹介します。
漢字をパーツに分解して覚える
- 複雑な漢字をへん・つくりなどのパーツに分けて認識
- 一度覚えたパーツは他の漢字にも応用できる
- 「ミチムラ式漢字カード」などの教材が役立つ
漢字を「一つの塊」として覚えようとすると、複雑な形に圧倒されてしまいがちです。
そこで効果的なのが、漢字をパーツに分解して覚える方法です。「語」という漢字なら、「言(ごんべん)」と「吾」に分けて認識します。
一度覚えたパーツは他の漢字でも使えるので、学年が上がるほど効率的に覚えられるようになります。
家庭で取り組む際は、「にんべん」「さんずい」「きへん」など、頻出するパーツを先にマスターしましょう。
声に出して「唱えて」覚える
- 聴覚を活用して漢字の構造を声に出しながら書く
- 書く動作と声を連動させることで記憶に残りやすい
- ワーキングメモリが弱いお子さんにも効果的
視覚的に漢字を覚えることが苦手なお子さんには、聴覚を活用する方法が効果的です。
たとえば「道」という漢字なら、「首の下に、しんにょう」と唱えながら書きます。書く動作と声を連動させることで、記憶に残りやすくなるんです。
唱える言葉は、お子さん自身が覚えやすいものでOKです。大切なのは、毎回同じ言葉で唱えることです。
タブレットやアプリを活用する
- 即時フィードバックで誤った形を反復するリスクを軽減
- ゲーム感覚で学習意欲を高められる
- ICTツールの活用は学校でも合理的配慮として認められている
タブレット学習のメリットは、即時フィードバックがあることです。
間違えたらすぐに指摘してもらえるので、誤った形を反復して覚えてしまうリスクが減ります。
「スマイルゼミ」「進研ゼミ」などのタブレット教材は、学年をこえた学習で基礎から学び直すことも可能です。「すらら」のようにスモールステップで進められる教材は、学習障害のあるお子さんにも取り組みやすいと評判です。
「できた」を増やす声かけのコツ
- 「結果」ではなく「過程」を褒めることがポイント
- 間違いを指摘するときは前向きな言い方に工夫する
- 小さな目標設定で成功体験を積み重ねる
漢字学習で苦労しているお子さんは、すでに自信を失っていることが多いです。
ポイントは「結果」ではなく「過程」を褒めることです。
「全部正解できたね」よりも「最後まで集中して取り組めたね」と声をかけてみてください。
「今日は3個だけ」と目標を小さくして、「全部できた!」という成功体験を積み重ねていきましょう。
ここまでの方法を試しても改善が見られない場合や、「うちの子に合った方法がわからない」という場合は、専門家に相談してみるのも選択肢の一つです。
学校に配慮をお願いする方法
- 2024年4月から私立学校も合理的配慮の提供が義務化
- 漢字学習で受けられる配慮:テスト時間延長、ルビ付き問題、ICT利用など
- 担任の先生への伝え方:具体的なエピソードと検査結果を共有
家庭でのサポートと並行して、学校での配慮も検討してみてください。
障害者差別解消法の改正により、2024年4月1日から、公立学校だけでなく私立学校でも合理的配慮の提供が義務化されました。
「うちの学校は私立だから配慮してもらえない」と思っていた方も、遠慮なく相談してみてください。
漢字学習で受けられる配慮の例
- テスト時の配慮:時間延長、別室受験、ルビ付き問題用紙
- 授業中の配慮:板書の写真撮影許可、タブレットでのノートテイク
- 宿題の配慮:漢字練習の量や書く回数の調整
テスト時の配慮として「時間延長」「ルビ付き問題用紙の使用」などがあります。
授業中は「板書の写真撮影を許可する」「タブレットでのノートテイクを認める」などが可能です。
書くことへの負担を減らすことで、授業内容の理解に集中できるようになります。
担任の先生への伝え方
- 連絡帳や電話で面談の時間を確保してもらう
- 抽象的ではなく具体的なエピソードを共有する
- 「一緒に考えていただけませんか」というスタンスで相談
面談では、「漢字が苦手」という抽象的な表現ではなく、「何度書いても覚えられない」「テストで白紙になることがある」など、具体的なエピソードを共有しましょう。
発達検査を受けている場合は、検査結果を持参すると説得力が増します。
家庭だけで抱え込まないで|専門家のサポートという選択肢
- 家庭と学校だけで解決しようとすると疲弊してしまうことがある
- 専門家の力を借りることでより効果的なサポートが可能に
- 無理をせず早めに相談することが大切
漢字学習の困難さは、家庭と学校だけで解決しようとすると、親御さんもお子さんも疲弊してしまうことがあります。
専門家に相談するタイミング
- 家庭でいろいろな方法を試しても改善が見られないとき
- お子さんが「学校に行きたくない」「勉強が嫌い」と言い始めたとき
- 漢字以外の学習にも困難が広がっているとき
上記のようなサインが見られたら、専門家の力を借りるタイミングです。
相談先としては、発達障害者支援センター、教育相談センター、医療機関(小児神経科・発達外来など)があります。
発達障害のあるお子さんに家庭教師が向いている理由は「発達障害×家庭教師|個別指導が効果的な3つの理由」で解説しています。
家庭教師のランナー|勉強が苦手な子専門だから安心

- 勉強が苦手な小中高生専門の家庭教師センター
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- 30分900円からの始めやすい料金設定
私たち「家庭教師のランナー」は、「勉強が苦手な小中高生専門」を掲げる家庭教師センターです。
発達障がいコミュニケーション指導者が在籍
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漢字が覚えられない発達障害のお子さんへの対処法まとめ
- ・漢字が覚えられないのは「努力不足」ではなく脳の情報処理の違いが原因
- ・学習障害・ADHD・ワーキングメモリの弱さ・視覚認知の困難が背景にある
- ・パーツ分解、唱えて覚える、タブレット活用、声かけの工夫が効果的
- ・学校への配慮依頼や専門家のサポートも積極的に活用する
漢字が覚えられないことには、発達障害や認知特性の違いといった明確な理由があります。
決して「努力不足」ではありません。
大切なのは、お子さんの特性を理解し、その子に合った学習方法を見つけてあげることです。
今日から実践できる対処法として、「パーツに分解して覚える」「声に出して唱えながら書く」「タブレットを活用する」「できたを増やす声かけ」の4つをご紹介しました。まずは1つだけでも、今日から試してみてください。
学校への配慮依頼も検討しましょう。2024年4月からは私立学校でも合理的配慮が義務化されました。
家庭だけで抱え込まず、専門家の力を借りることも選択肢の一つです。私たち家庭教師のランナーも、累計3万人超のお子さんをサポートしてきました。
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発達障害について体系的に知りたい方は「子供の発達障害ガイド|種類・特徴・サポート方法を解説」もご覧ください。








