mamome(ママのモヤッとメディア)

  • 不登校向けの家庭教師
  • 発達障害向けの家庭教師

ADHDの独り言がうるさい|4つの理由と止めていい声の見分け方

2026.08.18

ADHDの独り言がうるさい|4つの理由と止めていい声の見分け方

宿題が始まると、お子さんの声が途切れずに聞こえてくる。「静かにして」と伝えても、5分後にはまた元どおり。

夕食の準備や下のお子さんの世話と重なる時間帯なら、なおさらつらいですね。うるさいと感じてしまう自分に、後から落ち込む方もいます。

先に結論をお伝えすると、独り言は、全部を止めなくて大丈夫です。ADHDのあるお子さんの声には手順や気持ちを支える働きが混ざっていて、一律に止めるとかえって進みにくくなることもあるためです。

この記事では、声が出る背景として考えられる4つの理由、止めていい声・残したい声の見分け方、今日から使える声かけ、学校への伝え方までをご紹介します。

目指すのはゼロではなく、場面に合わせて声を調整できるようになることです。注意する回数も、少しずつ減っていくかもしれませんよ。

目次

ADHDの独り言がうるさいと感じるのはなぜ?考えられる4つの理由

ADHDの独り言がうるさいと感じるのはなぜ?考えられる4つの理由

  • 声が出る背景は1つとは限らない
  • 医学的な分類ではなく観察のための整理
  • しつけだけで説明できるものではない

結論からお伝えすると、ADHDのあるお子さんの独り言には、頭の中の情報を整理したり、気持ちを落ち着けたりする働きが混ざっていることがあります。単純に「しつけの問題」だけで説明できるものではありません。

ここでご紹介する4つは、医学的に決められた分類ではなく、ご家庭で観察するときの整理です。

どの背景に近い声かを見当づけると、その場で止めるか待つかを判断しやすくなりますよ。

覚えておく情報が多いときに、声に出して確認している

  • 頭の中で覚えておける量には個人差がある
  • 声に出すことが手順や情報を支えている
  • 大人も買い物前に同じことをしている

1つ目は、覚えておく情報が多い場面です。

頭の中で一時的に情報を保持しながら作業する力を、ワーキングメモリと呼びます。ADHDのあるお子さんには、この働きに苦手さがみられる場合があります。ただし全員ではなく、個人差の大きいところです。

声に出すことで、覚えておく情報や手順を支えている場合があります。

大人でも、買い物へ行く前に「卵、牛乳、パン」と口に出すことがありますね。頭の中だけで管理するより、声にしたほうが抜けにくいためです。

宿題や朝の支度など、覚えることが増える場面ほど声も増えやすくなります。くわしくは「ワーキングメモリが低いお子さんの特徴と関わり方」でもご紹介しています。

思い浮かんだことが、そのまま口から出やすい

  • 思いついた発言を抑えることに難しさがある場合も
  • 本人に「しゃべっている」自覚がないことも
  • わざとではないと分かると対応が変わる

2つ目は、頭に浮かんだことがそのまま声になる場合です。

ADHDでは、思いついた行動や発言をいったん抑えることに難しさがみられる場合があります。「考える前に話す」「場に合わないタイミングで発言する」といった形で表れることもあります。

そのためテレビの感想も、今やりたいことも、考えるより先に声になります。「なんで今それを言うの」と感じる場面でも、わざと言っているわけではないかもしれません。

ここが分かるだけで、注意の仕方が少し変わってくることもありますね。

不安や緊張を、自分に話しかけて落ち着かせている

  • 「大丈夫」「あと少し」は自分を支える声
  • 苦手な教科やテスト前に出やすい
  • ADHDの有無にかかわらず見られる

3つ目は、不安を落ち着けるための声です。

「大丈夫、できる」「間違えても消せばいい」と繰り返しながら課題に向かうお子さんがいます。苦手な教科やテストの前に出やすい声です。

自分で自分を励まして、手を止めないようにしている場合があります。

これはADHDに特有のものではありません。特性の有無にかかわらず、自分を励ますために声に出すお子さんもいます。

内容を聞いておくと、何に不安を感じているかも見えてきます。「また怒られる」という言葉が混ざっていれば、学校での出来事が関係しているかもしれません。

自分の声がどのくらいの大きさか、気づきにくい

  • 興奮した場面では声が大きくなることがある
  • 声量への気づきやすさには個人差がある
  • 「うるさい」では下げる幅が伝わらない

4つ目は、声の大きさに気づきにくいことです。

ADHDのあるお子さんの中には、興奮した場面などで声が大きくなることがあります。自分の声量にどのくらい気づけるかには、個人差があります。

本人は、普通に話しているつもりでいることもあります。だから「うるさい」と言われても、どのくらい下げればよいのかが分かりません。

ここは後ほどご紹介する「声レベル表」で、目に見える形にしていきましょう。

独り言は止めていい?残す声・調整する声・様子を見る声の見分け方

独り言は止めていい?残す声・調整する声・様子を見る声の見分け方

  • 声は中身によって果たす役割が違う
  • 残す・調整する・様子を見るの3つに分ける
  • 観察のヒントは声の後に手が動くかどうか

結論からお伝えすると、独り言をすべて止める必要はありません。まず調整しやすいのは、周囲の生活に支障が出るほどの音量やタイミングです。

一方で、本人の意思と関係なく繰り返す発声や、強いつらさを示す言葉は、止めようとする前に別の背景がないかを確かめたい声です。

ここでは「残す声」「調整する声」「様子を見る声」の3つに整理します。家庭で観察するときの一つのヒントは、その声の後にお子さんの手が動き始めるかどうかです。

自分に段取りを指示している声・自分を励ます声は残そう

  • 声の後に手が動くなら残したい声
  • 無理に止めると進みにくくなることも
  • 音が気になるならリストに書き移す

残したいのは、自分に手順を指示している声と、自分を励ましている声です。

「まず名前を書く」「次は3番」「あと2問」といった言葉の後には、たいてい手が動き始めます。

声に出して手順を確認することが取り組みを支えている場合、無理に止めるとかえって進みにくくなることがあります。

宿題を早く終わらせたい日ほど、残しておくほうが結果的にスムーズなこともありますね。

音が気になるときは、やることリストを作り、終わったら線を引く形にすると声の代わりになることがあります。ただし置き換えには時間がかかるため、書く量を1行ずつ増やしていきましょう。

興奮して大きくなる実況は、場所と時間で調整しよう

  • 内容を禁止せず場所と時間で区切る
  • 集合住宅は夜の時間設定が特に大切
  • ルールは本人と一緒に決める

調整の対象になりやすいのが、興奮したときの実況です。

ゲームや動画を見ているときに声量が急に上がり、家中に響くことがあります。内容は楽しい話題であることが多く、本人は大きさに気づいていないこともあります。

この声は、内容を制限するより、場所と時間で区切るほうが取り組みやすくなります。

「実況は自分の部屋で」「20時以降はリビングで小さく」といった形です。時間はご家庭の生活に合わせて決めてかまいません。

集合住宅なら、夜はゲームの音をヘッドホンにする方法もあります。ただし耳をふさぐと自分の声が聞こえにくくなり、かえって声が大きくなる場合もあります。その様子が見られたら、音量を下げる、対戦系は休日の昼間にするなど、別の方法に切り替えてみてください。

ルールはお子さんと一緒に決めると守られやすくなります。禁止事項を並べるより、大きい声を出していい場所を先に示してみましょう。

同じ言葉の繰り返しや突然出る声は、記録して様子を見よう

  • 意図と関係なく出る声は別の背景の場合も
  • いつから・どんな音か・間隔を書き留める
  • 家庭で分類しきらなくて大丈夫

3つ目は、少し様子を見たい声です。

同じ言葉や音を短い間隔で繰り返す、意図とは関係なく声が出てしまう。本人に聞いても「なんとなく」「勝手に出る」と答えることがあります。

こうした発声は、独り言とは別の背景を持っている場合もあります。

急に増えた、体の動きが一緒に出ている、本人が止められずに困っている。こうした様子があれば、いつから・どんな音か・どのくらいの間隔かを記録しておきましょう。

この段階で慌てて判断する必要はありません。相談の目安は、後の章でご紹介しますね。

宿題中に独り言が増えやすい4つの瞬間と、そのときの関わり方

  • 声が増える場面はご家庭ごとに違う
  • まずは観察して1つに絞る
  • 瞬間ごとに関わり方を変えてみる

結論からお伝えすると、宿題中に声が増えやすい場面として、次の4つを観察してみましょう。取りかかる直前、手を動かしている最中、つまずいた瞬間、そして学校から帰った直後の時間帯です。

研究で確立された分類ではなく、ご家庭で見つけやすい場面の例です。瞬間ごとに声の役割が違うことがあるため、関わり方も変わります。

1週間だけ、時間帯・教科・内容・声の大きさをメモしてみてください。声が増える場面は、思ったより限られていることに気づく方もいますよ。

プリントを開いた直後の「えっと、まず何するんだっけ」

  • 役割:どの順番で進めるかを決めていることも
  • 止めると:決めかけた段取りが途切れることも
  • 代わりの一手:やることを紙に書き出す

宿題を出してから最初の数分、「漢字が先、算数が後」「消しゴムどこ」といった声が続き、書き始めると静かになる。よく見られるパターンです。

この声は、どの順番で進めるかを決めるために出ていることがあります。

取りかかりの段階では、順番を決める、道具をそろえる、時間を見積もる作業が同時に必要になります。ここで「うるさい」と止めると、決めかけていた段取りが途切れ、また最初から考え直すことになるかもしれません。

代わりの一手は、やることを紙に書き出すことです。「①漢字プリント、②算数ドリル2ページ」と机に置くだけで、声に頼らず順番を確認できます。

取りかかりそのものが難しい日が続くなら「宿題をしない子は発達障害?」もあわせてご覧ください。

筆算や漢字の書き取りで手が動いているとき

  • 役割:覚えておく数字を音で支えていることも
  • 止めると:かえって進みにくくなることも
  • 代わりの一手:小声への切り替えを提案する

2つ目は、手を動かしている最中です。繰り上がりのある筆算や、書き順を覚えている途中でよく出ます。

「28引く9は……えっと、繰り下がりで」という声は、覚えておく数字を音で支えている状態かもしれません。

この声が計算を支えている場合、途中で止めるとかえって進みにくくなることがあります。

時間を優先したい日ほど、見守るほうが早く終わることもありますね。

どうしても静かにしたいときは、止めるのではなく「同じことを、ひそひそ声で言える?」と提案してみてください。記憶を保ったまま、音量だけ下げられる場合があります。

4つの瞬間の中で、いちばん止めない判断が向いているのがこの場面です。

わからない問題にぶつかって手が止まったとき

  • 役割:困っていることを知らせるサイン
  • 止めると:気持ちごと否定された形になる
  • 代わりの一手:内容に反応して1つだけ聞く

3つ目は、解けない問題に出会って手が止まった瞬間です。「無理」「意味わからん」「もうやだ」といった言葉に変わり、声量が上がることもあります。

段取りの確認とは違い、この声は困っている状態を知らせるサインかもしれません。

ここで「うるさい」と反応すると、困っている気持ちまで否定された形になります。次から、分からないことを言い出しにくくなるかもしれません。

代わりの一手は、声の大きさではなく内容に反応することです。「どこまで分かった?」と1つだけ確認すると、状況が具体的になります。

式を1行だけ書く、図に線を1本引く、と作業を小さく分ける方法も一例です。

5分たっても進まないときは、いったん飛ばしてかまいません。「後で一緒に見よう」と伝えておけば、放り出したことにはなりませんよ。

学校から帰った直後の時間帯

  • 役割:疲れや緊張の反動が出ていることも
  • 止めると:宿題の前に注意の応酬が始まる
  • 代わりの一手:体を動かす時間を先に

4つ目は、学校から帰った直後の時間帯です。ランドセルを置く前から、その日の出来事を大きな声で話し続けるお子さんは少なくありません。

学校生活での疲れや緊張の反動、空腹、環境の切り替わりなど、いくつかの要因が重なって、帰宅後に声や行動が増えるお子さんもいます。

このまま宿題を始めると独り言も一緒に増え、始める前から注意のやり取りになってしまうこともありますね。

代わりの一手は、宿題の前に切り替えの時間をつくることです。一例として10分から20分程度、外遊び、階段の上り下り、風呂掃除など、体を動かす活動を挟んでみてください。長さは、お子さんが落ち着きやすい時間に調整して大丈夫です。

おやつを食べながら学校の話を聞く時間にしてもかまいません。夕食後のほうが落ち着くなら、時間帯を後ろにずらす選択も現実的ですよ。

「静かにして」が伝わりにくい理由|今日から使える声かけと声レベル表

  • 「静かに」は人によって指す音量が違う
  • 数字にすると判断しやすくなる子もいる
  • 伝え方は注意ではなく提案の形に

結論からお伝えすると、「静かにして」が伝わりにくいのは、どのくらいの音量を指すのかが人によって違うからです。下げたつもりでも、また注意されることになります。

そこで役立つのが、声の大きさを数字にする方法です。

表にすると、達成できたかどうかを自分で判断しやすくなるお子さんもいますよ。

声の大きさを0〜5の6段階にして、家族全員で共有しよう

  • 6段階の目安を実際の声で確かめておく
  • 部屋ごと・時間ごとのOKレベルを貼る
  • 大人も同じ表を使うと不公平感が出ない

まず取り組みたいのが、声の大きさを数字にすることです。紙に書いて壁に貼るだけで、家族全員が同じ基準を使えるようになります。

標準化された尺度があるわけではないので、ご家庭に合う形でかまいません。たとえば、次のような6段階にしてみる方法があります。

レベル 声の目安 使う場面の例
0 心の中で言う テスト中・図書館
1 ひそひそ声 宿題中の机
2 小さな声 リビング
3 ふつうの声 自分の部屋・家族との会話
4 大きな声 公園・体育館
5 呼びかける声 遠くの人を呼ぶとき

数字だけでは伝わらないため、それぞれの声を実際に出して確かめておきましょう。

表ができたら、場所と時間のルールを足します。リビングは2まで、宿題中の机は1まで、自室は3まで、20時以降は全室1まで、といった形が一例です。

壁やドアに貼っておけば、その場で指をさすだけで伝わります。声をかける側も、大きな声を出さずに済みますね。

このルールは、家族全員に同じように適用すると受け入れられやすくなります。保護者の方も動画はイヤホンで、静かな時間はテレビを消す。お子さんだけが我慢する形にしないことが、続けるコツです。

「レベル1でいこう」と提案の形で伝えよう

  • 「うるさい」だけでは何をすればよいか伝わらない
  • 「レベル1でいこう」は音量だけの提案になる
  • 下げられた瞬間にその場で短く伝える

表ができたら、使う言葉も入れ替えます。おすすめは「レベル1でいこう」という一言です。

「うるさい」とだけ言われたお子さんに残るのは、しゃべったこと自体を怒られた、という記憶かもしれません。何をどうすればよいかは伝わりません。

一方で「レベル1でいこう」なら、下げる先が数字で示されています。否定ではなく、音量だけを変える提案として伝える方法です。

言い方はご家庭に合わせてかまいません。「それ、心の中で言える?」のように、レベル0を提案する形もあります。

伝えるときは、離れた場所から呼びかけず、近くに行って穏やかに。遠くから大声で言うと、家全体の音量が上がってしまいますね。

そして下げられた瞬間に「今、レベル1にできたね」とその場で伝えます。厚生労働省も、ADHDのある方への関わり方として、短く明確に伝えることや、分かりやすいルールを示すことを挙げています。

声に出す→小声→心の中へ、少しずつ移していこう

  • 家庭で試せる一例として段階を分ける
  • 唇だけ動かす方法が合うお子さんもいる
  • 練習は安心できる家庭の宿題から

声の調整は、段階に分けると取り組みやすくなることがあります。いきなり心の中だけにするのではなく、少しずつ移していく方法です。

ご家庭で試せる一例として、ふつうの声、小さい声、ひそひそ声、唇だけ動かす、頭の中で言う、という順番があります。標準的な訓練法として決まっているわけではないので、お子さんの様子を見ながら1段ずつ進めていきましょう。

練習は家庭の宿題から始めるのがおすすめです。学校でいきなり試すと、うまくいかなかったときに注意される可能性があります。

進み方には個人差があります。疲れている時期や新しい環境では一時的に戻ることもありますが、失敗ではありません。また前の段階から再開すれば大丈夫ですよ。

やってはいけない対応|逆効果になりやすいNGな関わり方3つ

  • 怒鳴る対応は緊張や対立を強めやすい
  • 一日中の注意は本人の自信を削りやすい
  • 保護者だけが我慢する形も長く続かない

結論からお伝えすると、避けたい対応は3つあります。感情的に怒鳴ること、一日中こまかく注意し続けること、そして保護者の方だけが我慢し続けることです。

いずれも、声を調整する方法を身につけてもらう関わり方としては、うまく働きにくいものです。

余裕がない日には起こりやすいことばかりですね。責める意味ではなく、気づいた日から変えられる点として読んでみてください。

感情的に「うるさい!」と怒鳴る・人前で恥をかかせる

  • 怒鳴られると緊張が強まることがある
  • 大きな声は音量の手本にならない
  • 兄弟姉妹や来客の前は特に避けたい

1つ目は、感情的に怒鳴ることです。

不安や緊張から出ている独り言の場合、怒鳴られることで緊張がさらに強まることがあります。落ち着かせるための声が、かえって増えてしまうこともあります。

大きな声で「うるさい」と伝えると、その場でいちばん大きな音を出しているのは伝えた側です。音量の手本としても、働きにくいですね。

特に避けたいのが、兄弟姉妹や来客の前で指摘することです。恥ずかしさが残ると、声そのものより「自分はダメだ」という気持ちが強く残ることがあります。

それでも、つい出てしまう日はあります。そのときは「さっきは大きな声でごめんね」と後から伝えるだけで十分ですよ。

一日中こまかく注意し続ける

  • 注意が多いほど言葉の重みは薄れる
  • 減らしたい場面を1日1つに絞る
  • 支障が大きくない場面は優先順位を下げる

2つ目は、気づくたびに注意することです。

朝の支度から寝る前まで声をかけ続けると、1日の注意は何十回にもなります。回数が増えるほど、言葉の重みは薄れていきます。

そして、注意され続けたお子さんには「自分はいつも怒られている」という感覚だけが積み重なってしまうことがあります。

おすすめは、減らしたい場面を1つに絞ることです。宿題中の30分だけ、下のお子さんが寝た後だけ、と決めます。安全面や生活への大きな支障がない場面は、優先順位を下げてもよいかもしれません。

絞ると、伝える側の疲れも減ります。注意する回数より、うまくいったときに伝える回数のほうが多くなると、家の空気も変わっていきますよ。

保護者だけが我慢し続ける

  • 静けさを求めるのはわがままではない
  • 声から離れる時間をつくるのも対応の1つ
  • 限界を感じたら人に任せてよい

3つ目は、保護者の方だけが我慢し続けることです。

「特性なのだから受け止めるべき」と考えて、静かにしてほしい気持ちを抑えている方がいます。けれど、我慢だけで成り立つ生活は長く続きません。限界まで抑えた気持ちは、ある日きつい言葉になって出てしまうこともあります。

人の声は機械音と違って意味を持つため、聞き流すことが難しいものです。宿題の時間帯は、夕食の準備や下のお子さんの対応とも重なります。疲れるのは、自然な反応ですね。

静かな時間がほしいと思うことは、わがままではありません。イヤホンを使う、別の部屋で家事をする、家族と交代する。声から離れる時間を持つことも、立派な対応の1つです。

気持ちが限界に近いと感じる日は「発達障害の子育てに疲れたと感じたときに」もあわせてご覧ください。

授業中に注意されたら?学校への伝え方と病院に相談する目安

  • 学校には事実を3点セットで伝える
  • 担任の先生以外にも相談できる先がある
  • 急がなくていい場合の見分け方も知っておく

結論からお伝えすると、学校へ伝えるときは「どの場面で」「どのくらいの頻度で」「本人は何のために声を出していると言っているか」の3点をセットにします。

特性の説明だけでは、教室での対応は変わりにくいためです。

ここでは、連絡帳の文例、担任の先生以外の相談先、医療機関に相談する目安、そして大人になってからの変化までをご紹介します。

連絡帳・面談では「場面・回数・本人の言い分」をセットで伝えよう

  • 事実を3点にすると対応を検討しやすい
  • 面談は感謝→事実→言い分→希望の順
  • 担任の先生だけが窓口ではない

伝える内容は3つに絞ると整理しやすくなります。連絡帳には、次のような形でそのまま書き写せます。

算数の個人作業になると、周りに聞こえる声で手順を確認しているようです。本人は「声に出すと分かる」と話しています。家庭では、ひそひそ声への切り替えを練習しています。

音読の宿題の後は、声が大きくなりやすいようです。ご迷惑をおかけしていないか、学校での様子を教えていただけると助かります。

家庭で取り組んでいる内容を添えると、一緒に考える形が伝わりやすくなります。

面談では、感謝、事実、本人の言い分、希望、の順で話すと進めやすくなります。希望は「静かにさせてほしい」ではなく「ひそひそ声への切り替えを、学校でも一緒に練習したい」と具体的に伝えましょう。

全体の前で名前を呼ばずに、合図で知らせてもらう方法を相談することもできます。机を軽く2回たたく、決めたカードを見せる、といった形はご家庭からの提案例です。実際にどう対応するかは、学校と話し合って決めていきます。

なお、小・中学校には校内委員会や特別支援教育コーディネーターといった、保護者の相談を受ける仕組みが整えられています。担任の先生だけが窓口ではありません。

特別支援教育コーディネーターや通級による指導も相談できる

  • 校内の支援を調整する担当の先生がいる
  • 通級は診断がなくても相談できる
  • 実施の形は自治体や学校で異なる

担任の先生に相談しても状況が変わらないときは、相談先を広げる方法があります。

多くの学校には、特別支援教育コーディネーターという役割の先生が配置されています。校内の支援を調整し、外部機関との連絡役も担う立場です。

「校内で相談できる先生がいれば、一緒に考えていただけますか」と伝えると、角が立ちません。養護教諭やスクールカウンセラーも相談先になりますよ。

もう1つの選択肢が、通級による指導です。通常の学級に在籍したまま別の時間に個別の指導を受ける仕組みで、注意欠陥多動性障害も対象に含まれています。

文部科学省は、対象かどうかを医学的な診断の有無のみにとらわれず、教育的なニーズを踏まえて総合的に判断するよう示しています。

つまり、診断を受けていない段階でも相談はできるということですね。ただし、診断がなくても必ず利用できるという意味ではありません。実施の形も自治体や学校によって異なるため、まずは学校に確認してみてください。

学びの場に迷ったときは「特別支援学級に入る基準」もご覧ください。

病院に相談したい目安|急な変化・チック・強いつらさ

  • 場面が決まっていれば緊急性は高くないことも
  • 発声だけが繰り返される場合も相談の対象
  • 相談はかかりつけの小児科からで大丈夫

まず、緊急性が高くないことが多い場合からご紹介します。

声が出る場面が決まっていて、内容に意味があり、本人も周囲も生活に大きな支障を感じていない。この条件がそろっているなら、家庭で調整しながら様子を見る形でも進められます。

ただし、気になる状態が続くときや、学校生活に影響が出ているときは、相談を検討してください。

早めに確認したいのは、次のような場面です。これまで宿題中だけだった声が場面を選ばず出るようになった、短い期間で急に変わった、本人が「やめたいのにやめられない」と話している。

突然・反復して出る発声は、音声チックの場合もあります。まばたきや肩の動きを伴うこともありますが、咳払いや鼻鳴らしのように発声だけが繰り返される場合もあります。体の動きがないから違う、とは限りません。

独り言に自分を責める言葉が増えている、眠りにくい、食欲が落ちた。こうした変化が重なっていれば、声の調整より先に、気持ちの支えを整える場面かもしれません。

「死にたい」「消えたい」といった言葉や、自分を傷つける行動が見られるときは、様子を見ずに、すぐに医療機関や相談窓口へご連絡ください。

相談先は、かかりつけの小児科から始めて差し支えありません。スクールカウンセラーや、地域の発達障害者支援センターも窓口になります。

大人になっても独り言は続く?年齢とともに変わること

  • 成長に伴い内面化していく傾向がある
  • 大人はメモや環境調整で工夫できる
  • 目標はなくすことではなく使い分けること

「このまま大人になっても続くのでしょうか」というご心配は、よく聞かれます。

一般には、成長に伴って、声に出していた自己指示が少しずつ内面化していく傾向があります。小学校の低学年で声が多いこと自体は、珍しいことではありません。

一方で、ADHDの特性そのものは大人になっても続く場合があります。独り言が残る方もいますが、その場合は工夫の仕方が変わります。

考えをメモに書き出す、集中したい作業ではイヤホンや静かな席を使う、といった環境の調整です。目指すのは、独り言をなくすことではなく、場面に合わせて使い分けられるようになることですね。

宿題の時間がいちばんつらいご家庭へ|家庭教師のランナーができること

家庭教師のランナー

  • 宿題の時間だけ負担が減らないご家庭は多い
  • 声を止めずに教える方法がある
  • 選択肢の1つとして知っておく

ここまで、ご家庭と学校でできる工夫をご紹介してきました。それでも、宿題の時間だけは負担が減らないというご家庭は少なくありません。

声が多いだけでなく、教える側も一緒に消耗してしまう時間帯だからです。

そうした場合の選択肢の1つとして、家庭教師という方法があります。教師選びの考え方は「発達障害のお子さんに家庭教師が向いている理由」でもご紹介しています。

声を止めずに「どこでつまずいたか」を見つけるマンツーマン指導

  • 声の内容はつまずきを知る手がかりになる
  • 学年を戻す・先に進む調整ができる
  • 勉強が苦手なお子さんを専門にしている

家庭教師のランナーは、2004年の創業から、勉強が苦手なお子さんを専門に指導してきた家庭教師センターです。これまでに30,034人のお子さんを指導してきました。

独り言の多いお子さんの指導では、声への向き合い方が結果を左右します。

手順を確認している声を毎回止めてしまうと、考えが途切れて、問題に取り組みにくくなることがあります。

反対に、その声を手がかりにすると、どこでつまずいているのかが見えてきます。「28引く9」で止まっているのか、繰り下がりの書き方が分からないのか。声の内容が手がかりになるためです。

マンツーマンだからこそ、教科書が難しいお子さんには前の学年に戻り、得意な単元は先に進む調整もできます。声を邪魔なものとしてではなく、情報として使える形ですね。

宿題の時間そのものを任せられる仕組みと、90分の無料体験

  • 横についていた時間を教師に任せられる
  • 発達障害コミュニケーション指導者が在籍
  • 90分の無料体験で相性を確かめられる

もう1つお伝えしたいのが、宿題の時間そのものを任せられることです。

保護者の方が横についていた時間を、そのまま教師に任せられます。その間に夕食の準備を進めたり、下のお子さんの相手をしたりできます。

声から離れる時間を、意識してつくらなくても確保できる形ですね。

指導料は、小中学生が1コマ30分900円、高校生が30分1,000円です。週1回60分なら、月におよそ12,000円から15,000円ほどになります。

訪問型とオンライン型を切り替えられるほか、指導以外の質問にはLINEで対応しています。発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフや、不登校のお子さんへの対応を担当するスタッフも在籍しています。くわしくは発達障害サポートのご案内をご覧ください。

ランナーでは、90分の無料体験レッスンを行っています。お子さんに合った勉強のやり方をご提案し、講師との相性を確かめてからご検討いただけますよ。

ランナーの無料体験はこちら!

ADHDの独り言がうるさいと感じたときに大切なことのまとめ

  • ・独り言には記憶や気持ちを支える働きが混ざっていることがある
  • ・声が出る背景として記憶・衝動・不安・音量などが考えられる
  • ・まず調整したいのは生活に支障が出る音量やタイミング
  • ・宿題中に増えやすいのは取りかかり前・作業中・つまずき・帰宅後
  • ・「静かにして」より「レベル1でいこう」と具体的に伝える
  • ・怒鳴る/一日中注意する/一人で我慢する、は避けたい

ADHDのあるお子さんの独り言は、単なる癖とは限りません。覚えておく情報を音で支えたり、不安を落ち着けたりする働きが混ざっていることがあります。だからこそ、目指すのはゼロではなく、場面に合わせた調整です。

宿題中に声が増えやすいのは、取りかかりの直前、手を動かしている最中、つまずいた瞬間、帰宅後の時間帯の4つでしたね。この4つを知っておくと、止めるか待つかの判断がしやすくなります。

声かけは「静かにして」だけで終わらせず、「レベル1でいこう」のように具体的に伝えてみましょう。0から5の声レベル表を貼って、下げられた瞬間にその場で伝えていくと、お子さんも達成を実感しやすくなります。

学校で注意されたときは、場面・回数・本人の言い分をセットで伝えます。声の出方が急に変わったときや、本人が強いつらさを抱えているときは、早めの相談をおすすめします。

そして、聞いている側の疲れも大切にしてくださいね。静かな時間がほしいと思うことは、わがままではありません。

宿題の時間だけでも誰かに任せたい。そう感じる日が続くようなら、90分の無料体験で、お子さんに合った勉強のやり方を一緒に探してみる方法もありますよ。

ランナーの無料体験はこちら!

無料体験レッスンを受ける
資料請求
お問い合わせ