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子供が勉強しない理由は100%親にある?林修さんの発言と兄弟差
2026.09.15

「子供が勉強しない理由は100%親にある」。この言葉を目にして、胸が締めつけられるような気持ちになった保護者の方は、少なくないと思います。思い当たる節があるほど、この一文は重く響きますね。
ただ、この言葉には出どころがあり、そこで語られていた中心は幼少期の親子の関わりについてでした。
この記事では発言の背景を整理したうえで、多くの方が引っかかる「同じように育てたのに、なぜ兄弟で差が出るのか」という疑問にもお答えします。
お子さん自身の事情や、親以外の要因もあわせて見ていくと、「変えられない部分」と「今日から変えられる部分」がはっきり分かれてきます。最後まで読むころには、明日の夕方に何と声をかけるかが見えているはずです。
目次
「子供が勉強しない理由は100%親にある」は本当?林修さんの発言の背景

- 発言の出どころと、語られた文脈
- 家庭環境と学力の関連を示す調査データ
- 同じ親に育てられた兄弟でも差が出る理由
- 「母親のせい?」という疑問への答え
- 「100%親のせい」と思い込むほど苦しくなる仕組み
結論からお伝えすると、この言葉のもとになった発言で語られていたのは、主に幼少期の親子の関わりについてでした。
そして「100%」という部分は、学術的に確かめられた事実ではありません。まずは発言の出どころと文脈を整理し、そのうえで家庭環境と学力の関係を順番に見ていきましょう。
発言の出どころは予備校講師・林修さんが語ったテレビ番組
- 発言者は予備校講師の林修さん
- 一字一句この表現のまま語られたわけではない
- 語られた文脈は幼少期(3〜5歳ごろ)の親子の関わり
- 「100%」は学術的に確立した事実ではない
この言葉は、予備校講師として知られる林修さんがテレビ番組の中で語った内容が、要約されて広まったものです。
知っておきたいのは、一字一句このとおりに語られたわけではないという点ですね。番組では、勉強しない子供にしてしまった責任は親にある、という強い言い方がされたと伝えられています。
そしてあわせて語られていたのが、3歳から5歳ごろの親子のコミュニケーションが大きな差を生む、という幼少期についての話でした。林修さんは別のインタビューでも、5歳までの親の接し方による部分が大きいという趣旨の発言をしています。
ですので少なくともこの言葉は、いま小学生や中学生になっているお子さんの現状だけを指して語られたものではないのですね。
放送後には共感と反論の両方が寄せられ、議論が広がりました。「100%親の責任」という部分は学術的に確立した事実ではなく、家庭環境の重要性を強く伝えるための表現として受け止めるのが自然だと私たちは考えています。
家庭環境と学力には関連が見られるが因果は断定できない
- 蔵書数と正答率に関連が見られたという調査結果
- 関連であって因果ではない
- 蔵書数は家庭の社会経済的背景とも関連する
とはいえ、家庭環境が学力とまったく無関係かというと、そうとも言い切れません。
令和6年度全国学力・学習状況調査では、家庭にある本の冊数と正答率のあいだに、次のような関連が見られました。
| 家庭の蔵書数 | 小学6年生・国語の正答率 | 小学6年生・算数の正答率 |
|---|---|---|
| 0〜10冊 | 約56.7% | 約50.5% |
| 501冊以上 | 約74.1% | 約72.5% |
ただし、これはあくまで関連であって、因果ではありません。本を買い足せば成績が上がる、という意味ではないのですね。
蔵書数は、家庭の社会経済的な背景などさまざまな要因とも関連することが指摘されています。蔵書数そのものが成績を押し上げたと判断することはできません。
そしてこのデータだけから、親の関わりがどの程度成績に影響しているかを読み取ることもできません。「100%」と言い切れる根拠も、ここにはないのですね。
同じ親に育てられた兄弟でも差が出る3つの理由
- 生まれ順などで、経験する家庭環境が変わることがある
- 同じ言葉でも、一人ひとり受け取り方が違う
- 先生や友人関係など、家庭の外の環境が違う
「同じように育てたのに、どうしてこの子だけ」。ここがいちばん引っかかる部分ではないでしょうか。
私たちが30,034人のお子さんを指導してきたなかでも、「上の子はほっといても勉強したのに、下の子はまったくで…」というご相談はとても多くいただきます。
ただ、同じ家庭で育っても、兄弟がまったく同じ経験をしているわけではありません。遺伝的な違いに加えて、一人ひとりが別々に経験する環境(非共有環境)があるからですね。
理由は大きく3つに整理できます。
1つめは、生まれ順によって親の関わり方が変わることです。
第一子のときは初めての育児として時間をかけられたけれど、下のお子さんのときは手が回らなかった。逆に、上の子で苦労したぶん下の子には口を出しすぎてしまう。
どちらも「同じように育てた」つもりでも、受け取る側から見た環境は違っていることがあります。
2つめは、同じ言葉でも一人ひとり受け取り方が違うことです。
「頑張れ」でやる気が出る子もいれば、その一言をプレッシャーとして受け取る子もいます。気質には生まれ持った要因も関係していて、育て方だけで自由に変えられるものではありません。
一方で、関わり方や環境によって、その表れ方が変わることもあります。
3つめは、家庭の外の環境が兄弟それぞれで違うことです。
担任の先生、クラスの雰囲気、部活動、友人関係。友人関係も学習行動と関連する要因のひとつで、家庭の中からは手が届きにくい部分ですね。
上のお子さんと下のお子さんでは、通った年の学校の様子そのものが違っていることもあります。
兄弟で差が出るのは、育て方を間違えたからとは限らないのですね。
持って生まれた気質や学校での出来事は変えられませんが、かける言葉と、家で過ごす時間の空気は今日から変えられます。上の子と同じやり方が通じないなら、この子に合うやり方を探せばいいだけなのですね。
子供が勉強しないのは母親のせい?父親や家庭全体の関わりも影響します
- 母親一人の関わり方で決まるものではない
- 父親の接し方や家庭全体の空気も影響している
- 「気にしているのが自分だけ」になっていないか見直す
「子供が勉強できないのは母親のせい」という言葉も、よく検索されています。
ですが、お母さんお一人の関わり方で決まるものではありません。父親の接し方、夫婦間の温度差、きょうだいの関係、家庭全体の空気。それらが重なって、お子さんの過ごし方はできあがっていきます。
家庭によっては、宿題を見る役割や学校とのやりとりが一方の保護者に偏ることがあります。勉強の話がお母さんに集中しやすいのは、接する場面が多いからという面もあるのですね。
もし可能であれば、「勉強のことを気にしているのが自分だけになっていないか」を一度見直してみてください。役割を少し分けるだけで、気持ちがずいぶん軽くなることがあります。
「100%親のせい」と思い込むほど親子で苦しくなる
- 罪悪感が強まると、叱責や過干渉につながることがある
- 子供の側も「自分のせいだ」と感じてしまうことがある
- 責任追及より、変えられる部分に目を向ける
この言葉を文字どおり受け止めてしまうと、罪悪感がどんどん大きくなっていきます。
そして「私がなんとかしなければ」という焦りが強いと、結果的に叱責や過干渉につながることがあります。お子さんは反発し、また叱ってしまう。この悪循環は起こりやすいものです。
お子さんの側も「自分のせいでお母さんが苦しんでいる」と感じ、自己肯定感を下げてしまうことがあります。
大切なのは、誰の責任かを決めることではありません。変えられない部分は手放して、今日から変えられる部分に目を向けていきましょう。
子供のやる気を奪ってしまう親のNG習慣6つ

- 命令や過干渉になっていないかを振り返る
- 否定や比較の言葉がやる気を削いでいないか
- 結果だけでなく、過程を見てあげられているか
ここからは、多くのご家庭でつい出てしまう関わり方を6つ挙げていきます。
当てはまるものがあっても、責める意図はまったくありません。どれも「この子のために」という気持ちから出てくるものばかりです。一つでも言い換えられそうなものが見つかれば十分ですね。
頭ごなしに「勉強しなさい」と命令してしまう
- 命令口調は「やらされている」感覚を強める
- 思春期は自分で決めたい気持ちが強まりやすい
- 質問の形に変えると受け取り方が変わる
「勉強しなさい」は、つい言ってしまう一言ですよね。
ただ、この言葉を繰り返すほどお子さんは「やらされている」と感じやすくなります。思春期には自分で決めたいという気持ちが強まり、命令的な声かけに反発する子もいます。
命令ではなく「今日はどこまで進める予定?」といった質問に変えるだけで、受け取り方は変わります。自分で決めた感覚があると、体が動きやすくなるのですね。
スケジュールや進め方まで口を出す過干渉になっている
- 細かい指示は自分で考える機会を減らしてしまう
- 受け身の姿勢が定着すると習慣が続きにくい
- 見守る場面と手を貸す場面を分けて考える
心配なあまり、勉強の順番や時間配分まで決めてあげていないでしょうか。
細かく指示すると、お子さんが自分で考える機会は少しずつ減っていきます。「言われたとおりにやればいい」という姿勢が定着すると、学習習慣は長続きしにくくなります。
見守る場面と手を貸す場面を意識して分けることが、遠回りのようで近道になります。
「なんでできないの」と否定的な言葉をかけてしまう
- 否定的な言葉は自信を少しずつ削ってしまう
- できている部分に先に触れると取り組みやすくなる
疲れているときほど、きつい言葉が出てしまうものです。
ただ「なんでできないの」という言葉は、お子さんの自信を静かに削っていくことがあります。
間違いが多かったときも、まずは「ここは合ってるね」と取り組めた部分に触れてみてください。そのほうが、次の一問に手が伸びやすくなります。
兄弟や友達と比べてプレッシャーを与えてしまう
- 他人との比較はプライドを傷つけやすい
- 兄弟間の比較は自尊感情や家族関係に影響することがある
- 比べる相手は「過去のその子自身」にする
「お姉ちゃんはできたのに」は、励ますつもりで出てしまう一言です。
けれど比較の言葉は、お子さんのプライドを思った以上に傷つけてしまうことがあります。特に兄弟間で比較を繰り返すと、自尊感情や家族の関係に影響することがあります。
比べる相手は、他の誰かではなく過去のその子自身にしてみてください。「前より早くなったね」の一言が、次への意欲になります。
結果だけを見て努力の過程を認めていない
- 結果だけの評価は「意味がなかった」と感じさせやすい
- 過程を具体的な言葉にして伝える
点数だけで評価してしまうと、結果が出なかったときに逃げ場がなくなります。
お子さんは「頑張っても意味がなかった」と受け取ってしまうことがあります。
毎日机に向かえた日数、苦手な問題に手をつけた姿勢など、過程を具体的に言葉にして伝えてみてください。見てもらえているという実感が、次の行動を支えます。
家庭が安心して過ごせる場になっていない
- 家が「気を張る場所」になると挑戦しにくくなる
- 環境の変化があった直後は勉強に向きにくい
- 勉強と関係のない雑談を1日1回から
意外と見落とされやすいのが、家庭そのものの空気です。
帰宅するたびに勉強の話で緊張が走る状態が続くと、家が「気を張る場所」になってしまいます。安心できない状態が続くと、新しいことに向かう気持ちが起きにくくなることもありますね。
夫婦間の言い争いが多い時期や、引っ越し・進学など環境が変わった直後も、お子さんの気持ちは勉強に向きにくくなることがあります。
まずは勉強と関係のない雑談を1日1回。それだけでも、家の空気は少しずつ変わっていきます。
親のせいだけじゃない|子供自身に隠れた6つの理由
- 授業のつまずきや、他の楽しみに気持ちが向いている
- 部活や習い事による疲れ、反抗期による反発
- 友人関係の悩みや、目的・やり方がわからない状態
関わり方を見直したら、次はお子さん自身の状況にも目を向けてみましょう。
机に向かわない背景には、親の力だけでは動かせない事情が隠れていることがあります。原因が見えてくると、かける言葉も自然と変わってきますね。
授業についていけず苦手意識を持っている
- 一度のつまずきが苦手意識につながりやすい
- 数学や英語は前の内容を前提に進む単元が多い
- わからない単元まで戻る復習が立て直しの近道
一度授業でつまずくと、そのあとの内容も理解しにくくなります。
わからない時間が続くと、勉強そのものが「苦しいもの」になってしまうことがあります。数学や英語は前に学んだ内容を前提に進む単元が多く、過去のつまずきが後々まで影響しやすいですね。
この場合、いまの学年の教材だけを増やしても補いきれないことがあります。理解できていない単元まで戻るほうが、結果的に早く追いつけることも多いです。
スマホやゲームなど他の楽しみに夢中になっている
- すぐに楽しさが返ってくるぶん手が伸びやすい
- 意志の力だけに頼るのは大人でも難しい
- 時間帯と置き場所を先に決めておく
スマートフォンやゲームは、すぐに楽しさが返ってくるようにつくられています。
結果が出るまで時間がかかる勉強と比べると、どうしても手が伸びやすいのは自然なことです。意志の力だけで距離を置くのは、大人でも難しいですよね。
取り上げるより、使う時間帯と置き場所を先に決めておくほうが現実的です。ルールの決め方は、後ほど年代別の章でお伝えします。
部活や習い事で心身ともに疲れている
- 疲労で気力が残らない日もある
- だらけて見えても疲れが原因のことがある
- 休ませる・時間帯をずらす工夫が有効
部活動や習い事が続く時期は、帰宅した時点で体力が残っていないこともあります。
ソファでぼんやりしている姿を見ると気になりますが、「だらけている」のではなく単純に疲れているケースは珍しくありません。
そんな日は、まず休ませてあげてください。15分だけ寝てから始める、朝に回すなど、時間帯をずらすだけでうまくいくこともあります。
反抗期で親に言われるほど反発したくなる
- 反抗期は自立に向かう過程で見られる反応
- 内容が正しくても伝え方で反発を招くことがある
- 正面からより、少し距離を置いて見守る
反抗期は、お子さんが自立に向かう過程で見られる反応のひとつです。
この時期は、内容が正しくても、命令的な伝え方だと反発につながることがあります。親の言うとおりに動くこと自体が、本人にとって受け入れがたいこともあるのですね。
正面から向き合うより、少し斜めの位置から見守るほうが伝わることもあります。
反抗期そのものについては「反抗期はいつから」でも詳しくお伝えしていますので、時期の見通しを知りたい方はあわせてご覧ください。
友人関係や学校生活で悩みを抱えている
- 友人関係の悩みは家では話されにくい
- 目を合わせない場面のほうが話しやすい
- 成績より先に口数や表情の変化を見る
勉強に手がつかない背景に、学校での出来事が隠れていることもあります。
グループの中で気を遣い続けている、部活の人間関係がしんどい、先生と合わない。こうした悩みは家では話されないまま、集中しにくさにつながることがあります。
「最近、学校どう?」と正面から聞いても答えは返ってきにくいものです。それより、食事中や車の中など目を合わせなくていい場面のほうが、ぽつりと話してくれることがあります。
成績の変化より先に、口数や表情が変わっていないか。そこを見ておくと、早めに気づけるかもしれません。
そもそも勉強する目的ややり方がわからない
- 目的が見えないと努力を続けにくい
- やり方がわからず手が止まっていることもある
- 「どこから始めればいいかわかる?」と聞いてみる
「何のためにやるのか」がわからないまま続けるのは、大人でもつらいものです。
加えて、ノートの取り方や復習のタイミングといった「やり方」がわからず手が止まっているお子さんも少なくありません。
やる気がないように見えて、実は最初の一歩がわからないだけということもあります。「まずどこから始めればいいかわかる?」と聞いてみると、本当のつまずきが見えてくることがありますね。
集中が続かないのは発達障害の特性かもしれません
- 勉強のしにくさに関わる特性の種類
- 気になるサインと、相談を考えるときの視点
- 診断の有無にかかわらずできる工夫
「何度言っても座っていられない」「やる気がないとしか思えない」。そんな様子が長く続いているときは、特性が関わっている可能性もあります。
ここでお伝えしたいのは、特性は本人の努力不足でも、育て方の失敗でもないということです。合う進め方が見つかると、取り組みやすくなるお子さんもいらっしゃいます。
勉強のしにくさに関わる特性(ADHD・SLD・ASD)
- ADHD・SLD・ASDでは困り方がそれぞれ異なる
- 特性に合わない方法だと力を発揮しにくいことがある
- 様子だけで判断できるものではない
学習のしにくさに関わる特性には、いくつかのタイプがあります。
注意や衝動性のコントロールに困難が出やすいADHD(注意欠如・多動症)、読み・書き・計算など特定の学習技能の習得に著しい困難があるSLD(限局性学習症)、社会的なコミュニケーションや限定的・反復的な行動に特徴があるASD(自閉スペクトラム症)などです。
困り方は特性によってまったく異なります。ひとくくりにはできませんが、共通して言えるのは、本人の努力不足ではないということですね。
特性に合わない学習方法だと、力を発揮しにくい場合があります。なお、ここに挙げたのは一般的な特徴で、似た様子が見られてもそれだけで判断できるものではありません。
気になる特性のサインと見るときのポイント
- 同じ間違いの繰り返しや、極端な教科の偏り
- 期間より「本人が困っているか」で考える
- 見分けは家庭ではできないため相談を
ご家庭で気づきやすいサインには、いくつかの共通点があります。
同じ間違いを何度も繰り返す、特定の教科だけ極端に苦手、集中できる時間が極端に短い、忘れ物や提出物の抜けが続く、といった様子です。
見るときのポイントは、本人が困っているかどうか、学習や学校生活に支障が出ているかどうかですね。診断の基準は特性ごとに異なりますので、期間だけで自己判断せず、気になるときは学校や専門機関に相談してみてください。
逆に、テスト前だけ集中できない、苦手な単元だけ手が止まるといった様子は、多くのお子さんに見られることです。
学校や専門機関へ相談するときの流れ
- まずは担任やスクールカウンセラー、自治体の窓口へ
- 窓口の名称や役割は自治体によって異なる
- 相談=診断を受けることではない
気になるサインがあるときは、いきなり医療機関でなくて大丈夫です。
まずは担任の先生やスクールカウンセラー、自治体の教育相談窓口に話してみるところから始めてみてください。学校での様子を聞けるだけでも、見え方が変わることがあります。
そのうえで必要があれば、専門の相談機関を紹介してもらえます。窓口の名称や役割は自治体によって異なりますので、まずはお住まいの地域の相談先を確認してみてくださいね。
相談すること自体が「診断を受けること」ではありません。診断の有無にかかわらず、その子に合った学び方が見つかることが目的ですね。
【ランナーの現場から】「努力不足ではない」と気づけたお子さんたち
- 時間の単位を短く区切ると最後まで取り組めることがある
- 指示は1つずつ伝えると動きやすくなる
- 書く量を減らすと、理解度が見えやすくなる
ランナーには、発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフが在籍しています。
その現場で何度も実感しているのは、やり方を少し変えるだけで「できる子」に見え方が変わるということです。ご家庭でも取り入れやすい工夫を、いくつかご紹介しますね。
ひとつは、時間を区切ることです。45分続けて座るのが難しくても、10分やって1分休むという形に変えると最後まで取り組めるお子さんがいらっしゃいます。集中力がないのではなく、45分という単位が合っていなかっただけ、という場面をよく見てきました。
もうひとつは、指示を1つずつにすることです。「宿題やって、明日の準備して、お風呂入って」とまとめて伝えると動けない子でも、1つずつ伝えると順番にこなせることがあります。
3つめは、書く量を減らすことです。ノートに写すだけで疲れてしまう場合、答えだけを口で言ってもらう日をつくると、理解しているかどうかが見えやすくなります。
発達特性のあるお子さんの学び方については「発達障害の家庭教師」でもまとめていますので、あわせてご覧ください。
勉強しない子供を「ほっとく」とどうなる?放置と見守りの境界線
- 「ほっとく」と無関心はどう違うのか
- 手を離していい場面・手を貸したほうがいい場面
- そのままにした場合に起こりうること
「もう言うのをやめようかな」と思ったことはありませんか。
結論からお伝えすると、ほっとくこと自体は、悪い選択とは限りません。ただし「見守る」と「放っておく」はまったく別のものです。ここではその線引きを整理していきますね。
「ほっとく」は無関心とは違います|見守りとの決定的な差
- 見守りは「必要なときには支えられる状態」
- 口を出さないぶん、別の形で関心を示す
- 「まずは2週間」と期間を区切ると続けやすい
この記事では便宜上、「必要以上に口を出さず、必要なときには支えられる状態」を見守りと呼びます。
見守りは「見ているけれど言わない」、無関心は「見ていないし言わない」。この差は、お子さんにも伝わるものですね。
口を出すのをやめると決めたら、そのぶん別の形で関心を示してあげてください。テストの点数には触れないけれど、夕飯のときに今日あったことは聞く。それだけで「見捨てられた」とは受け取られにくくなります。
口出しをやめて変わりやすいのは、成績より家の空気です。言い合いが減ると、お子さんのほうから学校の話をしてくれることもあります。
また、期間を決めずに始めると、途中で我慢できずに叱ってしまい逆効果になりがちです。「まずは2週間」といった形で区切っておくと、保護者の方も続けやすくなりますね。
手を離していい場面・手を貸したほうがいい場面の見分け方
- 体調・理解度・本人の意思表示を参考に見る
- これだけで判断できる基準ではない
- 気になる状態が続くときは早めに相談を
迷ったときは、次の3つの観点から様子を見てみてください。あくまで参考例で、これだけで判断できるものではありません。
| 見るところ | 手を離していい場面 | 手を貸したほうがいい場面 |
|---|---|---|
| 体調・生活リズム | 食事と睡眠がとれている | 眠れない・朝起きられない日が続く |
| 理解度 | やればできる範囲でつまずいている | 何がわからないかもわからない状態 |
| 本人の意思表示 | 「自分でやる」と言っている | 「もう無理」「どうせできない」が口ぐせ |
右側に当てはまる項目があるときは、待つより先に環境を整えたほうがよい場面かもしれません。
特に「何がわからないかもわからない」状態は、本人の力だけでは抜け出しにくいものですね。
なお、体調や気持ちの面で気になる様子が続くときは、様子見を長引かせず、学校や専門の窓口に相談してみてください。学習面だけの問題ではないこともあります。
そのままにすると進路や志望校の選択肢が狭まることも
- 遅れが続くと進路の選択肢が狭まることがある
- 評定の扱いは地域や選抜方式によって異なる
- 早めに立て直すほど選択肢を確保しやすい
手を離す判断をする前に、知っておきたいこともあります。
学習の遅れが長く続くと、選べる進学先が少なくなることがあります。中学生では、日々の学習状況や定期テストなどを踏まえた評定が、高校入試の調査書に用いられる地域や選抜方式もありますね。
ただ、これは「手遅れになる」という話ではありません。早めに立て直すほど、選択肢を確保しやすくなります。
制度の内容は都道府県や学校、選抜方式によって異なりますので、志望校の選抜方法は早めに確認しておくと安心です。中学生のお子さんについてもう少し詳しく知りたい保護者の方は、「勉強しない中学生の末路」もあわせてご覧ください。
自己肯定感が下がり、努力すること自体を避けやすくなる
- 「どうせできない」が挑戦を避けさせてしまう
- 小さな成功体験が悪循環を断ち切る入り口
- 見つけたらその場で言葉にして伝える
もうひとつ気をつけたいのが、気持ちの面です。
「どうせやってもできない」という感覚が積み重なると、勉強に限らず、新しいことに挑戦すること自体を避けやすくなります。挑戦しなければ、失敗して傷つくこともないからですね。
この状態から抜け出す入り口は、小さな成功体験です。昨日より1問多く解けた、5分長く続けられた。そのくらいの粒度で十分ですので、見つけたらその場で言葉にしてあげてください。
子供の勉強に疲れた・イライラする・愛せないと感じたときの親のケア
- イライラしたときの距離の取り方
- 完璧を目指さなくていいという考え方
- 「愛せないかも」と感じたときの受け止め方
- 怒鳴りそうなときの逃がし方と、頼れる先
ここまで読んで、少し疲れを感じている方もいらっしゃるかもしれません。
お子さんの勉強のことでイライラしたり、涙が出たりするのは、それだけ真剣に向き合ってきた証拠です。ここからは、保護者の方ご自身を守るための話をさせてください。
イライラした時こそ一度距離を置いて深呼吸しよう
- 言い返す前にその場を離れる
- 短い時間でも距離を取ると落ち着きやすい
- 自分が落ち着ける方法を決めておく
感情が高ぶっているときは、あとで後悔する言葉が出やすくなります。
ですので、言い返す前に、その場を離れるのがいちばん確実です。台所に行く、洗濯物をたたむ、ベランダに出る。1分でも構いません。
ゆっくり呼吸する、冷たい水を飲むなど、自分が落ち着ける方法をあらかじめ決めておくと、とっさのときに使えますね。
完璧な親を目指さずハードルを下げていい
- 高すぎる目標は保護者自身を追い詰める
- ハードルを下げても甘やかしにはならない
- できなかった日より、できた日を数える
「毎日1時間は勉強させなければ」という目標は、達成できなかった日に自分を追い詰めます。
ハードルを下げても、甘やかしにはなりません。「今日は机に向かえたら合格」くらいで十分ですね。
むしろ、達成できる目標を積み重ねたほうが、親子ともに続きやすくなります。できなかった日を責めるより、できた日を数えていきましょう。
「愛せないかも」と感じても自分を責めすぎないで
- 背景に強い疲労やストレスがあることもある
- 気持ちを打ち消そうとしなくていい
- 長く続くときは一人で抱えず相談を
「この子を素直に愛せないかもしれない」。そう感じてしまう瞬間があっても、大丈夫です。
その背景には、強い疲労やストレスが重なっていることもあります。疲れが溜まっていると、人はやさしくなれないものですね。
まずは、その気持ちを打ち消そうとしないでください。「いま自分は疲れているんだな」と認めるところからで十分です。
もしその気持ちが長く続いたり、生活に支障が出ていると感じたりするときは、一人で抱えずに相談窓口も頼ってみてくださいね。同じような気持ちを抱えている方に向けて「発達障害の子育てに疲れた親へ」もお届けしています。
つい怒鳴ってしまう・手が出そうになるときの逃がし方
- 怒りそうなときの行動を落ち着いているうちに決めておく
- 声に出す代わりに手を動かすと勢いを逃がしやすい
- 限界を感じたら189などの相談窓口に頼っていい
怒鳴ってしまったあとの、あの重たい気持ちを知っている方も多いと思います。
怒りが強くなったと感じたら、言葉や行動に移す前にその場を離れることが大切ですね。「怒りそうになったらこうする」という行動を、落ち着いているうちに決めておくのがおすすめです。
部屋を出る、コップ一杯の水を飲む、スマホのメモに言いたいことを打ち込む。声に出す代わりに手を動かすと、勢いを逃がしやすくなります。
手を出してしまいそうなほど追い詰められているときは、まずお子さんと物理的に距離を取って安全を確保し、児童相談所相談専用ダイヤル(0120-189-783)や「189」、お住まいの自治体の相談窓口に連絡してください。
保護者の方ご自身からの相談にも使える窓口です。相談することは、親としての力不足ではありません。
一人で抱え込まず第三者の力を借りるのも一案
- わからない問題を親が抱えなくてよくなる
- 送迎や付き添いに時間を取られない
- 「勉強した?」と聞く役割を手放せる
親子だからこそ、勉強の場面では感情的になりやすいものです。
これは相性の問題ではなく、距離が近いほど遠慮がなくなるという面もありますね。だからこそ、頑張り方を変えるのではなく、役割そのものを分けてしまうという手があります。
第三者に任せると、保護者の方の負担は具体的に3つ減ります。
ひとつめは、わからない問題を親が抱えなくてよくなることです。ランナーではLINEで24時間質問できる仕組みがあるので、「お母さんこれ教えて」と言われて答えられずに気まずくなる場面がなくなります。
ふたつめは、送迎や付き添いの負担です。ランナーは訪問型に加えてオンライン型にも対応していて、どちらもご自宅で指導を受けられます。通わせるための送り迎えや、その待ち時間をつくらずに済みます。
みっつめは、「勉強した?」と聞く役割そのものを手放せることです。進み具合を見る人が別にいれば、家では勉強以外の話ができるようになります。この変化がいちばん大きいと、多くの保護者の方がおっしゃいます。
すぐに誰かに頼らなくても構いません。ただ「自分が全部背負わなくてもいい」と知っておくだけで、気持ちは少し軽くなりますね。
【年代別】今日からできる声かけと環境づくり
- 小学生は短時間の習慣づくりから
- 中学生は対話を意識した声かけへ
- 高校生には将来につながる情報提供を
ここからは、明日から使える具体的な関わり方をお伝えします。
年代によって、響く言葉はかなり変わります。お子さんの学年のところだけ読んでいただいて構いません。
小学生には短時間の習慣づくりが効果的
- 量より、取り組むタイミングを決めることから
- 10分など無理のない短時間で始める
- 始める時間は本人に決めてもらう
小学生はまだ学習習慣そのものができあがっていない時期です。
量を求めるより、取り組むタイミングを決めておくほうが続けやすくなります。10分など無理のない短時間から始めて、生活の流れの中で繰り返していきましょう。
明日の夕方に使える一言は「宿題、何時から始める?」です。始める時間を本人に決めてもらうだけで、動き出しが変わります。
「勉強しなさい」を卒業する声かけの言い換え方
「宿題やった?」は確認の言葉なので、責められているように聞こえがちです。
「今日は何時から始める?」「どっちの教科から?」など、本人が選べる形にすると、素直に取り組みやすくなります。子供に勉強させる方法として、いちばん手軽に試せる工夫ですね。
親子で一緒に取り組む学習環境のつくり方
机の上におもちゃや漫画があると、それだけで気が散ってしまいます。
始める前に教材だけを残しておくと、切り替えがスムーズになります。この年代はリビングで、保護者の方が近くにいる状態のほうが集中できるお子さんも多いですよ。
中学生の反抗期には対話を意識した声かけを
- 命令口調がいちばん通じにくい時期
- 問いかけに変えるだけで言い合いが減ることがある
- 判断を本人に返すと反発が起きにくい
中学生は反抗期と重なりやすく、命令口調がいちばん通じにくい時期です。
「宿題やったの?」を「今日は何時から始める?」に変えただけで、夕食後の言い合いが減ったという声をいただくことがあります。成績がすぐに変わるわけではありませんが、家の空気はやわらぎやすくなりますね。
明日の夕方に使える一言は「何か手伝えることある?」。判断を本人に返す形にすると、反発が起きにくくなります。
やる気の引き出し方については「中学生のやる気を出させる」でさらに詳しくお伝えしています。
結果より過程を認める褒め方のコツ
点数を褒めると、点数が下がったときに褒めるところがなくなってしまいます。
「今週は毎日机に向かえていたね」のように、行動そのものを言葉にすると、結果に左右されずに認められます。やる気を長く保つコツですね。
スマホやゲームのルールは子供と一緒に決めよう
一方的に取り上げると、反発したり隠れて使ったりする方向に向かいがちです。
「勉強中はリビングに置く」など、本人と相談して決めることで、納得感を持ちやすくなります。決めた内容を紙に書いて貼っておくと、言い争いの回数も減りますよ。
高校生には将来につながる情報提供を
- 目的が見えないと意欲が下がることがある
- 指示より、判断材料になる情報を渡す
- 頼れる相手として残っておく
高校生になると、学ぶ目的が見えないことが意欲の低下につながる場合があります。
この年代に必要なのは、指示ではなく、判断材料になる情報です。答えを与えるのではなく、一緒に考える姿勢が伝わりやすくなります。
明日の夕方に使える一言は「調べてほしいことがあったら言ってね」。頼れる相手として残っておくことが、この時期の関わり方ですね。
命令ではなく対話で将来の目的を一緒に考える
「将来何になりたいの?」は、答えを持っていない子には重たい質問です。
「最近おもしろいと思ったことは?」のような答えやすい問いのほうが、本音が出てきやすくなります。そこから進路の話につながることもあります。
集中できる自分専用の学習環境を整える
この時期はプライバシーを大切にしたい年頃でもあります。
リビング学習にこだわらず、自分だけのスペースを確保してあげると集中しやすくなるお子さんもいます。図書館や自習室など、家の外の選択肢を一緒に探すのもよいですね。
「勉強しない子供」に関するよくある質問
- かけてはいけない言葉について
- 無理に塾へ通わせるべきかどうか
- 何歳までに勉強習慣をつけるべきか
- 親が勉強を教えることの是非
最後に、保護者の方からよくいただく質問をまとめました。
ここまでで触れきれなかった、迷いやすいポイントを4つ取り上げています。
勉強しない子供にかけてはいけない言葉はありますか
- 性格や能力を否定する言葉は避ける
- 本人ではなく行動を話題にする
人格に触れる言葉は、避けたほうが安心です。
「頭が悪い」「だらしない」といった性格や能力そのものを否定する言葉は、行動ではなく本人を否定してしまいます。
伝えたいことがあるときは、「宿題が出せていないね」のように行動だけを話題にすると、受け取りやすくなりますね。
勉強しない子供を無理に塾へ通わせるべきですか
- 納得しないままの入塾は続きにくい
- つまずきが深い場合は個別のほうが合うこともある
本人が納得していない状態での入塾は、続きにくい傾向があります。
大切なのは形式より中身です。「何がわからないかもわからない」状態なら、集団より個別で見てもらうほうが合うこともあります。
費用面も含めた比較は「塾と家庭教師どっちが安い」でまとめていますので、検討中の方はご覧ください。
何歳までに勉強習慣をつけておくべきですか
- 年齢の区切りを気にしすぎなくてよい
- 習慣は何歳からでもつくり直せる
- 取り組むタイミングを固定すると続けやすい
「何歳まで」という区切りは、あまり気にしなくて大丈夫です。
たしかに小学校低学年のうちに短時間の習慣ができていると楽ですが、中学生からでも高校生からでも、習慣はつくり直せます。
始めるときのコツは、期間ではなく「取り組むタイミングを固定すること」です。夕食後すぐなど、生活の流れに組み込むと続けやすくなりますよ。
親が勉強を教えるのはよくないのでしょうか
- 親が教えること自体に問題はない
- 評価者と指導者が同じだと衝突しやすい
- 無理なときは役割を分けてもよい
教えること自体は、まったく問題ありません。
ただ、うまくいかないときは相性ではなく「評価する人」と「教える人」が同じになっていることが関係しているケースもありますね。
教えているうちに口調が強くなってしまうなら、そこで無理をしなくて大丈夫です。教える役を誰かに預けて、家では応援する側に回るという選択もあります。
まとめ|子供の勉強と親の関わり方
- ・「100%親のせい」という言葉の背景は、主に幼少期の親子の関わりについての話
- ・兄弟で差が出るのは、遺伝や一人ひとりが経験する環境が違うから
- ・「ほっとく」は必要なときには支えられる状態。体調・理解度・本人の様子を参考に
- ・疲れたと感じたら、頑張り方ではなく役割を分けてしまってよい
「子供が勉強しない理由は100%親にある」という言葉のもとになった発言は、主に幼少期の親子の関わりについて語られたものでした。「100%」という部分が学術的に確かめられているわけでもありません。
学校生活や友人関係、お子さん自身の特性など、親の力だけでは変えられない要因もたくさんあります。
だからこそ、変えられない部分は手放して、今日から変えられる部分に目を向けていきましょう。明日の夕方、「宿題やったの?」を「何時から始める?」に変えてみる。その一歩で十分です。
それでも「この子に何が合うのか、もうわからない」と感じたときは、ランナーの90分の無料体験レッスンを使ってみてください。お子さんの様子を見ながら、いまのつまずきに合った勉強のやり方をその場でご提案します。
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