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学習障害の診断テスト|6つの力で確かめる子どもの特徴チェックリスト

2026.10.15

学習障害の診断テスト|6つの力で確かめる子どもの特徴チェックリスト

音読でつっかえる、漢字を何度書いても覚えられない、指を使わないと計算が進まない。毎日の宿題で、お子さんも保護者の方も疲れてしまっているかもしれませんね。

結論からお伝えすると、学習障害かどうかは、①家庭で目安をつかむ、②担任の先生や地域の窓口に相談する、③必要に応じて医療機関で検査・診断を受ける、という流れで確かめていけます。

学習障害(限局性学習症)の医学的な診断は、家庭のテストではなく、医療機関で医師が行います。

一方、学校では診断の有無にかかわらず、学習の困りごとに応じた支援を相談できます。家庭でのチェックは、そうした相談のときの大きな助けになります。

この記事では、文部科学省が示す6つの力を参考にした独自のチェックリストと結果の見方、相談から受診までの流れをまとめました。どこでつまずいているのかが分かると、叱る場面が減り、お子さんに合った学び方を一緒に探せるようになりますよ。

目次

子どもの学習障害(LD)チェックリスト|家庭で確かめる目安(診断は医療機関で)

子どもの学習障害(LD)チェックリスト|家庭で確かめる目安(診断は医療機関で)

  • 文部科学省の6つの力を参考にした独自のチェックで、家庭でサインを確認
  • ネットの無料テストや50問チェックは判定ではなく、相談の材料
  • 印の数より、どの力に印が集まっているかを見る

子どもの学習障害チェックリストは、文部科学省が示す6つの力を参考に、家庭で気づけるサインを確かめる目安です。

文部科学省は教育の立場から、学習障害を聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するのうち、特定の力の習得と使用に著しい困難がある状態と定めています。

このチェックリストは、6つの力を参考に私たちが独自に作成したもので、医学的な診断や障害の判定を行うものではありません。困りごとの傾向をつかむ目安として、同じ年ごろの子と比べて目立つもの、続いているものに印をつけてみてくださいね。

どの項目も年齢や学習経験によって見られることがあり、当てはまるだけで学習障害を意味するわけではありません。学習障害の医学的な診断は、医療機関で医師が行います。

聞く・話す|聞き間違いが多い、順序立てて話せない?

  • 性格の問題と誤解されやすく、見過ごされがち
  • 似た音の聞き間違いや、続けて言われた指示を忘れるのがサイン
  • 出来事を順番に話せない、ことばが出てこないのも目安

聞く・話すのつまずきは読み書きほど目立たないため、性格の問題と誤解されて見過ごされやすい分野です。

「話を聞いていない」「説明が下手」と受け取られがちですが、ことばを聞き取ったり整理したりする段階に負担がかかっている場合もあるんです。

聞く

□ 「きって」と「きて」など、似た音のことばの聞き間違いが多い
□ 1対1なら聞き取れるのに、まわりが騒がしいと聞きもらしが増える
□ 「ランドセルを置いて、手を洗って」と続けて言われると、途中を忘れる
□ 聞いた話を、あとで家族に伝えるのが難しい

話す

□ 言いたいことがあるのに、ぴったりのことばが出てこない
□ 出来事を話すとき、順番が前後してしまう
□ 同じ年ごろの子と比べて、「あれ」「それ」が多い
□ 質問に対して、少しずれた答えを返すことがある

なお、聞く・話すだけに困りごとがある場合は、ことばの発達など別の特性が関係していることもあります。

指示を覚えておくのが苦手なら、ワーキングメモリが低い子の6つの特徴も参考にしてくださいね。

読む・書く|音読でつかえる、字を思い出せない?

  • 文字の学習が始まる小学校で気づかれやすい
  • 一文字ずつ拾う読み方や、似た文字の読み間違いがサイン
  • 字を覚えにくい、書き写しに時間がかかるのも目安

読む・書くのつまずきは、文字の学習が本格的に始まる小学校に入ってから気づかれやすくなります。

ひらがなは読めても、カタカナや漢字が増える学年で急に目立つこともありますね。

読む

□ 音読がたどたどしく、一文字ずつ拾うように読む
□ 行や文字を読み飛ばす、同じ行をもう一度読む
□ 「シ」と「ツ」など、形の似た文字を読み間違える
□ 読むととても疲れて、教科書を開くのを嫌がる

書く

□ ひらがなや漢字を、何度練習してもなかなか覚えられない
□ 黒板やプリントを書き写すのに、かなり時間がかかる
□ 小さい「っ」や「ゃ・ゅ・ょ」が抜けたり、位置がずれたりする
□ 口では説明できるのに、文章に書こうとすると手が止まる

書くことのつまずきへの取り組み方は、書字障害のトレーニング方法5選で紹介しています。

計算する・推論する|簡単な計算や文章題で手が止まる?

  • 算数の計算や文章題、図形の場面で表れやすい
  • 練習後も続く指での数え直しや、くり上がりのつまずきがサイン
  • 文章題で数の関係を整理できるかも確認する

計算する力と推論する力のつまずきは、算数の計算や文章題、図形の問題に表れやすくなります。

計算は数の感覚や手順に、推論は数量の関係や図形をとらえる場面につまずきが出やすいんです。

計算する

□ 同じ学年の子が身につけている計算でも、十分に練習したあとに毎回指や物で数え直さないと解けない
□ 「38」と「83」など、数の並びを取り違える
□ くり上がり・くり下がりを習って練習したあとも、毎回同じところでつまずく
□ 九九を唱えられても、問題の中で使えない

推論する

□ 算数の文章題で、数の関係を整理したり、習った計算方法を当てはめたりするのが難しい
□ 図形の形や向きをとらえるのが苦手
□ 長さや量の「だいたいどれくらい」の見当がつけにくい

無料の診断テストや50問チェックで学習障害だとわかる?

  • ネットのチェックは、傾向をつかむきっかけになる
  • 医師は発達の様子や検査結果を合わせて判断する
  • 結果は判定ではなく、相談の材料として使う

無料の診断テストや50問チェックでは、学習障害かどうかを判定することはできません。

サイトの診断テストやチェックは、手軽に困りごとの傾向をつかめるのが良いところですね。

判定ができないのは、医療機関の診断が点数だけでは決まらないからです。医師は発達の様子や学習状況、検査の結果を合わせて判断し、視力や聴力、学習の機会の不足など、ほかの理由で説明できないかも確かめます。

当てはまる項目が多くて不安になったかもしれませんが、それだけで学習障害と決まるわけではありません。反対に少なくても、特定の場面で強く困っているなら相談する価値があります。

結果は「判定」ではなく、相談のときに困りごとを伝える材料として使ってくださいね。

当てはまる項目が多かったら?結果の見方と、学習障害以外の理由の確かめ方

  • 印の数より、どの力に印が集まっているかを見る
  • 聞こえや見え方、前の学年の内容など、ほかの理由も確かめる
  • 気になる点は「相談メモ」にまとめて相談する

チェックの結果を見るときは、当てはまった数よりも、印がどの力に集まっているかに注目することが大切です。

たとえば、聞く・話すはほとんど当てはまらないのに、読む・書くだけに印が集まっているなら、その力に負担がかかっているのかもしれません。いくつかの力にまたがって印がつくこともあります。

印が集まった力は、口で答えるときとの差も見てみましょう。読んであげると答えられる、話せば分かっているのに書けない、という差は大切な手がかりです。工夫しても同じところで長くつまずいているか、宿題や学校生活で困っているかも振り返ってみてくださいね。

あわせて、学習障害以外の理由も確かめておきましょう。

・聞こえ:聞き返しが多いなら、耳鼻科で確認する
・見えにくさ:目を細めて見るなら、視力を確認する
・前の学年の内容:前の単元に戻ると解けるかを確かめる
・注意の向けにくさ:うっかりミスや集中の切れやすさが目立たないか
・学習の機会:休みや転校などで、習う機会が少なかったか

気になる点は、相談の前に準備したい「相談メモ」にまとめておくと相談がスムーズですよ。

学習障害の特徴|小学生・中学生で見られるサイン

学習障害の特徴|小学生・中学生で見られるサイン

  • 特定の学習の場面で、著しい困難が見られるのが特徴
  • 小学生は学年によってつまずきやすい場面が変わる
  • 中学生は英語や教科の増加で気づくことがある

学習障害の特徴は、特定の学習の場面で著しい困難が見られることで、学年によって目立つ場面が変わります。

どの場面でつまずいているかを具体的に見ると、お子さんの特性が見えてきますよ。

特定の学習に強い困難が出るのが特徴|得意と苦手の差が大きい子も

  • 読む・書く・計算するなど、特定の学習で著しい困難が見られる
  • 得意と苦手の差が大きい子も、複数の領域で困る子もいる
  • 「やればできる」と誤解されやすい
  • 学習面で困難を示す子は、通常の学級でもめずらしくない

学習障害の特徴のひとつは、読む・書く・計算するなど、特定の学習の場面で著しい困難が見られることです。

会話や実技は年齢相応にできるのに、音読や漢字の書き取りだけに強い苦手さが見られる子もいます。ただし、困難が複数の学習領域に及ぶ場合もあり、得意と苦手の差の大きさだけで判断することはできません。

全体的な知的発達に遅れがないため「やればできるのに」と見られやすく、叱られる経験が重なると、勉強そのものを嫌いになってしまうかもしれません。

文部科学省が2022年(令和4年)に公表した調査では、公立小・中学校の通常の学級で、学習面または行動面で著しい困難を示す児童生徒は推定8.8%、このうち学習面で著しい困難を示す児童生徒は6.5%でした。

これらは学級担任等の回答に基づく推定値で、医学的に学習障害と診断された割合ではありません。それでも、学びの困りごとを抱える子はめずらしくないんですね。

小学生の特徴|低学年はひらがなや数、高学年は漢字や文章題でつまずきやすい

  • 低学年は、ひらがなや数の基礎でつまずきが目立ちやすい
  • 中学年〜高学年は、漢字や考える学習が増えて表れやすい
  • 同じところでつまずき続けていないかを見る

小学生の学習障害の特徴は、低学年ではひらがなや数、高学年では漢字や文章題の場面で目立ちやすくなります。

低学年(1〜2年生)

□ ひらがなの音読カードに毎日長い時間がかかり、途中で泣いてしまう
□ 連絡帳を書き写せず、持ち物や宿題がわからなくなる
□ 時計の読み方やお金の数え方が、なかなか身につかない

低学年は個人差が大きいので、教え方を変えても同じところでつまずき続けていないかを見ることが大切です。

中学年〜高学年(3〜6年生)

□ 漢字の小テストのために練習しても、翌日には書けなくなっている
□ 板書を写すのが間に合わず、ノートが途中で終わっている
□ 文章題や作文など、考えて書く問題で手が止まる

漢字の覚えにくさは、漢字が覚えられない発達障害?でも解説しています。

中学生の特徴|英語や教科の増加をきっかけに気づくことも

  • 覚える量が増え、努力でカバーしていた困りごとが表れやすい
  • 英単語のつづりや英語の音読が極端に苦手なことがサイン
  • 成績の低下や登校のしぶりとして表れることもある

中学生の学習障害は、英語の学習や教科の増加をきっかけに、読み書きの困難が表面化して気づかれることがあります。

小学校では努力でカバーできていた困りごとが、覚える量の増加で限界を迎えることがあるんです。

□ 英単語のつづりが、何度書いても覚えられない
□ 英語の音読だけが、ほかの教科と比べて極端に苦手
□ 問題文を読むのに時間がかかり、テストを最後まで解き終わらない

思春期は「できない自分」を見せたくない時期でもあり、本人が言い出せないまま、成績の低下や登校のしぶりとして表れることもあります。

中学生でも、相談から受診までの流れは小学生と同じです。詳しくは、中学生の発達障害診断と支援の実態で紹介しています。

学習障害(LD)とは?3つのタイプと発達障害との関係

  • 医学の診断基準では「限局性学習症(SLD)」と呼ばれる
  • 困難のある領域を、読字・書字表出・算数の3つで整理する
  • 教育上のLDと医学的なSLDは、対象の範囲が少し違う

学習障害(LD)とは、基本的に全体的な知的発達に遅れはないものの、読む・書く・計算するなど特定の学習に著しい困難がある状態です。

LDは英語の「Learning Disabilities」の略です。医学的な診断基準であるDSM-5およびDSM-5-TRでは、「限局性学習症(SLD)」と呼ばれます。

限局性学習症は一つの診断名で、困難が見られる領域によって「読字」「書字表出」「算数」の3つに分けて特徴を整理します。学習障害の種類として「3つのタイプ」と紹介されることも多いですが、複数の領域に困難が見られる場合もあります。

・読字(読字障害・ディスレクシア):文字を読むことが難しい
・書字表出(書字表出障害・ディスグラフィア):文字や文章を書くことが難しい
・算数(算数障害・ディスカリキュリア):数の理解や計算、数学的な推論が難しい

このうち読字(ディスレクシア)の特徴や見え方は、「ディスレクシアの子どもの特徴」で詳しく解説しています。

文部科学省は、教育上の学習障害を聞く・話す・読む・書く・計算する・推論するという6つの力から捉えています。

一方、医学的な診断基準では主に読字・書字表出・算数の3領域に注目するため、教育上のLDと医学的なSLDは、対象の範囲が完全に一致するわけではありません。聞くことや話すことの困難には、ほかの発達上の特性が関係している場合もあります。

ADHDやASDとの違いは?重なって見られることも

  • LDは学習面、ADHDは行動面、ASDは対人面に特徴が出やすい
  • はっきり分かれず、重なって見られることもある
  • 行動面の様子も、相談のときに伝えておく

学習障害は発達障害のひとつで、ADHDやASDとは困りごとが表れやすい場面が異なります。

・学習障害(LD):特定の学習の場面で困難が出る
・ADHD(注意欠如・多動症):不注意、じっとしていられないなど、行動面に特徴が出る
・ASD(自閉スペクトラム症):人とのやりとりや、強いこだわりなどに特徴が出る

ただし、同時に見られることも少なくありません。ADHDの不注意があると、問題文の読み飛ばしや書き間違いが増えるため、家庭で見分けるのは難しいんです。

行動面の様子も、相談のときにあわせて伝えておきましょう。

学習障害の診断はどこで、どう受ける?小学生の相談から受診までの流れ

  • 担任や地域の窓口には、話すだけでも大丈夫
  • 相談の前に、チェック結果を「相談メモ」にまとめる
  • 診断は医療機関で受け、直接相談することもできる

学習障害の医学的な診断は医療機関で受けられ、担任や地域の窓口に相談してから受診する流れが一般的です。

①家庭でチェックして、つまずきの目安をつかむ
②担任の先生や地域の相談窓口に相談する
③必要に応じて、医療機関で検査・診断を受ける

学校への相談を経ずに、直接医療機関に相談することもできます。ここでは、身近な相談先から順番に見ていきましょう。

まずは担任の先生や地域の相談窓口に相談しよう

  • 診断を受けると決めていなくても、話すだけでいい
  • 校内のコーディネーターやカウンセラーにも相談できる
  • 学校外の教育相談センターなども利用できる

学習障害かもしれないと感じたときの最初の相談先は、学校での様子をよく知る担任の先生がおすすめです。

診断を受けると決めていなくても、まずは話すだけで大丈夫です。

学校には、特別支援教育コーディネーター(校内の支援の調整役)やスクールカウンセラーもいて、通級による指導(一部の時間に別の場で個別の指導を受ける仕組み)なども相談できます。

学校以外では、自治体の教育相談センターや、都道府県・政令指定都市にある発達障害者支援センターでも、診断の有無にかかわらず相談できます。

相談の前に準備したい「相談メモ」|チェック結果を伝わる形に

  • チェック結果は、5つの項目でまとめると伝わりやすい
  • 「いつから」「何を試したか」まで書いておく
  • ノートやテストなど、学習の様子がわかるものも持っていく

相談メモとは、家庭でのチェック結果と日ごろの様子を、相談先に伝わる形でまとめておくメモのことです。

相談の場では緊張して、伝えたいことを話しきれないこともありますよね。次の5つを書いておくと、短い時間でも状況が伝わりやすくなります。

①印が集まった力(例:読む・書く)
②具体的な場面(例:音読の宿題、漢字の小テスト)
③いつから・どのくらい続いているか
④家庭や学校で試した工夫と、その結果
⑤本人の様子や気持ち(宿題で泣く、学校に行きたがらないなど)

記入例は、たとえば次のような形です。

「〇年生の〇学期ごろから、音読の宿題に毎日〇分以上かかっています。読む行を指でなぞる工夫を〇週間続けましたが、読み飛ばしは減っていません。本人は音読カードを出すのを嫌がるようになりました。」

小さいころのことばの発達など気づいたことも書き添え、ノートやテスト、作文、プリントも持っていくと話が進めやすいですね。

診断を受けられるのは医療機関|何科を受診すればいい?

  • 主な受診先は児童精神科、小児科の発達外来、小児神経科
  • 予約の電話で、読み書きや計算の検査ができるかを確認する
  • 待つ間も、家庭や学校の工夫は始められる

学習障害の医学的な診断を受けられるのは医療機関で、子どもの場合は児童精神科や小児科の発達外来、小児神経科などが受診先です。

ただし、どの医療機関でも学習障害の検査や診断に対応しているわけではありません。学校や発達障害者支援センターで紹介してもらうと安心ですね。

読み書きや計算を習い始めて困りごとが見えてくるため、診断は小学校入学後が多いですね。

予約の電話では、読み書きや計算の検査ができるかと、費用や保険診療かどうかを確認しておきましょう。

初診まで数か月待つこともありますが、その間も家庭や学校での工夫は始められます(学習障害の子の勉強を支えるために親ができること)。中学生も、探し方は同じです。

医療機関で受ける検査の名前は?WISC-Vなどで調べること

  • 「診断テスト」という1つの検査があるわけではない
  • 問診と、必要に応じた検査を組み合わせる
  • 相談や受診のために6か月待つ必要はない

医療機関では「診断テスト」という1つの検査ではなく、問診と必要に応じた検査を組み合わせて総合的に判断します。

・問診:これまでの発達の様子や、家庭・学校での困りごとを聞き取る
・視力・聴力の確認:見え方や聞こえが原因でないかを確かめる
・知能検査(必要に応じて):WISC-Vや田中ビネー知能検査VIなどで、認知面の特徴や知的発達の状況を確認する
・認知・学習の検査:KABC-IIなどで、情報を処理する力と身につけた知識を比べる
・読み書きの検査:STRAW-R(改訂版標準読み書きスクリーニング検査)などで、音読や書き取りの速さ・正確さを調べる

WISC-Vは、言語理解やワーキングメモリ、処理速度などを数値で示すため、お子さんの得意・不得意を知る手がかりになります。なお、すべての子どもに知能検査が必要なわけではありません。

また、知能検査の結果だけで学習障害と診断されるわけではありません。

DSM-5の診断基準では、適切な学習支援を受けても困難が6か月以上続いていることなども確認されます。ただし、相談や受診を始めるために6か月待つ必要はなく、気になった段階で相談できます。

学習障害の原因は親のせい?育て方や遺伝との関係

  • 原因は育て方やしつけではなく、脳の働き方の特性
  • 遺伝が関係していても、誰かの責任ではない
  • 原因探しより、これからどう支えるかが大切

学習障害の原因は、親のしつけや育て方ではなく、脳の働き方の特性にあると考えられています。

「自分の育て方が悪かったのでは」と悩む保護者の方は少なくありません。文部科学省の定義でも、中枢神経系(脳や神経)に何らかの機能障害が推定され、環境的な要因が直接の原因ではないとされています。

たとえば、文字の形と音を結びつける処理に負担がかかると、読むことに時間がかかります。本人の努力不足でもないため、同じやり方の練習を増やすと、かえって追い詰めてしまうことがあるんです。

遺伝的な要因も関係するとされていますが、詳しい仕組みはまだ研究段階です。関係していたとしても、それは誰の責任でもありません。親自身が子どものころに苦労した経験は、むしろお子さんへの接し方の手がかりになります。

大切なのは原因探しより、これからどう支えるかです。次は、家庭や学校でできることを見ていきましょう。

学習障害の子の勉強を支えるために親ができること|家庭・学校での工夫と塾の選び方

  • 家では量を減らし、道具にも頼っていい
  • 学校には合理的配慮を相談できる
  • 塾や家庭教師は、特性をわかってくれるかで選ぶ

学習障害の子の勉強は、診断を受けるかどうかにかかわらず、家庭や学校での関わり方を変えることで支えられます。

少しの工夫で、お子さんの負担が軽くなることもありますよ。

家では量を減らして、読み上げなどの道具にも頼っていい

  • 取り組む量と時間を、本人に合わせて減らす
  • 「どこで止まっちゃった?」と声をかける
  • 読み上げなどの道具を使い、学校とも方法をそろえる

学習障害のある子は勉強に大きなエネルギーを使うため、家では一度に取り組む量と時間を減らすことが第一歩です。

□ 漢字の練習は、書く回数を減らして1回ずつ丁寧に書く
□ 計算ドリルは1ページ全部ではなく、たとえば5問ずつなど取り組みやすい量に区切る
□ 集中力や疲れやすさに合わせて、たとえば15分ごとに短い休憩をはさむ

できた問題には丸をつけ、小さな「できた」を積み重ねることが自信につながります。手が止まったときは「なんでできないの?」ではなく、「どこで止まっちゃった?」と聞いてみてくださいね。

苦手な部分を道具で支えるのも、眼鏡をかけて黒板を見るのと同じで自然なことです。

・読む:デジタル教科書などの音声読み上げを使う
・書く:キーボードや音声入力を使う、板書は写真で残す
・計算:九九の表や筆算の手順を、いつでも見られるようにしておく

1人1台の端末も活用し、効果を感じた道具は学校にも伝えて方法をそろえましょう。宿題を嫌がるときは、宿題をしない子は発達障害?も参考にしてください。

学校に「合理的配慮」を相談しよう|板書の撮影やテスト時間の延長など

  • 合理的配慮は、困りごとに合わせて学校が行う調整や工夫
  • 配慮の内容は、困りごとや学習の目的をふまえて学校と決める
  • 場面と困りごと、試してほしい工夫をセットで伝える
  • 診断書がなくても相談できる

合理的配慮とは、障害のある子どもが学びやすいように、学校が一人ひとりの困りごとに合わせて行う調整や工夫です。

□ 板書を写す代わりに、タブレットで撮影する
□ テストの時間を延長する、問題文を読み上げてもらう
□ プリントの文字を大きくする、ふりがなをつける

これらは一例で、実際の配慮は本人の困りごとや学習・試験の目的をふまえ、学校と相談して決めます。

お願いするときは、場面と困りごと、試してほしい工夫をセットで伝えるのがコツです。

たとえば「音読の宿題に毎日1時間以上かかり、本人がつらそうです。読む量を減らすか、読み上げを聞く形にできないでしょうか」という伝え方です。診断書がない段階でも、相談することはできます。

塾や家庭教師は「特性をわかってくれるか」で選ぼう

  • 個別指導や家庭教師が候補になる
  • 特性への理解や、つまずいた所まで戻る柔軟さを確認する
  • お子さんが話しやすいと感じられるかも大切

学習障害のある子の塾や家庭教師は、一人ひとりのペースに合わせて進められ、特性を理解してくれるかで選ぶのが基本です。

集団授業のペースが合わないこともあるので、個別指導や家庭教師が候補になります。次の4つを確認しておくと安心です。

・特性への理解:苦手さを「努力不足」と決めつけず、合った教え方を考えてくれるか
・進め方の柔軟さ:学年にこだわらず、つまずいたところまで戻って教えてくれるか
・料金と契約のわかりやすさ:料金や続け方を、事前にわかりやすく説明してくれるか
・相談のしやすさ:学校との連携や家庭での関わり方も相談できるか

お子さんが「話しやすい」と感じられるかも大切ですね。

私たちランナーでは、発達障害のお子さん向けのコースを設けていて、読む・書く・計算が困難なお子さんにも対応しています。

勉強が苦手なお子さんに特化して、これまで30,034人を指導してきました。つまずいたところまで戻りながら、その子に合ったやり方を一緒に探していきます。

発達障害コミュニケーション指導者の資格を持つスタッフも在籍しています。訪問とオンラインを切り替えられ、小学生・中学生は1コマ30分900円、LINEで24時間質問もできるので、受診を待つ間にも自宅で無理なく始められます。

詳しくは「発達障害の家庭教師サポート」をご覧ください。

学習障害の診断テストについてまとめ|気になったら一人で抱えず相談しよう

  • ・家庭のチェックやネットの診断テストは、困りごとを整理する目安
  • ・学習障害は親の育て方や本人の努力不足が原因ではない
  • ・気になったら担任や地域の窓口に相談し、必要に応じて医療機関へ
  • ・量を減らす、道具を使う、学校に配慮を相談するなどの工夫は今日からできる

学習障害の診断テストは家庭で判定するものではなく、困りごとを整理して相談につなげるための目安です。

まずはチェックリストで印をつけて、相談メモを1枚書くことから始めてみませんか。

学習障害は、親の育て方や本人の努力不足が原因ではありません。お子さんが「自分にもできる」と感じられる経験を、少しずつ増やしていきましょう。一人で抱え込まず、学校や専門家の力も借りてくださいね。

家庭での学び方に迷ったら、まずは90分の無料体験で、お子さんに合った勉強のやり方を一緒に考え、講師との相性を確かめるだけでも大丈夫です。無理な勧誘はしていません。

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