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不登校特例校とは?全国84校の都道府県別一覧・入学条件・学費
2026.09.15

学校に行けない日が続くと、「このままで大丈夫なのだろうか」と考えない日はないかもしれません。
調べれば調べるほど選択肢の名前ばかりが増えて、かえって迷ってしまう保護者の方も多いはずです。
この記事では、不登校特例校(現在は「学びの多様化学校」という名称です)の仕組みから、2026年最新の全国84校の都道府県別の設置状況、入学条件、学費、そして「近くになかったとき」「入れなかったとき」にできることまでを、順を追って整理します。
読み終える頃には、お子さんに合う学びの場を選ぶための判断材料が、手元に揃っているはずです。
今日すぐに何かを決める必要はありません。まずは一緒に、選択肢を並べるところから始めましょう。
お急ぎの方は、都道府県別の設置数一覧/入学条件/学費/近くにないときの選択肢から先にご覧ください。
目次
不登校特例校(学びの多様化学校)とは?まずは仕組みを確認

- 文部科学大臣の指定を受け、特別の教育課程を編成できる学校
- 2023年8月に「学びの多様化学校」へ名称が変わった
- 授業時数や教育内容の編成方法は学校ごとに大きく異なる
不登校特例校と聞いても、普通の学校と何が違うのかイメージしにくいですよね。
ここでは制度の基本的な仕組みと、名称が変わった経緯、そして実際にどんな時間割になっているのかを確認していきます。言葉の意味がわかると、この先の入学条件や学費の話もぐっと理解しやすくなります。
不登校の子に合わせた「特別の教育課程」を組める文部科学大臣指定の学校
- 文部科学大臣の指定を受けて特別の教育課程を編成できる学校
- 2005年の学校教育法施行規則改正で制度化された
- 希望すれば誰でも入れる学校ではない
不登校特例校(学びの多様化学校)とは、不登校の児童生徒の実態に配慮した特別の教育課程を編成できると、文部科学大臣から指定を受けた学校です。
一般的な小中学校では、学習指導要領で定められた授業時数や内容に沿って教育課程が組まれます。
これに対して不登校特例校では、文部科学大臣の指定のもと、教育課程の基準によらない特別の教育課程を編成できます。この仕組みは2005年(平成17年)7月の学校教育法施行規則改正によって整えられました。
制度としては20年ほどの歴史がありますが、学校数が大きく増えたのはここ数年のことです。
なお対象となるのは不登校の状態にある児童生徒などであり、希望すれば誰でも入学できる学校ではない点は押さえておきたいところです。
2023年8月から「学びの多様化学校」に名称が変わった|制度の中身は同じ
- 2023年8月31日に新名称「学びの多様化学校」が決定した
- 制度の中身や申請手続きは変わっていない
- 今も「不登校特例校」の表記が併用されている
不登校特例校という名称は、2023年8月31日に「学びの多様化学校」という新名称が決定され、呼び方が変わりました。
子どもたちの目線に立った名称にするため、実際に通う児童生徒や教職員から意見を募って決められた名前です。
制度の中身や申請手続きそのものが変わったわけではなく、あくまで呼び方が変わっただけという点がポイントですね。そのため自治体や学校のホームページでは、今も両方の表記が混在しています。
どちらの名称で検索しても同じ制度を指しますので、この記事でも文脈に応じて両方を使い分けています。
授業時数や教育内容は学校ごとに異なる|福生市840時間・川口市は約2割削減という実例
- 中学校の標準授業時数は年間1,015時間
- 福生市立牛浜もくせい中学校は総授業時数840時間
- 川口市立芝園学園中学校は年間授業時数を約2割削減
- 削減幅も教育課程の組み方も学校ごとに大きく異なる
「特別の教育課程」と聞くと難しく感じますが、代表的な違いの一つが、授業時数や教育内容を学校の実情に合わせて柔軟に編成できることです。
中学校の標準授業時数は年間1,015時間ですが、これを減らして独自の時間にあてている学校があります。ただし削減幅や組み替え方は学校ごとにまったく異なり、「不登校特例校なら何割減」という全国共通の基準はありません。
たとえば2026年4月に開校した東京都の福生市立牛浜もくせい中学校は、各教科等を通常の学級より315時間減らす一方で、「自分探究」「個別学習」「みらいコネクト」という3つの柱に計210時間を確保し、総授業時数を840時間としています。
登校時刻は午前9時とゆとりを持たせ、常時オンライン授業にも対応。週1回はカウンセラーが派遣され、定員は20名程度とされています。
埼玉県の川口市立芝園学園中学校も、年間授業時数を約2割程度削減し、始業時間を1時間ほど遅らせています。学校指定の制服は設けず、気持ちを落ち着けられる場所も校内に用意されています。
一方で、授業時間を短くしても学習内容そのものは削減しないという設計の学校もあります。どこをどう変えているのかは学校ごとに確認が必要で、この点はあとで解説する受験対策の話にもつながってきます。
フリースクール・教育支援センター・通信制高校との違いを一覧で比較

- いちばん大きな違いは「学籍」と「出席」の扱われ方
- 学びの多様化学校と通信制高校は学校教育法上の「学校」
- どれが優れているかではなく、お子さんに合うかで選ぶ
不登校のお子さんの学びの場としては、ほかにもフリースクール・教育支援センター・通信制高校といった選択肢があります。
4つの制度の違いは、「誰が運営しているか」「学籍がどこに残るか」「出席がどう扱われるか」の3点を押さえると整理できます。
| 項目 | 学びの多様化学校 | フリースクール | 教育支援センター | 通信制高校 |
|---|---|---|---|---|
| 運営主体 | 教育委員会・学校法人 | 民間の団体・法人 | 教育委員会など | 自治体・学校法人 |
| 学校教育法上の位置づけ | 学校(分教室・コースは母体校に属する) | 学校ではない | 学校ではない | 学校(高等学校) |
| 学籍 | 転入するとその学校に移る | 元の在籍校のまま | 元の在籍校のまま | その高校に置かれる |
| 出席の扱い | 通えばそのまま出席 | 在籍校の校長が判断 | 在籍校の校長が判断 | 高校の規定に沿って認定 |
| 費用 | 公立の義務教育段階は授業料無償/高校段階・私立は学費と就学支援制度による | 施設ごとに月謝 | 原則無料の自治体が多い | 学校ごとに差が大きい |
| 主な対象 | 小学生・中学生・高校生 | 年齢や状況を問わず幅広い | 主に小中学生 | 高校生 |
フリースクールとの違い|学籍と出席の扱われ方
- フリースクールは民間運営で「学校」には該当しない
- 通っても学籍は元の在籍校に残るのが一般的
- 学びの多様化学校は転入すると学籍そのものが移る
フリースクールとの最大の違いは、学びの多様化学校が学校教育法上の「学校」であるのに対し、フリースクールは学校には該当しない点です。
そのためフリースクールに通う場合、学籍はもともと在籍していた学校に残るのが一般的です。
一方で学びの多様化学校に転入すると、学籍そのものがその学校に移ります。出席の扱いも、フリースクールでは在籍校の校長と教育委員会の判断が関わるのに対し、学びの多様化学校では通えばそのまま出席として扱われます。
費用面では、公立の義務教育段階なら授業料はかかりませんが、フリースクールは施設ごとに月謝が必要になるのが一般的です。
ただ、これは優劣の話ではありません。フリースクールには時間割にしばられない自由さや、居場所としての機能という良さがあります。制度上の違いを理解したうえで、お子さんに合うほうを選ぶことが大切ですね。
教育支援センター(適応指導教室)との違い|通っても学籍は変わらない
- 教育委員会などが設置する公的な支援施設
- 通所しても学籍は元の在籍校のまま
- 利用料が原則かからない自治体が多い
教育支援センター(適応指導教室)は、教育委員会などが設置する公的な支援施設で、通所しても学籍は元の在籍校のままです。
少人数で過ごしながら、学習や相談支援を受けられる場として運営されています。
出席の扱いは、在籍校の校長が教育委員会等と連携しながら判断するのが一般的です。利用料が原則かからない自治体が多く、「まずは相談してみたい」という段階の入口になりやすい施設でもあります。
教育課程そのものを組み替えるのではなく、在籍校を支える立場に近い施設といえます。転入を決めきれない段階で、まず教育支援センターに相談してみるという進め方も現実的な一手です。
通信制高校との違い|制度上の位置づけと学び方の自由度
- 通信制高校は高校生が対象の制度
- レポート・スクーリング・試験で単位を修得する
- 登校頻度は学校やコースによって大きく異なる
通信制高校は、添削指導(レポート)・面接指導(スクーリング)・試験を柱に単位を修得して卒業を目指す高等学校で、高校段階だけを対象とした制度です。
学びの多様化学校が小学校・中学校・高等学校を対象とする文部科学大臣の指定制度であるのに対し、通信制高校は通信教育を行う高等学校という位置づけになります。
登校の頻度は学校やコースによって大きく異なります。スクーリングと試験の日以外は自宅学習が中心という学校もあれば、週5日通えるコースを用意している学校もあるため、資料で必ず確認してください。
学費も学校ごとの差が大きい一方、就学支援金などの制度も関わってきます。自己負担がいくらになるかは「通信制高校の学費無償化|2026年度の自己負担額を3パターンで徹底比較」でまとめていますので、高校段階を検討中の方はあわせて読んでみてくださいね。
小中学生の間は学びの多様化学校、高校進学後は通信制高校というように、段階に応じて選択肢を切り替えることもできます。
【2026年最新】全国84校の一覧|都道府県別の設置状況
- 2024年35校→2025年58校→2026年84校と急増中
- 設置があるのは34都道府県、13県はまだ0校
- 本校型・分校型・分教室型・コース指定型の4タイプ
「そもそも、うちの県にあるの?」という疑問が、いちばん知りたいところかもしれません。
84校それぞれの学校名は文部科学省のページで公開されているため、この記事では都道府県ごとに何校あるのかを一覧に整理しました。お住まいの地域の状況が、この章を読めば一目でわかります。
2024年35校→2025年58校→2026年84校と急増中(公立59校・私立25校)
- 2年で35校から84校へと2倍以上に増加
- 内訳は公立59校・私立25校
- 将来的には全国300校程度を目指す方針
不登校特例校(学びの多様化学校)は、2024年4月の35校から2025年4月の58校を経て、2026年には84校まで増えました。
わずか2年で2倍以上という、かなり速いペースです。
内訳は公立が59校、私立が25校となっています。背景には、文部科学省が「COCOLOプラン」を通じてすべての都道府県・政令指定都市への設置を後押ししていることがあります。
文部科学省は令和9年度までに全都道府県・政令指定都市への設置を目指す方針を示しており、教育振興基本計画では将来的に全国300校程度という目標も掲げられています。
つまり、今は近くになくても、今後さらに設置が増える可能性があるということですね。
都道府県別の設置数一覧|東京14校・福岡8校・神奈川5校
- 設置があるのは34都道府県
- 最多は東京14校、次いで福岡8校・神奈川5校
- 1校のみの県が15県あり、地域差はまだ大きい
84校のうち最も多いのは東京の14校で、次いで福岡8校、神奈川5校と続きます。
文部科学省の設置者一覧をもとに、設置がある34都道府県を校数の多い順に並べたのが下の表です。
| 校数 | 都道府県 |
|---|---|
| 14校 | 東京 |
| 8校 | 福岡 |
| 5校 | 神奈川 |
| 4校 | 岐阜・兵庫 |
| 3校 | 北海道・宮城・大阪・高知・宮崎・鹿児島 |
| 2校 | 埼玉・千葉・新潟・愛知・静岡・京都・奈良・岡山 |
| 1校 | 青森・秋田・山形・福島・茨城・栃木・富山・三重・滋賀・島根・山口・香川・長崎・大分・沖縄 |
こうして並べてみると、東京だけで全体の約6分の1を占めていることがわかります。
一方で1校のみという県が15県あり、その1校が県内のどこにあるかによって、通えるかどうかは大きく変わってきます。
個別の学校名や所在地は、文部科学省「学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)の設置者一覧」で確認できます。上記の集計は2026年9月時点の同資料をもとにしたものです。開校予定の学校もあるため、検討時にはできるだけ最新の公式情報にあたってみてくださいね。
まだ1校もない13県はどこ?お住まいの地域にない場合の探し方
- 未設置は岩手・群馬・石川・福井・山梨・長野など13県
- 隣接自治体の学校に通えるかは要確認(市外在住不可の学校もある)
- 教育支援センターやオンライン学習という選択肢もある
お住まいの県が表になかった方もいらっしゃると思います。
2026年時点で1校も設置されていないのは、岩手・群馬・石川・福井・山梨・長野・和歌山・鳥取・広島・徳島・愛媛・佐賀・熊本の13県です。
「近くにない」と分かった瞬間、行き止まりに感じてしまうかもしれません。でも、そこで終わりではありません。ここからできることが3つあります。
1つめは、隣接する自治体の学校が使えるかどうかの確認です。ただし公立校の多くは対象を市区町村内の在住者に限っており、たとえば福生市の牛浜もくせい中学校は「市外在住のまま転入学して通うことはできません」と明記しています。使えるかどうかは、必ず設置自治体に直接確認しましょう。
2つめは、開校予定の確認です。文部科学省が令和9年度までの全都道府県・政令指定都市への設置を目指していることもあり、都道府県の教育委員会に問い合わせると、検討中の計画を教えてもらえることがあります。
3つめは、教育支援センターやオンライン学習など、学びの多様化学校以外の選択肢を並べてみることです。教育支援センターは全国の多くの自治体にあり、利用料も原則かかりません。学習面は自宅で補うという前提に立てば、地域による選択肢の差はぐっと小さくなります。
具体的な組み立て方は、記事後半の「近くにない・入れない・学力が心配なときの選択肢」であらためて整理します。
本校型・分校型・分教室型・コース指定型|4つのタイプの違い
- 設置のされ方で4つのタイプに分かれる
- 本校型32校・分教室型29校・分校型12校・コース指定型11校
- 分教室やコース自体が独立した学校になるわけではない
学びの多様化学校は、設置のされ方によって本校型・分校型・分教室型・コース指定型の4タイプに分かれます。
校数がいちばん多いのは本校型ですが、既存校の枠組みを活かす分教室型もほぼ同数まで増えています。
| タイプ | 校数 | 特徴 | 代表例 |
|---|---|---|---|
| 本校型 | 32校 | 独立した1つの学校として設置 | 八王子市立高尾山学園、岐阜市立草潤中学校 |
| 分教室型 | 29校 | 既存校に属する分教室として設置 | 世田谷中学校分教室「ねいろ」、調布市立第七中学校「はしうち教室」 |
| 分校型 | 12校 | 既存校の分校として別の場所に設置 | 福生市立牛浜もくせい中学校、鎌倉市立由比ガ浜中学校 |
| コース指定型 | 11校 | 高校の特定のコースが指定を受ける | NHK学園高等学校ライフデザインコース、福岡県立小郡高等学校みらい創造コース |
いずれのタイプも、学校教育法上の学校を母体として特別の教育課程を実施します。ただし、分教室やコースそのものが独立した1つの学校になるわけではない点は押さえておきたいところです。
実際に確認したいのは、タイプの違いよりも教育内容や1学級の人数のほうですね。
入学条件は?「年間30日以上の欠席」だけが基準ではない
- 「年間30日以上の欠席」はあくまで目安の一つ
- 断続的な欠席や別室登校でも対象になることがある
- 定員があり、抽選になる学校もある
「うちの子は対象になるのだろうか」という不安は、多くの保護者の方が抱えるところです。
ここでは入学条件の考え方と、意外と見落とされがちな定員・選考の実態を確認していきます。結論から言えば、欠席日数だけで機械的に決まるものではありません。
「年間30日以上の欠席」はあくまで目安|30日未満でも対象になり得る
- 「年間30日以上」は文科省の調査上の定義
- 30日未満でも不登校の傾向があれば対象になり得る
- 実際の判断は各学校・設置者に委ねられている
「年間30日以上の欠席」は文部科学省の調査で使われている定義であり、入学の絶対条件ではありません。
30日に満たない欠席日数でも、学校や教育委員会が不登校の傾向があると判断すれば、対象になり得るケースがあります。
逆に、日数だけを理由に一律で入学が決まるわけでもありません。実際の判断は各学校や設置者に委ねられています。
「うちの子はまだ30日休んでいないから対象外」と自己判断で諦めてしまうのは、いちばんもったいないパターンです。
日数の基準にとらわれすぎず、今の状況をそのまま伝えてみるところから始めてみてくださいね。
断続的な欠席や別室登校でも対象になることがある
- 週に数日は登校できる状態も考慮される
- 別室登校を続けている場合も対象になり得る
- 日数より日々の様子を具体的に伝えることが大切
対象になるのは毎日休んでいる状態だけではなく、断続的な欠席や不登校の傾向が見られる児童生徒も含まれます。
週に数日は登校できるものの体調や気持ちの波が大きい場合や、教室には入れず別室登校を続けている場合なども考慮されることがあります。
一方で、不登校の状態にないお子さんは特別の教育課程の対象にはならないとされています。判断にあたっては、本人や保護者の話だけでなく、学校での様子や心理的な状況も踏まえて総合的に検討されるのが一般的です。
相談の際は、欠席日数を数えるよりも、登校しぶりが始まった時期や体調の変化など、日々の様子を具体的に伝えることを意識してみてください。
定員があり抽選になる学校もある|世田谷区は倍率2.4倍
- 1学年15〜20名程度に定員を設定している学校もある
- 世田谷区立北沢学園中学校は申込36人・当選15人で倍率2.4
- 入れなかった場合の次の一手も並行して考えておく
あまり語られませんが、条件を満たしていても必ず入れるとは限りません。
1学年15〜20名程度という小さな定員を設けている学校もあり、応募が上回ると抽選になることがあります。
実際の数字を見てみましょう。世田谷区が公表している令和9年4月転入学の抽選結果(2026年9月時点)では、新中学1年生の枠について、北沢学園中学校が申込36人に対して当選15人で抽選倍率2.4、世田谷中学校分教室「ねいろ」が申込18人に対して当選15人で倍率1.2でした。
川口市立芝園学園中学校のように、令和9年度当初の転入学には説明会(各回定員40組80名)への参加が必須とされている自治体もあります。
この数字を見て、不安が増してしまったかもしれません。ただ、事前に知っておけるからこそできる備えがあります。
それは、「入れたらここ、入れなかったらこの形」という2つの道筋を、はじめから並行して考えておくことです。抽選結果が出てから慌てて探し始めると、選択肢が一気に狭く感じられてしまいます。
まずは在籍校や教育委員会に相談を|説明会参加が必須の自治体も
- 最初の相談先は在籍校または自治体の教育委員会
- 説明会や見学会が転入学の前提になっている自治体もある
- 「まだ何も決めていない」段階でも相談できる
入学や転入を検討する際の最初の相談先は、今通っている在籍校か、お住まいの自治体の教育委員会です。
募集時期や選考方法は自治体によって大きく異なるため、個別に確認する必要があります。
ここで大事なのは、説明会や見学会が単なる情報提供の場ではなく、応募の前提条件になっている自治体があることです。日程を逃すと、その年度の転入学の道が閉じてしまう可能性もあります。
そして、もう一つお伝えしたいことがあります。
相談は「転校すると決めた人」だけのものではありません。世田谷区の不登校支援窓口のように、学びの多様化学校の申し込みだけでなく不登校全般の相談を受け付けている窓口も増えています。教育支援センターやスクールカウンセラーが窓口になっている自治体もあります。
まだ何も決めていない段階で、「こういう状態なのですが、どんな選択肢がありますか」と聞いてみるだけで十分です。どこに相談すればよいかわからないときは、24時間子供SOSダイヤルを利用する方法もあります。
小学生・中学生・高校生、それぞれ通える学校はある?
- 中学校段階が62校で全体の約4分の3を占める
- 小学校段階は17校とまだ少ない
- 高校段階は14校で「コース指定型」が中心
制度の話が続きましたが、「うちの子の学年で通えるところはあるの?」という点は必ず確認しておきたいところです。
2026年4月時点の内訳は、小学校段階17校・中学校段階62校・高校段階14校です。小中一貫の学校は小学校段階と中学校段階の両方に数えられるため、合計は84校を上回ります。
この数字が示すとおり、学年段階によって選択肢の数にはかなり差があります。順に見ていきましょう。
中学校段階が中心|84校の大半が中学生を対象にしている
- 中学校段階は62校で全体の約4分の3
- 本校型・分校型・分教室型のいずれも中学中心
- 中学生は比較的選択肢を見つけやすい
学びの多様化学校の中心は中学校段階で、84校のうち62校、およそ4分の3が中学生を対象としています。
これは不登校の児童生徒数が中学校段階で大きく増えることを反映した結果といえます。
本校型・分校型・分教室型のいずれのタイプでも、中学校を対象とした学校が多数を占めています。設置がある34都道府県のほとんどで、中学生なら何らかの選択肢がある状態です。
ただし前の章で見たとおり、定員を1学年15〜20名程度に設定している学校もあり、選択肢があることと入れることはイコールではありません。
小学生が通える学校もある|小中一貫・小学校単独という選択肢
- 小学校段階に対応する学校は17校
- 小中一貫校と小学校単独校の2パターン
- 低学年は生活リズムの変化への配慮が特に必要
小学生が通える学校もありますが、その数は2026年4月時点で全国17校と限られています。
形としては2つのパターンがあります。
1つは、八王子市立高尾山学園やさいたま市立いろどり学園、富山市立古志はるかぜ学園のように、小学部と中学部を持つ小中一貫のタイプです。小学校高学年から中学卒業まで環境を変えずに通えます。
もう1つは、東京シューレ江戸川小学校やろりぽっぷ学園小学校、大田区立大森第四小学校分教室「みらい学園初等部」のような小学校単独のタイプです。
低学年のお子さんの場合は、通学の負担や生活リズムの変化が大きくなりやすいため、体験通学などを通じて本人の様子を確かめながら進めるほうが安心ですね。近隣に対象校がない場合の考え方も含めて、「不登校の小学生はどうする?原因・親の対応・学び方ガイド」で具体的にまとめていますので、あわせて参考にしてみてください。
高校は「コース指定型」が中心|通信制高校との比較も踏まえて
- 高校段階は14校とかなり少ない
- 大半が高校の特定コースを指定する「コース指定型」
- 通信制高校やエンカレッジスクールも比較対象になる
高校段階の学びの多様化学校は14校で、そのうち11校が高校の特定コースを指定する「コース指定型」です。
具体的には、NHK学園高等学校ライフデザインコース、星槎国際高等学校リベラルアーツコース、福岡県立小郡高等学校みらい創造コースなどがあります。
中学の学び直しを1年次に組み込んだり、体験的な学習を多く取り入れたりと、不登校を経験した生徒に配慮した科目が設定されているのが特徴です。
ただ、絶対数が少ないため、高校段階では通信制高校や、都立高校の「エンカレッジスクール」なども含めて比較するほうが現実的です。仕組みや倍率は「エンカレッジスクールとは?都立6校の違い・倍率まで徹底解説」で解説していますので、進路の選択肢を広げたい方は読んでみてくださいね。
通うメリット|学びやすさの4つのポイント
- 少人数・習熟度別授業で自分のペースを保てる
- スクールカウンセラーなど専門家に相談しやすい
- 出席が認められて内申や進路にもつながりやすい
- 体験活動や探究学習で自信や社会性を育む機会がある
制度の仕組みがわかったところで、実際に通うとどんな良さがあるのかを見ていきましょう。
学習面と生活面の両方から整理すると、学びの多様化学校ならではの特徴が見えてきます。
少人数・習熟度別授業で自分のペースを保てる
- 1学級15〜20名程度に設定している学校もある
- 習熟度別指導や個別学習を取り入れている学校もある
- 教員の目が届きやすい環境が整いやすい
学びの多様化学校には、1学級あたりの人数を15〜20名程度と少なく設定している学校があります。
川口市立芝園学園中学校は各学年15名程度で1学級、福生市立牛浜もくせい中学校は定員20名程度と公表されています。
あわせて習熟度別の指導や学び直しの時間を取り入れている学校もあり、学年をまたいだ「学び残し」にも対応しやすい仕組みです。
大人数の教室で発言することに緊張してしまうお子さんにとっては、少人数という環境そのものが安心材料になります。間違えることや質問することへのハードルが下がるのは、学習面でも大きな意味がありますね。
スクールカウンセラーなど専門家に相談しやすい
- カウンセラーや心理相談員を配置している学校もある
- 別室や落ち着ける場所を備えた学校もある
- 保護者向けの相談窓口が用意されていることも
学びの多様化学校には、教科を教える教員だけでなく、スクールカウンセラーや心理相談員を配置している学校があります。
福生市立牛浜もくせい中学校では週に1回カウンセラーが派遣され、生徒一人ひとりの支援計画も作成されています。
川口市立芝園学園中学校のように、気持ちを落ち着けられる場所を校内に設けている学校もあります。教室に入るのが難しい日でも、学校の中で過ごせる居場所があるのは心強い点です。
本人だけでなく、保護者の方が相談できる体制が整っていることも、家庭にとっては大きな支えになります。
出席が認められて内申や進路にもつながりやすい
- 通えば正規の出席として扱われる
- 成績評価や卒業認定は学校教育制度の枠内で行われる
- 在籍したこと自体が一律に不利益になるわけではない
学びの多様化学校は学校教育法上の学校であるため、通えば正規の出席として扱われます。
フリースクールでは出席として認められるかが在籍校の校長の判断に左右されますが、学びの多様化学校ならその点で悩む必要がありません。
成績評価や卒業認定も、通常の学校と同じ学校教育の枠組みの中で行われます。
「転校したら進路で不利になるのでは」という不安を持つ方は多いですが、在籍したこと自体が一律に不利益になるわけではありません。
ただし、評価の付け方や入試での調査書の扱いは地域や学校によって異なります。高校受験を控えているお子さんの場合は、「不登校中学生の進路ガイド」で選択肢の全体像を確認しておくと、志望校の選び方も考えやすくなりますよ。
体験活動や探究学習で自信や社会性を育む機会がある
- 探究学習や体験活動に時間を割く学校が多い
- 学ぶことへの抵抗感を和らげるきっかけになることも
- 内容は学校ごとに大きく異なる
学びの多様化学校では、教科の授業だけでなく、探究学習や体験活動に時間を割いている学校が目立ちます。
削減した教科の時数を、こうした新設教科にあてているためです。
たとえば福生市立牛浜もくせい中学校の「自分探究」は、自分の好きなことについて問いを立て、自分なりの答えにたどり着く力を育てる時間として設定されています。学校法人が所有する農園での栽培・収穫を軸にした食育を行う学校や、地域の自然環境を活かした探究プログラムを組む学校もあります。
勉強へのプレッシャーを感じやすいお子さんにとって、こうした時間が学ぶことへの抵抗感をやわらげるきっかけになることがあります。
内容は学校によってまったく異なるので、気になる学校があれば説明会で具体的に聞いてみるとイメージがつかみやすくなりますね。
知っておきたいデメリット・注意点
- 近くに学校がなく通学が負担になることがある
- 学校ごとに授業時数や学習内容の差が大きい
- 授業時数を減らす学校では学習の補い方も確認したい
- 私立の場合は学費の負担が発生する
良い面だけでなく、事前に知っておきたいデメリットもあります。
先に知っておくことで、入学後の「思っていたのと違った」を減らせます。
近くに学校がなく通学が負担になることがある
- 1県に1校のみという地域も15県ある
- 遠方からの通学が課題になっている学校もある
- 始業時刻が遅めの学校かどうかもあわせて確認を
84校まで増えたとはいえ、1県に1校のみという地域が15県あります。
文部科学省の手引きでも、遠方からの通学が運営上の課題になっている学校があることが示されています。
体力や気力が落ちている状態のお子さんにとって、長い通学時間そのものが負担になり、かえって登校が難しくなってしまうこともあります。
朝の時間帯に体調を崩しやすい場合は、始業時刻が遅めに設定されている学校かどうかも確認したいところです。福生市は午前9時、川口市は通常より1時間程度遅らせた始業時間としています。
通学が難しいと感じた場合は、無理に通わせようとせず、教育支援センターや家庭での学習支援など、ほかの選択肢とあわせて考え直す柔軟さも大切ですね。
学校ごとに授業時数や学習内容の差が大きい
- 「特別の教育課程」は学校ごとの裁量が大きい
- 学習内容そのものは削減しない学校もある
- 時間割や年間計画を実際に見せてもらうのが確実
「特別の教育課程」は学校ごとの裁量が大きいため、同じ学びの多様化学校でも中身はかなり違います。
総授業時数を840時間まで減らす学校がある一方で、府中市立浅間中学校分教室「かがやき」のように、1単位時間を45分に短縮しつつ学習指導要領の学習内容そのものは削減しないという設計の学校もあります。新設される教科の中身も、探究中心、学び直し中心、ソーシャルスキル中心とさまざまです。
つまり、学校が変われば学べる内容も大きく変わるということですね。パンフレットの情報だけで判断せず、実際の時間割や年間計画を見せてもらうと違いがはっきりします。
これは良し悪しではなく方針の違いなので、お子さんに合うかどうかという視点で比べてみてください。
授業時数を減らす学校もある|受験を考えるなら学習の補い方を確認
- 標準1,015時間に対し総授業時数840時間という学校もある
- 教科と新設教科の配分は学校ごとに組み替えられている
- 志望校によっては学校の補習や家庭学習で補えるか確認を
この記事で最初にお伝えした授業時数の話が、ここでもう一度関わってきます。
中学校の標準授業時数1,015時間に対して総授業時数840時間という学校の場合、年間175時間、約17%少ない計算になります。
ただし、この175時間がそのまま教科学習の減少になるわけではありません。教科と新設教科の配分は学校ごとに組み替えられており、教科の学習時間が一律に17%減るという意味ではないためです。学習指導要領の目標達成を目指す点も変わりません。
とはいえ、志望校や本人の学習状況によっては、学校の授業だけで足りるかどうかを早めに確かめておきたいところです。
不安を感じたかもしれませんが、確認の順番を決めておけば慌てずに済みます。検討の一例としては、まず学校の補習や個別学習の時間で足りるかを聞き、足りなければ家庭学習の習慣づくり、それでも追いつかないなら個別指導、という順です。
いきなり塾を探す必要はありません。中学1年生・2年生の早い段階で進路目標と学校の教育課程を照らし合わせておけば、十分に間に合います。
私立の場合は学費の負担が発生する
- 84校のうち25校が私立
- 入学金・授業料・施設設備費などが必要
- 自治体の助成制度の有無も確認しておきたい
84校のうち25校は私立で、この場合は費用が発生します。
公立の義務教育段階なら授業料はかかりませんが、私立では入学金・授業料・施設設備費などが必要になります。
私立ならではの手厚い人員配置や独自プログラムが魅力である一方、家庭の経済的な負担は公立に比べて大きくなります。全寮制の学校もあり、その場合は寮費も加わります。
自治体によっては私立校向けの助成制度を設けている場合もあるため、費用面が気になるときは事前に確認しておくと選択肢が広がりますね。
学費はどれくらいかかる?公立・私立別に解説
- 公立なら義務教育段階の授業料は原則無償
- 私立は学校ごとに費用の設定が大きく異なる
- 公立でも給食費や通学費などはかかる
学費は、家庭にとって現実的な判断材料です。
公立と私立で前提がまったく違うので、分けて確認していきましょう。
公立なら義務教育段階の授業料は原則無償
- 義務教育段階の授業料は原則無償
- 教科書も無償で配布される
- 高校段階は就学支援金制度の対象になる
公立の学びの多様化学校は、義務教育段階であれば授業料が原則かかりません。
これは通常の公立小中学校と同じ扱いで、教科書も無償で配布されます。
経済的な負担を抑えながら、柔軟な教育課程による学びを受けられるのは公立ならではの利点です。ただし授業料が無償でも、給食費や学用品費など別途かかる費用がある点には注意が必要です。
一定の所得要件を満たす家庭であれば就学援助制度の対象になる場合もあります。高校段階は授業料が無償というわけではなく、高等学校等就学支援金制度による支援という仕組みです。2026年度から支援は拡充されていますが、申請手続きが必要なので、進学先の案内を必ず確認してくださいね。
私立は入学金・授業料・施設費などがかかる
- 入学金・授業料・施設設備費・教材費などが必要
- 金額の設定は学校ごとに大きく異なる
- 初年度と2年目以降を分けて確認すると比較しやすい
私立の場合は、入学金・授業料・施設設備費・教材費・行事費などが必要になります。
金額は学校によって大きく異なり、「私立ならおおよそこのくらい」と一律には言えないのが実情です。
全寮制を採っている学校もあれば、通学型で少人数指導に人員を厚く配置している学校もあり、費用の構造そのものが違います。ネット上で見かける平均額は調査年が古いこともあるので、必ず検討している学校の最新の資料で確認してください。
見積もりを取り寄せる際は、初年度にかかる費用と2年目以降の費用を分けて確認しておくと比較しやすくなります。費用だけで判断せず、教育内容や支援体制とあわせて総合的に見ていくことが大切ですね。
給食費や通学費など公立でもかかる費用に注意
- 給食費・学用品費・校外活動費・通学費など
- 給食の有無は学校によって異なる
- 年間の総額を書き出しておくと比較しやすい
公立・私立を問わず見落としやすいのが、給食費・学用品費・校外活動費・通学費といった付随費用です。
給食については、福生市立牛浜もくせい中学校のように提供している学校もあれば、お弁当持参の学校もあります。
通学費は、遠方から通う場合に意外と大きな負担になります。修学旅行や宿泊行事がある学年は、通常の月より出費が増えることも念頭に置いておきたいですね。
年間の総費用を一度書き出しておくと、公立・私立を比較する際の判断材料になります。
学校選びで後悔しないための5つのチェックポイント
- 本人の意思を置き去りにしないことが最優先
- 通学の負担は実際に移動して確かめる
- 見学・説明会で聞くことを事前にリスト化しておく
ここまでの情報を、実際の学校選びにどう使うかを整理します。
確認する視点をあらかじめ知っておくと、見学や説明会での聞き漏らしを防げます。
本人の意思を置き去りにしない|親だけで決めないことが最優先
- 保護者だけで決めると本人が置いてけぼりになりやすい
- 見学や体験にはできる限り本人と一緒に参加する
- 結論を急がず、本人のペースで気持ちを整理する時間を持つ
学校選びで何より大切なのは、本人の気持ちを置き去りにしないことです。
「正規の学校だから安心できるはず」という思いから保護者だけで手続きを進めてしまうと、本人が納得しないまま環境が変わることになります。
その結果、新しい学校にも足が向かなくなってしまうというのは、実際に起こりうることです。
見学や体験の機会には、できる限り本人と一緒に参加して、実際の雰囲気を感じてもらいましょう。「ここなら行ってみたい」と本人が思えるかどうかは、その後の通いやすさを大きく左右します。
反応が薄くても、無理に感想を求める必要はありません。時間をおいて、日々の会話の中で少しずつ気持ちを確かめていく余裕を持てるといいですね。
通学時間や体力的な負担を実際に確認する
- 入学前に本人と一緒に通学ルートを移動してみる
- 混雑する時間帯や坂道など体力面の負担も確認
- 短時間登校や別室利用ができるかもあわせて聞く
通学の負担は、パンフレットの情報だけではわかりません。
できれば入学前に、実際に本人と一緒に通学ルートを移動して、所要時間や乗り換えの負担を確かめておきましょう。
実際に歩いてみると、駅からの坂道や乗り換えの人混みなど、地図では見えなかった負担に気づけることがあります。
毎日フルで通うことを前提にせず、短時間登校や別室利用など段階的な通い方ができるかどうかも、あわせて確認しておくと安心です。
授業時数と進路目標に必要な学力を照らし合わせる
- 検討している学校の年間授業時数と教育課程を確認する
- 志望校の選抜方法と必要な学力を早めに把握
- 成績評価の方法や調査書の扱いも確認しておく
高校進学を見据えているなら、検討している学校の年間授業時数と教育課程を、志望校に必要な学力と並べて確認しておきましょう。
この記事で見てきたとおり、時数の削減幅も教科の組み替え方も学校によってまったく違います。
「まずは学校に慣れること」を優先しつつ、進路の準備を並行して進める視点を持っておくと、3年生になってから慌てずに済みます。
成績評価の方法や調査書の扱いも学校・地域によって異なるため、説明会で具体的に質問しておくとよいですね。
見学・説明会で必ず聞いておきたい質問リスト
- 年間授業時数と、削減された教科・新設された教科
- 1学級の人数と定員、抽選の有無
- 補習・個別学習の時間があるか
- 始業時刻と、短時間登校が可能か
- 給食の有無と、年間にかかる費用の総額
見学や説明会は限られた時間なので、聞くことを決めておくと迷いません。
上のリストをそのままメモに書き写して持っていけば、確認漏れはほぼ防げます。
加えて余裕があれば、次の3つも聞いてみてください。「休んだ日のフォローはどうなりますか」「元の学校に戻る場合の手続きは」「保護者が相談できる窓口はありますか」の3つです。
疲れた状態で説明を聞くと、その場では理解できても後から思い出せないものです。答えをメモに書き込みながら聞くと、家に帰ってから比較しやすくなりますよ。
環境が変わった直後に毎日フル登校を求めすぎない
- 転入直後から週5日を前提にしない
- 短時間登校や別室利用も選択肢に含める
- 「休んでも責めない」方針を家庭と学校で共有する
新しい環境に移ったことをきっかけに、いきなり毎日フルで通うことを期待してしまうケースがあります。
慣れる前から週5日の通学を前提にすると、それ自体が大きなプレッシャーになってしまいます。
短時間登校や別室利用といった段階的な通い方ができるかどうかを、入学前に学校へ相談しておきましょう。本人の状態に合わせて日数や時間を調整できる余地があるかどうかは、通い始めてからの安心感につながります。
「休んでも責めない」という方針を、家庭と学校であらかじめ共有しておくことも大切ですね。
近くにない・入れない・学力が心配なときの選択肢
- 通える学校がない地域でもできることがある
- まずは学校の補習体制を確認するのが順番
- マンツーマンで自分のペースに合わせる方法もある
ここまで読んで、「うちの場合は難しそう」と感じた方もいるかもしれません。
未設置の13県にお住まいの方、抽選に不安がある方、通えたとしても学力面が心配な方。
この章では、そうした状況で今日から動ける具体的な選択肢を整理します。
通える学校がない地域の家庭ができること
- 隣接自治体の受け入れ条件を確認する
- 県の教育委員会に開校予定を問い合わせる
- 教育支援センターとオンライン学習を組み合わせる
通える学校がない。これは、選択肢がないという意味ではありません。
「学籍を移す」以外の方法で、環境と学習の両方を整えることは十分に可能です。
やることは3つに整理できます。
1つめは、隣接自治体への問い合わせです。市外在住者を受け入れていない学校が多いのは事実ですが、条件は自治体ごとに異なります。まずは事実を確認しましょう。
2つめは、都道府県の教育委員会に開校予定を聞くことです。設置の計画が進んでいる自治体もあります。
3つめが、いちばん現実的な組み立てです。日中の居場所と人との関わりは教育支援センターで、学習は自宅で確保するという形です。教育支援センターは全国の多くの自治体にあり、利用料も原則かかりません。
学習面については、訪問型とオンライン型を状況に応じて切り替えられる仕組みを使えば、地域による差はほとんどなくなります。体調の良い日は対面で、外に出るのがしんどい日はオンラインで、という使い分けができれば、学びを止めずに続けられますね。
まずは学校の個別学習や補習の時間を活用しよう
- 学校内の個別学習や補習の時間をまず確認する
- 担任と学習の進み具合を共有しておく
- 足りない分だけを家庭で補う考え方に立つ
学力の遅れが気になるとき、最初に確認したいのは学校内での個別学習や補習の時間です。
学びの多様化学校の多くは、削減した教科の時数の一部を「学び直し」や「個別学習」の時間にあてています。川口市立芝園学園中学校の「芝学タイム」のように、基礎・基本の定着を目的とした新設教科を持つ学校もあります。
まずは在籍している、あるいは検討している学校にどんな補習体制があるかを聞いてみましょう。そのうえで担任の先生と定期的に進み具合を共有しておくと、家庭で補うべき範囲がはっきりします。全部を家庭でやろうとする必要はありません。
学校の補習だけでは追いつかないと感じたときは、家庭でどう補うかを考えていくことになります。不登校の期間にできた学習の遅れをどう取り戻していくかは、「不登校による勉強の遅れを取り戻す方法」で具体的な進め方をまとめていますので、あわせて読んでみてくださいね。
家庭教師ならマンツーマンで自分のペースに合わせられる
- 周りのペースに合わせる必要がない
- 自宅で受けられるため外出の負担が少ない
- オンライン対応なら地域や体調に左右されにくい
学校の補習だけでは足りないと感じたとき、選択肢の一つになるのが家庭教師です。
集団授業と違って周りのペースに合わせる必要がないため、どの学年のどこでつまずいているかに合わせて戻れる点が最大の特徴です。
自宅で受けられるので、外出そのものが負担になっている状態でも学びを止めずに済みます。
訪問型とオンライン型を切り替えられるサービスなら、体調や気持ちの波に合わせて柔軟に調整できます。近くに通える学校がない地域でも、この点は変わりません。
不登校のお子さんへの対応経験がある講師やカウンセラーが在籍しているかどうかは、選ぶ際の一つの目安になりますね。
家庭教師のランナー|不登校・発達障害に対応した専門カウンセラーが在籍

- 勉強が苦手なお子さん専門の家庭教師グループ
- 指導人数実績30,034人、講師登録数は約14万人
- 発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフが在籍
- つまずいた単元まで戻る「戻り学習」と、毎日10分で終わる宿題
- 90分の無料体験レッスンあり・無理な勧誘は一切なし
私たち家庭教師のランナーは、勉強が苦手なお子さんに特化してサポートしてきた家庭教師グループです。
これまでの指導人数は30,034人、講師登録数は約14万人になります。発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフが在籍しており、不登校のお子さんへのサポート実績もあります。
この記事で見てきた「学校の授業だけで足りるか不安」という課題に対しては、学年を戻すのではなく、つまずいた単元まで戻る「戻り学習」で対応しています。中学生の数学がわからない原因が、小学校の分数にあることは珍しくないためです。
宿題は「毎日10分で終わる量」に設定しています。生活リズムが整っていない時期に長時間の学習を求めても続かないので、その日の大事なところだけを短く復習する形です。指導のない日もLINEで質問でき、写真を送ると解説動画で回答が届きます。
訪問型とオンライン型を切り替えられるので、近くに通える学校がない13県にお住まいの方でも、同じ内容の指導を受けていただけます。料金は1コマ30分900円(高校生は1,000円)からです。詳しくは「不登校の家庭教師サポート」のページをご覧ください。
そして、いちばんお伝えしたいのはここです。
まだ何も決めていない段階でも、相談していただいて大丈夫です。「転校するかどうかも決まっていない」「勉強の話をする段階ですらない」という状態でも構いません。90分の無料体験レッスンでは、お子さんに合った勉強のやり方をご提案し、講師との相性を確かめていただけます。無理な勧誘は一切ありませんので、選択肢の一つとして見てみるだけでも構いません。
よくある質問|元の学校に戻れる?給食やテストは?
- 元の学校に戻れる場合もあり、可否は自治体が判断する
- 給食やテストの運用は学校ごとに異なる
- 募集時期は自治体によって大きく異なる
最後に、よく聞かれる質問をまとめました。
気になる項目から確認してみてくださいね。
転校した後、元の学校に戻ることはできる?
- 本人の状況に応じて戻れる場合がある
- 可否や手続きは自治体・教育委員会が判断する
- 在籍校との連絡を保っておくと動きやすい
学びの多様化学校に転入した後でも、本人の状況に応じて元の学区の学校に戻れる場合があります。
公立小中学校では就学校の指定や指定校変更を教育委員会が扱うため、可否や手続きの流れは自治体ごとに異なります。「必ず戻れる」と決まっているわけではない点は押さえておきましょう。
一方で、「一度移ったら二度と戻れない」というものでもありません。検討の段階で、戻る場合の手続きがどうなるかを教育委員会に確認しておくと、判断がしやすくなります。
元の学校とのつながりを完全に切らずにおくことも、いざというときの選択肢を広げてくれます。
給食や定期テストはあるの?制服は必要?
- 給食を提供する学校とお弁当の学校がある
- 定期テストの実施方法も学校ごとに異なる
- 学校指定の制服を設けていない学校もある
給食・定期テスト・制服のいずれも、学校によって扱いが異なります。
給食は、福生市立牛浜もくせい中学校のように提供している学校もあれば、お弁当持参の学校もあります。
定期テストについては、通常の学校に近い形で実施している学校と、レポートや日々の取り組みを踏まえて評価する学校とに分かれます。
制服については、川口市立芝園学園中学校のように学校指定の制服を設けていない学校もあります。服装のことで登校のハードルが上がってしまうお子さんにとっては、確認しておきたいポイントですね。
アレルギー対応や配慮が必要なことがあれば、事前に相談しておくと安心です。
いつから申し込める?募集時期と転入までのスケジュール
- 募集時期は自治体によって大きく異なる
- 説明会・見学会が応募の前提になっている場合がある
- 年度途中の転入学を受け付けている自治体もある
意外と見落としやすいのが、募集のスケジュールです。
全国共通の募集時期はなく、自治体ごとにかなり違います。実例を2つ見てみましょう。
世田谷区の場合、令和9年4月転入学の募集期間は新中学1年生が令和8年8月上旬から中旬、新中学2・3年生が令和8年11月上旬でした。その前段として7月に説明会、7月下旬から8月上旬に施設見学会が開かれています。
川口市では、令和9年度当初の転入学にあたり、2026年8月28日と9月3日に開かれた説明会(各回定員40組80名)のいずれかへの参加が必須要件とされていました。
いずれも、4月の入学に向けて前年の夏から動き始める形です。関心のある学校があるなら、前年の春のうちに募集要項の公開時期だけでも確認しておきたいですね。
ただし年度途中の転入学を受け付けている自治体もあります。「もう間に合わない」と決めつけず、まずは教育委員会に問い合わせてみてください。
不登校特例校(学びの多様化学校)についてまとめ
- ・不登校特例校(学びの多様化学校)は特別の教育課程を編成できる文部科学大臣指定の学校で、2023年8月に名称が変わった
- ・2026年時点で全国84校(公立59校・私立25校)、設置があるのは34都道府県で13県はまだ0校
- ・授業時数や教育内容の組み方は学校ごとに異なるため、志望校を見据えるなら教育課程の中身まで確認したい
- ・近くになくても、隣接自治体・開校予定・教育支援センター・オンライン学習という選択肢がある
不登校特例校(学びの多様化学校)は、この2年で35校から84校へと大きく増えました。
選択肢が増えた一方で、地域差や定員の壁、学校ごとの教育課程の違いといった現実もあります。
大切なのは、出席日数や制度の条件よりも、お子さんが安心して過ごせる場所とペースを一緒に探していくことです。
今日すぐに結論を出す必要はありません。まずは在籍校や教育委員会に「こういう状態なのですが」と伝えてみるところから、ゆっくり始めていきましょう。
学習面をどう支えるか迷っているときは、私たちランナーにもお気軽にご相談くださいね。








