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高校の留年は人生終わり?基準・救済措置とデータで見る進路3つ
2026.09.15

「もう人生終わりだ」。留年の可能性を告げられた瞬間、そう感じてしまう方は少なくありません。同級生と同じペースで進めなくなる焦りや、親への申し訳なさが、一度に押し寄せてくるからです。
けれど、高校の留年が進学や就職の道を決定的に閉ざすことはありません。
この記事では、留年が実際にどれくらい起きているのかというデータから、留年の基準や救済措置、留年後に選べる進路、そしてその決断にいつまでの期限があるのかまでを順番に整理していきます。お子さんの留年を告げられた保護者の方に向けたセクションもご用意しました。
まずは、今の状況から今日やることだけを先に確認できるようにしておきますね。
| 今の状況 | 今日やること | 詳しくは |
|---|---|---|
| 担任から呼び出された・警告された | 「あと何単位・何時間足りないか」「救済措置と締切」を担任の先生に聞く | 留年の基準 |
| 追試や補習の案内が来た | 出題範囲と合格ラインを確認し、試験日から逆算して計画を立てる | 救済措置 |
| 留年が確定した | 通信制・定時制に「今から転入したら何年何月に卒業できるか」を電話で聞く | 留年後の進路 |
| つらくて何も手につかない | 24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)に電話する | 乗り越え方 |
| 保護者の方 | 学校の事務室に「在籍・期限・学費」の3点を確認する | 保護者の方へ |
読み終える頃には、今日どこに連絡して何を確認すればよいかが、具体的に見えているはずです。焦らず、一つずつ確認していきましょう。
目次
高校で留年しても人生は終わらない|データと事実で確認する5つの根拠

- 留年(原級留置)の人数は文部科学省が全国集計していること
- 大学の一般選抜は、学力検査等を主な評価材料とする方式が多いこと
- 高卒の就職希望者に対する就職率は、直近でも97%台であること
まず、いちばん気になっているところからお伝えします。
留年しても、進学と就職の道は残ります。ここでは「気持ちの問題として大丈夫」ではなく、データ・一般選抜・推薦・就職・その後という5つの角度から根拠を確認していきますね。
数字を先に見ておくだけでも、頭の中が少し整理されるはずです。
留年する高校生はどれくらい?データで見る「自分だけじゃない」
- 文部科学省が高校の原級留置者数を全国集計していること
- 令和6年度の中途退学者は44,571人、中退率1.4%であること
- 中途退学・長期欠席・原級留置はそれぞれ別の統計であること
留年(原級留置)については、文部科学省が全国の人数を集計しています。
「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の中で、課程・学科・学年別の原級留置者数が毎年公表されているんですね。
同じ調査の令和6年度の数字を見ると、高校の中途退学者は44,571人で、在籍者に占める割合は1.4%。長期欠席者は103,608人、そのうち不登校の生徒は67,782人でした。また、不登校の生徒のうち原級留置になった生徒は2,963人と集計されています。
押さえておきたいのは、中途退学・長期欠席・原級留置がそれぞれ別の統計だということです。
ただ、どの数字を見ても、立ち止まっている高校生が毎年かなりの人数いることは確かです。教室の中では自分だけに見えても、実際はそうではありません。
大学の一般選抜では入試当日の実力が重視されやすい
- 学力検査や小論文など当日の結果を主な評価材料とする方式が多いこと
- 留年歴そのものを一律に出願不可とする制度ではないこと
- 出願資格の定め方は大学・学部ごとに異なること
大学の一般選抜は、学力検査や小論文といった当日の結果を主な評価材料とする方式が多く、大学によっては調査書や面接も組み合わせて判断されます。
一般的に、留年した経験そのものを理由に一律で出願できなくなる、という制度ではありません。ただし、出願資格の定め方は大学・学部ごとに異なります。
つまり一般選抜は、本番までに学力を積み上げれば、正面から戦える余地が大きい仕組みです。志望校の募集要項のうち「出願資格」の欄には、早めに目を通しておきましょう。
学校推薦型・総合型選抜では評定や出席が関わることも
- 評定平均や出席状況が評価材料になる場合があること
- 過去の成績が消えるわけではないこと
- 校内の推薦枠の条件は進路指導室で確認できること
一方、学校推薦型選抜や総合型選抜では、評定平均や出席状況、校内での活動が評価材料になることがあります。
成績不振や出席不足が理由の留年だと、正直なところ、この部分は不利に働くことがあります。
ただし、留年した年度以降の成績も評価の材料として積み上がっていきます。過去の成績が消えるわけではありませんが、その後の改善が評価につながる可能性はあります。
推薦枠の条件は学校ごとに違うので、進路指導室で「自分は対象になり得るか」を一度確認しておきましょう。推薦の実情については「学校推薦型選抜で落ちる確率は?」もあわせてご覧いただけます。
就職活動では留年の理由と成長をどう伝えるかがカギになる
- 就職希望者に対する就職率は令和8年3月卒で97.9%だったこと
- 留年の理由を聞かれたら改善までセットで説明したいこと
- 資格や具体的な経験を整理しておくと話しやすいこと
就職はどうでしょうか。
文部科学省の調査によると、令和8年3月に高校を卒業した人のうち、就職を希望した人に対する就職者の割合は97.9%でした。
これは卒業者全体に対する数字ではなく、就職を希望した人の中での割合です(同じ調査で就職希望率は13.7%)。それでも、高卒で就職を目指した人の多くが決まっているという水準ではあります。
面接で留年の理由を聞かれることはあります。そのときは、何が起きていて、そこからどう立て直したかまでをセットで説明できるように整理しておくと、話が前に進みやすくなります。
あわせて、在学中に取得した資格やアルバイトなど、具体的に話せる経験を書き出しておくと、当日の話題が広がりやすくなりますよ。
留年を経験してから活躍している人もいる
- 留年や中退を経験してから活躍している人もいること
- 留年の経験がその後の進路を決定づけるわけではないこと
- 1年の遅れは、長い時間軸で見ればごく一部であること
留年や中退を経験したあと、俳優やミュージシャン、経営者、研究者として活躍している人もいます。自身の経験を公表している方もいますね。
はっきり言えるのは、留年の経験が、その後の進路を決定づけるわけではないということです。
1年という遅れは、40年、50年という時間の中ではごく一部です。今は想像しにくいかもしれませんが、あとから振り返ったときに見え方が変わることは十分にあります。
そもそもなぜ「高校で留年したら人生終わり」と感じてしまうのか

- 一斉進級を前提とした学校文化が、焦りの正体になっていること
- 進学校ほど、立ち止まることが許されない空気を感じやすいこと
- その空気は、あくまで今いる環境のルールにすぎないこと
根拠を確認しても、気持ちがすぐ切り替わるわけではありませんよね。
「人生終わり」と感じてしまうのには、ちゃんと理由があります。その正体がわかると、感情に飲み込まれにくくなります。背景を2つに分けて見ていきましょう。
同級生と足並みをそろえなければという思い込み
- 日本の高校は同学年での一斉進級を前提にしていること
- 海外にはギャップイヤーという進み方が定着している国もあること
- 国内でも卒業後に受験準備の期間を置く人は珍しくないこと
日本の高校は、同じ年齢の生徒が同じ進度で進むことを前提に設計されています。
入学時からその流れの中にいると、そこから外れること自体が強い恐怖として感じられます。
けれど海外には、進学前に1年間活動するギャップイヤーという進み方が定着している国もありますし、国内でも高校卒業後に受験準備の期間を置く人は珍しくありません。
同学年で足並みをそろえることは、今いる学校の文化の中のルールです。1年の遅れだけで、進学や就職の道が閉ざされるわけではありません。
進学校ほど「留年してはいけない」空気が強くなりがち
- 周囲が現役進学を前提にしている環境では遅れを大きく感じやすいこと
- 留年の背景には環境側の要因が関わっていることもあること
- 学校の外にいる大人の意見も参考にできること
進学校では、周囲の生徒も先生も現役での進学を前提に動いていることが多くあります。
その環境の中にいると、立ち止まること自体を大きな失敗のように感じ、自分の価値まで否定してしまいがちです。
ただ、留年の背景には、授業スピードが合わなかった、体調が崩れた、人間関係で消耗したといった環境側の要因が関わっていることもあります。
今いる環境の価値観がすべてではありません。だからこそ、家族や学校の外にいる大人にも、一度話してみてほしいんです。
留年の基準といつわかるのか|何日休んだら留年になる?
- 進級の判断は、単位・成績・出席の3つが軸になること
- 具体的な基準は全国一律ではなく、学校ごとに決まっていること
- 自分の学校の基準は生徒手帳や教務規程で確認できること
留年の基準は、よく誤解されているところです。
全国共通のルールがあるわけではなく、多くは学校ごとの規程で決まっています。だからこそ、ネット上の平均値より自分の学校の数字を押さえるほうが確実ですね。
何を、どこで確認すればよいかを整理していきます。
進級・卒業に必要な「単位」と赤点の基準
- 卒業に必要な単位数は国の最低基準が74単位以上であること
- 赤点の基準は全国一律ではなく学校ごとに異なること
- 必修科目と選択科目で影響が変わる場合があること
高校の卒業に必要な単位数は、学習指導要領で74単位以上が国の最低基準として定められています。
各学校はこれを下回らない範囲で卒業要件を決めているので、実際に必要な単位数は学校によって異なります。卒業の認定には特別活動の状況などが関わることもあります。
進級については、各校が定める必修科目の単位や成績の基準を満たすことが条件です。評価は定期テストの点数だけでなく、提出物や小テスト、実技も含めた総合で決まるのが一般的で、いわゆる赤点の基準も学校ごとの規程によります。
なお、必修科目と選択科目では進級や卒業への影響が変わることもあるため、どちらでつまずいているのかを分けて考えると整理しやすくなります。
自分の学校の基準は、生徒手帳や教務規程に書かれていることが多いです。見当たらなければ、担任か教務の先生に「進級の要件」を直接聞くのがいちばん早いですね。
何日休んだら留年?出席日数のボーダーライン
- 法令で全国一律に定められた基準はないこと
- 単位は科目ごとに認定されるため科目別の把握が必要なこと
- 遅刻や早退が欠席に換算される学校もあること
「何日休んだら留年か」は、多くの方が最初に検索するところですね。
ここも法令で全国一律に定められた基準はありません。科目ごとの授業時数のうち3分の2以上の出席を要件としている学校が多いと言われますが、これは全国共通のルールではなく、割合も数え方も学校によって異なります。
また、遅刻や早退が一定回数で欠席に換算される学校もあります。
注意したいのは、単位が科目ごとに認定される点です。全体の欠席日数は足りていても、特定の科目だけ欠席が重なるとその科目の単位が認められないことがあります。
確認するときは、科目ごとの欠席時数と、その科目の上限時数をセットで聞いてみてください。
病気・不登校など、やむを得ない事情での欠席はどう扱われる?
- 補習やレポートで不足分を補える扱いにしている学校もあること
- 不登校の生徒への遠隔授業による単位認定が可能になったこと
- 相談先は担任の先生と養護教諭の先生であること
病気や入院、不登校など、自分ではどうにもならない事情での欠席もありますね。
この場合も修得すべき単位が足りなければ進級に影響しますが、学校側が補習やレポートで補える扱いにしているケースもあります。
さらに令和6年度からは、全日制・定時制に在籍する不登校の生徒について、一定の要件の下で遠隔授業や通信教育による単位認定が校長の判断でできるようになりました。
文部科学省の調査では、令和6年度に2,172人が遠隔授業を受け、そのうち1,405人が単位を修得しています。なお、この方法で修得できる単位数には合計36単位までという上限があります。
診断書や通院の記録があると、学校も判断がしやすくなります。相談先は担任の先生と養護教諭の先生です。
学校に行きづらい状態が続いている場合は「高校生の不登校」もご覧いただけます。
留年はいつわかる?呼び出しから確定までの流れ
- 進級の可否は学年末の会議を経て確定することが多いこと
- 呼び出しの時期や意味は学校によって異なること
- 面談では聞くべき3つをメモにして持参するとよいこと
進級の可否は、多くの学校で学年末の会議を経て確定します。
ただ、その前に担任の先生から個別に呼び出しがあることも少なくありません。呼び出しの段階でまだ救済措置が残っている場合もあれば、すでに判定に近い段階まで進んでいる場合もあり、時期や意味は学校によって異なります。
だからこそ確かめたいのは、「進級できないことは確定しているのか」「使える措置は残っているのか」の2点です。
呼び出しや三者面談に行くときは、あと何単位・何時間足りないのか、使える救済措置はあるのか、その期限はいつか。この3つをメモにして持っていくと、話が一気に具体的になります。
留年を回避するための救済措置ってあるの?
- 追試や再試験、補習・レポートで挽回できる場合があること
- 条件つきで進級を認める「仮進級」を設けている学校もあること
- 救済措置の有無と条件は学校ごとに違い、期限があること
留年の可能性を告げられても、その時点で確定とは限りません。
学校によっては、進級を後押しする仕組みが用意されています。ただし条件と期限があるので、内容を早く正確につかむことが何より大事ですね。
代表的な3つを見ていきましょう。
追試・再試験や補習・レポートで挽回できることがある
- 追試の受験自体に条件がついている場合があること
- 条件つきで進級できる「仮進級」という扱いもあること
- 試験日から逆算して優先順位をつけると得点が変わること
赤点でも、追試験や再試験、補習やレポートの提出で単位認定につながることがあります。
追試を受けるために補習への出席や課題提出が条件になっている学校もあるので、まずは「受けるための条件」を先生に確認しましょう。
あわせて知っておきたいのが「仮進級」です。不足分を翌年度に補うことを条件に、いったん進級を認める扱いを設けている学校もあります。制度の有無も条件も学校ごとに異なるので、面談の場で「仮進級の扱いはありますか」と一言聞いてみる価値はあります。
限られた日数で結果を出すには、試験日からの逆算が確実です。
出題範囲と合格ラインを聞き出し、過去の定期テストで傾向をつかみ、配点の大きいところから手をつける。この順番だけで得点は変わります。
追試まで時間が限られている場合は、進路そのものを動かすより、まず目の前の対策に集中したほうがよいこともあります。短期間だけ外の手を借りるなら、家庭教師のように高校生で1コマ30分1,000円ほどの月謝制から、高額な教材やローン契約なしに始められる形もあります。
保健室登校やオンライン参加が出席と認められることも
- 別室登校を指導要録上の出席として扱う学校もあること
- 出席扱いと単位認定は必ずしも同じではないこと
- まずは養護教諭か担任の先生に聞くのが最短であること
教室に入りづらいときは、保健室や相談室への登校を指導要録上の出席として扱う学校もあります。
オンラインでの授業参加を出席に含める学校も出てきました。
ここで注意したいのが、指導要録上の出席扱いと、各科目の授業への出席・単位認定は、必ずしも同じではないという点です。出席として記録されても、それだけで科目の出席時数や単位認定の要件を満たすとは限りません。
どう扱われるかは学校ごとに異なります。養護教諭の先生か担任の先生に、単位認定への反映まで含めて確認してみてください。無理に教室へ戻ることを目標にせず、まずは記録を途切れさせないことを優先して大丈夫です。
救済措置が使えないとわかったときにできること
- 今の学校でやり直した場合の卒業年月を確認すること
- 通信制・定時制に卒業時期を問い合わせること
- 学費がどう変わるかを事務室に確認すること
救済措置がない、あるいは条件を満たせず使えないとわかることもあります。
そこで止まらずに、3つのことを同時に進めてみてください。
1つめは、今の学校でもう1年やり直した場合に卒業できる年月を教務に確認すること。2つめは、通信制高校や定時制高校に「今から転入したら何年何月に卒業できるか」を問い合わせること。3つめは、学費がどう変わるかを事務室に確認することです。
まずは電話で相談し、卒業見込みを正確に出すために必要な書類(単位修得証明書など)も一緒に聞いておくと、そのあとが早く進みます。手続きより先に情報を集めておくことで、選べる幅が変わります。
留年後の進路はどう選ぶ?選択肢とタイムリミットを比較
- 主な選択肢は現校での再挑戦・通信制/定時制への転入・高卒認定の3方向
- 転入は在籍中の高校から別の高校へ移る方法であること
- 進路変更には、学校ごとに動ける時期の区切りがあること
留年が決まったあとの進路は、大きく3方向です。
まず全体像を並べて比べてみましょう。
| 選択肢 | 卒業時期 | 費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 今の高校でやり直す | 同級生より1年遅れ | 授業料と諸費用が1年分追加 | 今の学校に居場所がある人 |
| 通信制・定時制へ転入 | 条件によっては同学年での卒業も目指せる | 公立は低額/私立は幅が大きい | 通学の負担を減らしたい人 |
| 中退して高卒認定 | 年齢などの条件を満たせば翌年の大学受験も可能 | 受験料と教材費が中心 | 自分で計画を立てられる人 |
ここからは、それぞれの中身に加えて「いつまでに決めるか」と「学費がどうなるか」も整理していきます。
今の高校でもう一度同じ学年をやり直す
- 環境が変わらないぶん、負担を抑えて学び直せること
- 1学年下の生徒と同級生になる心理的な負担があること
- 追加の授業料や諸費用が発生する可能性があること
今の高校で、もう一度同じ学年をやり直す方法です。
校舎も先生も変わらないので、環境の変化によるストレスは最小限で済みます。
部活動や友人関係も続けやすいですね。一方で、1学年下の生徒と同級生になること、追加の授業料や諸費用が発生すること、同じ教室に前の学年の空気が残ることは、実際に負担になります。ここは甘く見ないほうがいいです。
選ぶなら、前回つまずいた原因を先生と一緒に言葉にして、月1回でも進捗を確認する場を作っておくこと。
それがないまま同じ1年を繰り返すと、結果も繰り返しやすくなります。
通信制高校・定時制高校へ転入して自分のペースで卒業を目指す
- 通信制と定時制では学び方の仕組みが異なること
- 前の高校で修得した単位が認定される場合があること
- 転入と編入では在籍の扱いや手続きが異なること
学ぶ場所そのものを変える方法です。ただ、通信制と定時制は仕組みが違うので、分けて見ていきますね。
通信制はレポートの提出とスクーリング、単位認定試験が中心で、毎日登校する前提ではありません。
一方の定時制は、昼間や夜間など決まった時間に登校して授業を受ける形が中心で、学年制か単位制かは学校によって異なります。夜間だけでなく昼間の部を置く学校もあります。
どちらの場合も、前の高校で修得した単位が認定される場合があります。すべてが自動的に引き継がれるとは限らず、転入先が卒業要件と照らし合わせて判断します。
あわせて知っておきたいのが転入と編入の違いです。転入は在籍中の高校から別の高校へ移る方法、編入は退学後などに改めて入学し直す方法を指します。
卒業時期は、修得済みの単位・在籍期間・受け入れ時期によって変わるので、2〜3校に同じ質問をして比べてみてください。
高校を中退して高卒認定から大学を目指す
- 年齢などの条件を満たせば大学等の受験資格になること
- 試験は年2回で、科目ごとに合格を積み上げられること
- 退学手続きは次の進路を決めてからにすること
高校を中退し、高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)に合格して大学や専門学校を受験する道もあります。
試験は年2回実施されており、科目ごとに複数回に分けて合格を積み上げることができます。
すでに修得した単位があれば試験科目の一部が免除されるので、まずは在籍校で単位修得証明書を取り寄せて、免除される科目を確認するところからです。受験資格には年齢などの条件もあるため、あわせて文部科学省の案内で確認しておきましょう。
ただし、高卒認定に合格しても、学歴が「高校卒業」になるわけではありません。
また、退学の手続きを先に済ませてしまうと、転入という選択肢が消えます。順番は必ず「次の進路を確定させてから、今の学校の手続き」です。制度の中身は「高卒認定試験は簡単すぎ?」でも整理しています。
進路変更には期限がある|今が何月なら何を決めるか
- 転入を受け入れる時期は学校ごとに大きく異なること
- 動く時期によって同年度内の卒業可否が変わること
- 「何年何月に卒業できるか」を学校に直接聞くのが確実なこと
進路変更には、学校ごとに動ける時期の区切りがあります。ここはあまり書かれていないところなので、少し詳しくお伝えしますね。
まず大前提として、通信制高校の入学・転入の受け入れ時期は学校ごとに大きく異なります。毎月受け入れている学校もあれば、4月と10月の年2回に限っている学校もあります。
そのうえで、同じ年度内の卒業に間に合う最終受け入れ月を設けている学校もあり、たとえば3年次は12月まで、1・2年次は1月までと案内している学校もあります。
一般的な傾向としては、次のような整理になります。ただし、あくまで目安です。
| 今の時期 | 一般的な傾向 | この時期にやること |
|---|---|---|
| 4〜7月 | 年度内卒業を狙える学校が比較的多い | 2〜3校を比較し、説明会に参加する |
| 8〜10月 | 学校によって可否が分かれる | 候補校に卒業時期を直接確認して絞る |
| 11月以降 | 同年度内の卒業が難しくなる学校が増える | 時期より環境を優先するかを判断する |
修得済みの単位や在籍期間によっても結論は変わるため、同じ月に動いても人によって答えは違います。修得済みの単位が多く残っていて、早い時期に転入を決められた場合には、同級生と同じ時期の卒業を目指せることもあります。
今日できることは1つです。気になる学校に電話して「今から転入したら、何年何月に卒業できますか」と聞くこと。
そのときに、判断に必要な書類も一緒に確認しておくと話が早く進みます。
留年した年の学費は?高校無償化との関係
- 2026年度から保護者等の所得による制限が撤廃されたこと
- 支給期間には上限(全日制は通算36か月)があること
- 制度は変わるため、学校の事務室と自治体への確認が必須なこと
留年すると学費はどうなるのか。ここは保護者の方といちばん話が止まりやすいところなので、事実だけ整理します。
高等学校等就学支援金(いわゆる高校無償化)は、2026年度から保護者等の所得による制限が撤廃されました。ただし受給には国籍や在留資格などの要件もあるため、すべての人が自動的に対象になるわけではありません。
また、支給期間には上限があり、全日制は通算36か月、定時制・通信制は48か月とされています。
留年して4年目に在籍すると、上限を超えた分は支給の対象外になる可能性があります。過去の在学期間や休学・転学の状況によって個別に計算されるため、自分の残り月数は学校で確認してください。
この制度は変更が続いています。実際にいくら負担が増えるのかは、学校の事務室と、お住まいの都道府県の担当窓口の2か所に必ずご確認ください。
通信制を検討中の場合は「通信制高校の学費無償化」も参考になります。
留年しそうで怖いときの乗り越え方
- つらい気持ちは一人で抱え込まないでよいこと
- 親には事実と今後の考えをセットで伝えると進みやすいこと
- 同じ理由を繰り返さないために、つまずいた地点までさかのぼること
情報を整理するのと同じくらい、気持ちの置き場所も大切です。
留年が決まった直後は、眠れなくなったり、何も手につかなくなったりして当然です。ここでは今日からできることを3つに絞ってお伝えしますね。
つらい気持ちを一人で抱え込まないことが何より大切
- 口に出すだけで頭の中が整理されることがあること
- 学校の外にも無料で使える相談窓口があること
- 窓口によって受付時間が異なること
不安を一人で抱えたままにすると、体調のほうが先に崩れてしまうことがあります。
話す相手は、友人でも家族でも先生でも構いません。解決策が出なくても、口に出すだけで頭の中が整理されます。学校の中で話しにくければ、スクールカウンセラーや地域の教育委員会の相談窓口もあります。
学校とまったく関係のないところに話したいときは、文部科学省が案内している24時間子供SOSダイヤル(0120-0-78310)があります。
こちらは夜間や休日を含めて24時間つながります。人権に関わる悩みであれば、法務省のこどもの人権110番(0120-007-110)もあり、こちらは平日の8時30分から17時15分までの受付です。
今、頭の中がつらいほうへ進んでしまっているなら、24時間子供SOSダイヤルに、迷わず今すぐかけてくださいね。話を聞いてもらうためだけに使ってかまいません。
親にはどう伝える?正直に話すためのコツ
- 週末など時間に余裕のあるときを選ぶこと
- 事実・理由・これからの順で話すと感情的になりにくいこと
- 第三者に間に入ってもらってもよいこと
親に伝えるのは、いちばん気が重い場面かもしれません。コツは3つあります。
1つめはタイミングで、学校から帰った直後より、週末など時間に余裕のあるときのほうがお互い冷静でいられます。2つめは順番です。事実(あと何単位・何時間足りないか)、理由、これからどうしたいか、の順で話すと、感情のぶつかり合いになりにくくなります。
3つめは、一人で言わなくていいということ。担任の先生や親戚に間に入ってもらう形でも大丈夫ですし、口で言えなければメモや手紙にして渡す方法もあります。
言葉が出てこないときは、この記事の「保護者の方へ」の章をそのまま見せる、という伝え方もあります。
何を確認すればよいかが書いてあるので、責める話から始まりにくくなります。
同じ理由で留年を繰り返さないために見直したいこと
- 環境を変えても、つまずきの原因が残れば同じことが起きうること
- 中学校段階の基礎理解が影響しているケースもあること
- どの科目のどこで止まったかを確認するのが先であること
最後に、いちばんお伝えしたいことです。
「通信制に移れば大丈夫」と書かれている記事は多いのですが、環境を変えても、つまずいた原因がそのまま残っていれば、同じことが起こる可能性はあります。
実際、通信制高校でもレポートが出せずに卒業が延びることはあります。留年後の進路を長期にわたって追跡した全国一律の公的統計は見当たらず、「移れば必ず解決する」と言い切れる根拠もありません。
学習面でつまずいている場合、その背景に中学校段階の基礎理解が関わっているケースもあります。
英語なら文型や時制、数学なら方程式や関数。ここが曖昧なまま高校の内容を追いかけると、授業に出ていても手応えが得られにくくなります。もちろん、体調や人間関係など学習以外の要因が大きいこともあるので、原因を一つに決めつけないほうがいいですね。
やることは1つです。どの科目の、どこで止まったのかを一度さかのぼって確認すること。
中学の教科書を開いて、わかるところまで戻ってみてください。恥ずかしいことではまったくありませんし、ここを飛ばして環境だけ変えるほうが、結果的に時間を失います。
手が動かないときは「勉強のやる気が出ない時」もご覧いただけます。
保護者の方へ|お子さんの留年を告げられたときにできること
- 責める前に、確認すべきことが3つあること
- 「朝起きられない」は怠けとは限らないこと
- 家庭だけで抱え込まなくてよいこと
ここからは、お子さんの留年を告げられた保護者の方に向けたセクションです。
三者面談で頭が真っ白になった、家に帰って何と声をかければいいかわからない。そうなるのが自然です。
まず何を言うかより、まず何を確認するかから入ると、親子とも落ち着きやすくなりますよ。
まず確認したい3つのこと(在籍・期限・学費)
- 在籍:学則上、何年まで在籍できるのか
- 期限:留年が確定するのはいつで、救済措置の締切はいつか
- 学費:留年した年の授業料と就学支援金の扱いはどうなるか
最初に確認したいのは、次の3つです。
1つめは在籍。今の学校に何年まで在籍できるのか、学則上の上限を教務にご確認ください。2つめは期限です。留年が確定するのはいつか、それまでに使える救済措置と締切はいつか。3つめは学費で、留年した年の授業料と就学支援金の扱いを、学校の事務室に確認します。
三者面談で「進級は難しい」と言われて動揺したものの、帰宅後すぐにお子さんを問い詰めるのではなく、先に事務室へ電話して在籍と授業料の扱いを確かめたことで、親子とも冷静さを保てたというケースもあります。
「まず何を言うか」ではなく「まず何を確認するか」から入るのが、いちばん現実的な第一歩ですね。
お子さんにかける言葉で気をつけたいこと
- 「なんで言わなかったの」は本人が自分に問うている言葉でもあること
- 朝起きられない背景に体調や特性が関わる場合があること
- 最初の一言は「どうする?」より「今どんな感じ?」でよいこと
かけたくなる言葉ほど、届きにくいものです。
「なんで言わなかったの」「これからどうするの」は、実はお子さん自身がいちばん自分に問いかけている言葉でもあります。
特に気をつけたいのが、「朝起きられない」「特定の授業だけ出られない」を怠けと決めつけないことです。起立性調節障害のように、本人の意思では起きられない体の状態が背景にあることもありますし、発達の特性が関係している場合もあります。
最初にかける言葉は「どうする?」ではなく「今どんな感じ?」で十分です。
朝起きられないことをどう受け止めればよいか迷われている場合は、「起立性調節障害で遊びには行けるのは甘え?」も参考にしていただけます。
家庭だけで抱え込まず、外の力を借りるという選択肢

- 家庭内だけだと「言う役」と「言われる役」に固定されやすいこと
- 訪問型とオンライン型を切り替えられる形もあること
- 発達障がいや不登校に詳しいスタッフのいる窓口があること
家庭の中だけで学習を立て直そうとすると、どうしても「勉強しなさい」と言う役と、言われる役に固定されてしまいます。
そこが親子関係のいちばんしんどいところですね。
私たちランナーには、発達障がいコミュニケーション指導者の資格を持つスタッフが在籍しており、不登校のお子さんをサポートしてきた実績もあります。訪問型とオンライン型を切り替えられるので、学校に行けない時期でも学習を止めずに済みます。
料金は高校生で1コマ30分1,000円の月謝制で、高額な教材やローン契約はありません。
学校に行きづらい状態が続いていても、自宅で学習を続ける方法はあります。オンラインでの指導について詳しく知りたい方は、「高校生のオンライン家庭教師」もご覧ください。
高校の留年に関するよくある質問
- 留年を隠し通すのは難しいと考えておいたほうがよいこと
- 在籍できる年数や回数の上限は学校ごとに違うこと
- 通信制高校でも卒業が延びることはあること
最後に、検索されることの多い質問をまとめました。
気になる項目だけでも目を通しておくと、いざというときに落ち着いて動きやすくなりますよ。
留年したことは親や友達にバレずに済む?
- 学費の手続きなどで保護者には伝わる可能性が高いこと
- 新学期に学年が変わらないことで友人に知られる可能性があること
- 一番信頼できる相手にだけ先に伝える形でもよいこと
結論からお伝えすると、隠し通すのは難しいと考えておいたほうがよいです。
もう1年分の学費の納入手続きがあるため、保護者に伝わる可能性は高いですし、新学期になれば学年が変わらないことで友人にも知られる可能性があります。
ただ、誰にどこまで話すかは自由です。まずは一番信頼できる相手にだけ伝えるところから始めても、まったく問題ありません。
高校の留年は何年・何回まで許されるの?
- 法律で全国一律の上限が定められているわけではないこと
- 在籍年数や同一学年の繰り返しに上限を設ける学校があること
- 上限が近いなら転入も早めに検討したいこと
法律で回数や年数の上限が一律に定められているわけではありません。
ただし、同一学年での留年は1回までと定めている学校もあれば、卒業までの在籍年数そのものに上限を設けている学校もあります。回数と在籍年数は別のルールなので、両方をあわせて確認しておくのが確実です。
確認先は学則や教務規程、生徒手帳です。上限が近づいている場合は、通信制高校などへの転入も早めに調べ始めておくと安心ですね。
通信制高校でも留年することはあるの?
- 単位が足りなければ卒業が延びることはあること
- レポート提出とスクーリングの進捗管理が要になること
- 転入前に必要単位数とスケジュールを確認しておくこと
通信制高校でも、卒業に必要な単位を修得できなければ、卒業が延びることはあります。
多くは単位制なので、全日制のような「留年」という形ではありませんが、レポートが期限内に出せない、スクーリングの出席が足りない、単位認定試験に合格できないといった場合に、卒業時期が後ろにずれます。
自分のペースで進められるぶん、進捗を自分で管理する必要があるのが通信制の特徴です。転入前に、卒業までに必要な単位数とスケジュールを具体的に確認しておきましょう。
高校の留年と人生終わりについてのまとめ
- ・あと何単位・何時間足りないのか、救済措置と期限はいつかを確認する
- ・現校での再挑戦・通信制/定時制への転入・高卒認定を、卒業時期と学費で比べる
- ・環境を変える前に、どの科目のどこで止まったのかまでさかのぼる
高校の留年は、その瞬間はとても大きな出来事ですが、進学や就職の道を閉ざすものではありません。
大学の一般選抜は当日の学力を主な材料とする方式が多く、高卒でも就職を希望した人に対する就職率は直近で97.9%と高い水準にあります。
まず手をつけたいのは、あと何単位・何時間足りないのか、救済措置とその期限はいつか、という数字の確認です。そのうえで、今の学校での再挑戦、通信制・定時制への転入、高卒認定の3つを、卒業時期と学費で比べていきましょう。
転入を受け入れる時期は学校ごとに異なるので、気になる学校に「何年何月に卒業できるか」を早めに聞いておくと、選べる幅が残ります。
そして、環境を変えるだけでは、つまずいた原因は消えません。どの科目のどこで止まったのかまでさかのぼって確認しておくことが、次の1年を変えます。
つらいときは、一人で抱えないでくださいね。今日どこかに電話して何かを一つ確認する、それだけで状況は動き始めます。
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