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発達検査の種類一覧|主な9検査の対象年齢と知能検査との違い
2026.10.15

保育園や健診、学校で「一度、発達検査を受けてみては」と言われ、検査の名前の多さに戸惑っている保護者の方は少なくありません。
結論からお伝えすると、発達検査は育ち全体を、知能検査は考える力を中心に見る検査です。
この記事では、子どもが受ける主な検査を一覧表で比べ、対象年齢やわかること、相談先までまとめました。
検査の特徴を知っておくと、結果の説明も落ち着いて受け止められ、お子さんの得意を活かした支え方を考えやすくなりますね。
目次
発達検査の種類一覧と内容をチェック

- 子どもが受ける主な9つの検査を一覧表で比較
- 幼児・小学生・中学生ごとに受ける検査の目安
- 新版K式・遠城寺式・KIDS・津守・稲毛式の特徴と注意点
発達検査とは、ことばや体の動き、人との関わり、生活習慣などの育ちの様子を、決まった課題や質問で確かめる検査です。
まずは一覧表で、主な検査の違いをざっくりつかんでみましょう。
一覧表で比較!主な検査の対象年齢・わかること・受ける場所
- 発達検査・知能検査・スクリーニング検査をまとめて比較
- 課題に取り組むタイプと保護者などが答えるタイプがある
- 実施している検査は機関ごとに違うため事前に確認
子どもが受ける主な発達検査や知能検査は、対象年齢ややり方、わかることが検査ごとに異なります。
| 検査名(種類) | 対象年齢 | やり方 | わかること | 主な受ける場所 |
|---|---|---|---|---|
| 新版K式発達検査2020(発達検査) | 0歳〜成人 | 子どもが積み木などの課題に取り組む | 3つの領域の発達年齢・発達指数 | 医療機関、療育機関、自治体の相談機関など |
| 遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法(発達検査) | 0歳〜4歳7か月 | 子どもの観察と保護者への聞き取り | 運動・社会性・言語の発達の凸凹 | 医療機関、療育機関、自治体の相談機関など |
| KIDS乳幼児発達スケール(発達検査) | 0歳1か月〜6歳11か月 | 保護者などが質問紙に○×で記入 | 6〜9つの領域の発達年齢・発達指数 | 医療機関、療育機関、自治体の相談機関など |
| 乳幼児精神発達診断法(津守・稲毛式)(発達検査) | 0〜3歳用、3〜7歳用 | 保護者などからの聞き取り(質問紙) | 5つの領域の発達年齢 | 医療機関、療育機関、自治体の相談機関など |
| DENVERⅡデンバー発達判定法(スクリーニング検査) | 0〜6歳 | 専門家が子どもの様子を確認して判定 | 発達の遅れの可能性を早めに確認 | 乳幼児健診、小児科など |
| 田中ビネー知能検査Ⅵ(知能検査) | 2歳〜成人 | 子どもが検査者と個別に課題に取り組む | 精神年齢、偏差知能指数(DIQ)など | 医療機関、療育機関、公的な相談機関など |
| WISC-Ⅴ(知能検査) | 5歳0か月〜16歳11か月 | 子どもが検査者と個別に課題に取り組む | 全検査IQと5つの主要指標 | 医療機関、療育機関、公的な相談機関など |
| 日本版KABC-Ⅱ(知能検査) | 2歳6か月〜18歳11か月 | 子どもが検査者と個別に課題に取り組む | 認知能力と基礎学力の習得度 | 医療機関、療育機関、公的な相談機関など |
| DN-CAS認知評価システム(認知検査) | 5歳0か月〜17歳11か月 | 子どもが検査者と課題に取り組む | 計画・注意・同時処理・継次処理の4つの力 | 医療機関、療育機関、公的な相談機関など |
※対象年齢は、各検査の発行元(新版K式発達検査2020:京都国際社会福祉センター、遠城寺式:慶應義塾大学出版会、KIDS:発達科学研究教育センター、津守・稲毛式:大日本図書、DENVERⅡ:医歯薬出版〈旧版:日本小児医事出版社〉、田中ビネー知能検査Ⅵ:田研出版、WISC-Ⅴ・DN-CAS:日本文化科学社、KABC-Ⅱ:丸善出版)などの情報をもとにしています。
※新版K式発達検査2020の対象年齢は、研究論文や自治体の資料の記載によるものです。遠城寺式の上限は、資料によって4歳8か月とされることもあります。
このほか、乳幼児向けの日本版Bayley-Ⅲ乳幼児発達検査や、幼児向けの知能検査WPPSI-Ⅲなどが使われることもあります。
表を見ると、発達検査は0歳から使えるものが多く、知能検査は2歳や5歳からが中心だとわかりますね。同じ発達検査でも、子どもが課題に取り組むタイプと、保護者などが普段の様子を答えるタイプがあります。
実施している検査は機関ごとに違うため、受けたい検査がある場合は事前に問い合わせておくと安心です。
何歳でどの検査を受ける?幼児・小学生・中学生の目安
- 0歳から使える発達検査があり、健診がきっかけになることも
- 5歳からWISC-ⅤやDN-CASも対象になる
- 中学生でも受けられる知能検査がある
- 年齢だけでなく、子どもの様子と目的で専門家が選ぶ
子どもの発達検査には、新版K式発達検査2020のように0歳から受けられるものがあります。
新版K式やKIDS、遠城寺式、津守・稲毛式は乳児期から対象です。1歳6か月児健診や3歳児健診で気になる点があると、専門の相談先を案内されることもあります。
幼児期には、発達検査に加えて、2歳から受けられる田中ビネー知能検査Ⅵや、2歳6か月からの日本版KABC-ⅡやWPPSI-Ⅲも選択肢に入ります。
5歳になると、WISC-ⅤやDN-CAS認知評価システムも対象年齢に入ります。小学生以降は、学習のつまずきや学校生活での困りごとをきっかけに、知能検査が選ばれることもあります。
中学生でも受けられる検査があり、WISC-Ⅴは16歳11か月、DN-CASは17歳11か月、KABC-Ⅱは18歳11か月までが対象です。田中ビネー知能検査Ⅵは成人まで受けられます。
ただ、年齢だけで受ける検査が決まるわけではなく、お子さんの様子と検査の目的を見て専門家が選んでいきます。
知的な発達の遅れがわかる時期については「知的障害はいつわかる?」で詳しく解説しています。
新版K式発達検査2020|遊びに近い課題で3つの領域を見る
- 2001年版を改訂した最新版で、0歳から成人まで対象
- 積み木などを使い、遊びに近い雰囲気で課題に取り組む
- 結果は領域ごとと全体の発達年齢・発達指数で示される
新版K式発達検査2020は、京都国際社会福祉センターが発行し、日本の発達相談で広く使われている発達検査です。
2001年版を改訂し、新しいデータで基準を作り直した最新版にあたります。
検査では、積み木や鉛筆など身近な道具を使った課題に、検査者と一緒に取り組みます。遊びに近い雰囲気で進むので、小さなお子さんでも取り組みやすいですね。
評価するのは「姿勢・運動」「認知・適応」「言語・社会」の3つの領域で、結果は領域ごとと全体の発達年齢・発達指数で示されます。
2001年版を使っている機関もあるため、どちらの版で受けたかを確認しておくと、結果を読み解きやすくなります。
遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法|短時間で発達の凸凹をグラフに
- 運動・社会性・言語の3分野にまたがる6つの機能を見る
- 観察と保護者への聞き取りで、短い時間で実施できる
- 結果は折れ線グラフで示され、数値は目安として見る
遠城寺式・乳幼児分析的発達検査法は、0歳から4歳7か月ごろまでの発達を確かめる検査です。
慶應義塾大学出版会から「九州大学小児科改訂新装版」が出ていて、乳幼児健診などで使われることもあります。
移動運動・手の運動・基本的習慣・対人関係・発語・言語理解の6つの機能を、運動・社会性・言語の3分野に分けて見ていきます。
検査者がお子さんの様子を観察しながら、保護者からも普段の様子を聞き取ります。比較的短い時間で終わるので、お子さんの負担も少なめです。
結果は折れ線グラフで表され、伸びている分野とゆっくりな分野がひと目でわかります。
聞き取りの部分は、保護者の方がどう受け止めているかで答えが変わることもあります。数値は「今の様子の目安」として見るとよいですね。
KIDS・津守・稲毛式|保護者などが普段の様子を答える発達検査
- どちらも子どもに課題を出さず、保護者などの回答で評価する
- KIDSは質問紙に○×で記入し、10〜15分ほどで終わる
- 津守・稲毛式は聞き取りや観察報告をもとに、5つの領域を見る
KIDS乳幼児発達スケールと津守・稲毛式は、保護者など子どもの普段の様子をよく知る人の回答をもとに評価する発達検査です。
子どもに課題を出さないため、検査の場で緊張しやすいお子さんでも、普段の姿をもとに評価できます。
KIDSは、公益財団法人発達科学研究教育センターが発行している検査です。保護者などが質問紙に○か×で答える形式で、回答は10〜15分ほどで終わります。
用紙は年齢別にタイプA・B・Cがあり、発達の遅れが見られるお子さん向けのタイプTもあります。用紙に応じて6〜9つの領域を見て、発達年齢・発達指数がわかります。
津守・稲毛式は「乳幼児精神発達診断法」として知られる検査で、大日本図書から出ています。保護者や保育者など、普段の様子をよく知る人からの聞き取りや観察報告をもとに、発達の状態を評価します。
質問紙は0〜3歳用(1〜12か月用、1〜3歳用)と3〜7歳用に分かれていて、「運動」「探索・操作」「社会」「生活習慣」「理解・言語」の5つの領域の結果を「発達輪郭表」にまとめます。
3〜7歳用は作られた年代が古く、今の暮らしと合わない質問もあるため、その点を踏まえて結果を読み取ることが大切です。
知能検査と発達検査の違いって?調べることや結果の出し方を比較

- 発達検査は育ち全体、知能検査は考える力を中心に調べる
- 結果は発達検査が発達年齢・発達指数(DQ)など、知能検査が知能指数(IQ)など
- どちらを受けるかは年齢と気になることで変わる
知能検査と発達検査の違いは、発達検査が育ち全体を、知能検査が考える力を中心に調べる点にあります。
調べること、結果の出し方、どちらを受けるかの3つに分けて見ていきましょう。
何を調べる?発達全体を見るか、考える力を見るか
- 発達検査は運動や生活習慣も含めた発達の全体を見る
- 知能検査は考える力や理解する力を細かく分けて見る
- 優劣ではなく、知りたいことで使い分ける
発達検査は、体の動きやことば、人との関わり、生活の力まで含めて、子どもの育ちを広く見る検査です。
一方の知能検査は、ことばや図形、記憶などの課題を通して、考える力の得意・苦手を詳しく確かめます。
| 比べるポイント | 発達検査 | 知能検査 |
|---|---|---|
| 主に調べること | 運動・ことば・社会性・生活習慣など発達の全体 | 考える力・理解する力などの認知の力 |
| 主な対象 | 乳幼児期が中心 | 学齢期の子どもが中心(2歳から使える検査もある) |
| 検査のやり方 | 課題・行動の観察・保護者などへの聞き取り | 子どもが検査者と個別に課題に取り組む |
| 代表的な結果の表し方 | 発達年齢(DA)・発達指数(DQ)など | 知能指数(IQ)・指標得点など |
| 代表的な検査 | 新版K式発達検査2020、KIDS乳幼児発達スケール、遠城寺式 | WISC-Ⅴ、田中ビネー知能検査Ⅵ |
どちらが優れているというものではなく、知りたいことで使い分ける検査です。
発達検査にも考える力を見る項目はありますが、知能検査はその部分をより細かく分けて調べます。
発達指数(DQ)の見方は?知能指数(IQ)との違い
- 発達指数は「発達年齢÷実際の年齢×100」で求める
- 100が年齢相応の発達の目安になる
- 結果の表し方やIQの出し方は検査によって異なる
- 数値は体調や慣れで変わり、再検査は間隔をあけて受ける
発達指数(DQ)は、発達年齢を実際の年齢(生活年齢)で割り、100をかけて求める数値です。
発達年齢(DA)とは、お子さんの発達が何歳ぐらいの段階にあたるかを表したものです。
たとえば4歳のお子さんの発達年齢が3歳なら、3÷4×100で発達指数は75になります。発達年齢と実際の年齢が同じなら100で、年齢相応の発達を示します。
ただし、発達検査の結果がすべてDQで示されるわけではありません。遠城寺式は発達年齢をもとにしたグラフ、DENVERⅡは発達の遅れの可能性の判定というように、表し方は検査によって違います。
知能指数(IQ)も、検査によって出し方が違います。田中ビネー知能検査Ⅵは、13歳11か月までは精神年齢とあわせて、同じ年齢の集団の中での位置を示す偏差知能指数(DIQ)を主な指標にしています。
WISC-Ⅴも、同じ年齢の子どもの平均を100として、どのくらい離れているかで結果を表します。
どちらの数値も、その日の体調や検査への慣れで変わることがあり、数字だけでお子さんの力を決めつけるものではありません。同じ検査を短い間隔で受け直すと慣れの影響が出やすいため、再検査の時期は検査をした機関と相談して決めます。
数値の受け止め方は「IQが低いとどうなる?」でも解説しています。
どちらを受ける?子どもの年齢や気になることで変わる
- 乳幼児期のことばや集団の悩みは、まず発達検査で見ることが多い
- 小学生以降の学習のつまずきは、知能検査で詳しく見ることもある
- 保護者が一人で決めず、専門家と一緒に考えてよい
発達検査と知能検査のどちらを受けるかは、子どもの年齢と気になっていることによって変わります。
乳幼児期にことばの遅れや集団での過ごし方が気になる場合は、まず発達検査で育ち全体を確かめることが多いです。
小学生以降に読み書きや計算のつまずきが気になる場合は、知能検査で考える力の得意・苦手を詳しく見ることがあります。2つを組み合わせる場合もあります。
どの検査を受けるかを、保護者の方が一人で決める必要はありません。気になる場面をメモしておき、相談先の専門家と一緒に考えると安心ですね。
子どもが受ける知能検査の種類と特徴
- 田中ビネー知能検査Ⅵは2歳から成人まで受けられる
- 日本版KABC-Ⅱは考える力と身についた学力を一緒に見る
- 小学校で勧められたときの考え方とDN-CASの特徴
子どもが受ける知能検査には、田中ビネー知能検査Ⅵ、日本版KABC-Ⅱ、WISC-Ⅴなどの種類があります。
ここでは田中ビネーⅥとKABC-Ⅱに加えて、小学校で勧められたときの考え方と認知検査のDN-CASを紹介し、WISCは次の見出しで取り上げます。
田中ビネー知能検査Ⅵは2歳から受けられる
- 2024年8月に発売された最新版で、2歳から成人まで対象
- 13歳11か月までは精神年齢と偏差知能指数(DIQ)が主な指標
- 以前のⅤを使っている機関もあるため、受けた版を確認
田中ビネー知能検査Ⅵは、田研出版から出ている知能検査で、2歳から成人まで受けられます。
2024年8月にⅤから改訂された最新版です。年齢ごとに並んだ問題に取り組み、どの年齢の問題までできたかで知的な発達の水準を確かめるしくみは、そのまま引き継がれています。
13歳11か月までは、知的な発達の水準を年齢に換算した「精神年齢」と、同じ年齢の集団の中での位置を示す「偏差知能指数(DIQ)」が主な指標になります。
ただし、精神年齢は心の成熟度や社会性のすべてを示すものではありません。
以前のⅤでは、13歳までは精神年齢をもとにしたIQ(比例IQ)を算出していました。Ⅴを使っている機関もあるため、どちらの版で受けたかを確認しておくと、結果を読み解きやすくなります。
対象年齢が広く、成長に合わせて同じ検査で変化を追いやすい点も魅力です。力を分野ごとに細かく比べたいときより、全体的な水準をつかみたいときに選ばれやすい検査といえます。
日本版KABC-Ⅱは考える力と身についた学力を一緒に見る
- 対象は2歳6か月から18歳11か月まで
- 「認知能力」と「基礎学力の習得度」の両方を測る
- 考える力と学力のバランスを知り、学習の支援を考える手がかりに
日本版KABC-Ⅱは、考える力(認知能力)と、読み書きや計算などの基礎学力の習得度を両方測れる検査です。
丸善出版から出ていて、2歳6か月から18歳11か月までが対象です。検査者と1対1で課題に取り組みます。
認知能力と基礎学力の習得状況をそれぞれ確認することで、考える力と身についている学力のバランスを把握し、学習の支援を考える手がかりになります。
ただし、学習のつまずきの原因を一つの検査だけで特定することはできません。WISC-Ⅴなどほかの検査や普段の様子と合わせて見ていきます。
以前の版のK-ABCで受けた記録がある場合は、どちらの版で受けたかを確認しておくと、結果を比べるときに読み解きやすくなります。
小学校で知能検査を勧められたら?小学生が受ける検査の選ばれ方
- 勧められても、すぐに何かが決まるわけではない
- 小学生ではWISC-Ⅴが多く、DN-CASなども使われる
- 結果を学校と共有する範囲は話し合いながら決めてよい
小学生が知能検査を勧められるのは、授業についていきにくい、読み書きに時間がかかるといった学習面の様子がきっかけになることがあります。
「何か問題があるのかな」と心配になるかもしれませんね。でも、勧められたからといってすぐに何かが決まるわけではなく、お子さんに合った学び方や配慮を考える材料になります。
小学生ではWISC-Ⅴが多く使われ、田中ビネー知能検査Ⅵや日本版KABC-Ⅱ、DN-CAS認知評価システムが選ばれることもあります。
DN-CASは5歳0か月から17歳11か月までが対象で、計画を立てる力や注意の向け方など、4つの認知の働きからお子さんの特徴を確かめる認知検査です。
結果を学校と共有する範囲や方法は、検査機関や学校によって異なります。担任の先生や相談窓口と話しながら、お子さんにとって必要な範囲を考えていくと安心ですね。
学校で受けられる支援の一つについては「通級指導教室はグレーゾーンでも通える?」で詳しく解説しています。
ウェクスラー式知能検査(WISC)とは|世界で広く使われる子どもの知能検査
- WISC-Ⅴは5歳0か月から16歳11か月までが対象
- 全検査IQと5つの主要指標から認知面の特徴を考える
- 幼児向けのWPPSI、大人向けのWAISもある
- 発達検査とは見ている力の範囲と受ける年齢が違う
ウェクスラー式知能検査は、アメリカの心理学者デビッド・ウェクスラーが開発した知能検査のシリーズです。
幼児向けのWPPSI(ウィプシ)、子ども向けのWISC(ウィスク)、大人向けのWAIS(ウェイス)があり、なかでもWISCは世界で広く使われています。ここでは日本で使われている第5版のWISC-Ⅴを紹介します。
WISC-Ⅴの指標や結果の見方は、「WISC-Vの結果の見方とWISC-IVとの違い」で詳しく解説しています。
WISC-Ⅴは何歳から?対象年齢とわかること
- 対象は5歳0か月から16歳11か月まで
- 全検査IQに加えて5つの主要指標がわかる
- 2026年7月に21検査版が発売。受けた版を確認しておく
- 16歳は大人向けのWAISと対象年齢が重なる
日本版WISC-Ⅴは日本文化科学社から出ている知能検査で、対象年齢は5歳0か月から16歳11か月までです。
検査者と1対1で、ことばの問題や積み木を使う問題、数字を覚える問題などに取り組みます。5つの主要指標をすべて出す場合、実施時間はおよそ65〜80分です。
結果は、全体の知的水準を表す「全検査IQ」と、「言語理解」「視空間」「流動性推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の5つの主要指標で示されます。
指標どうしを比べることで、ことばを使った理解や目で見た情報の処理など、お子さんの認知面の特徴を考える手がかりになります。たとえば「ことばで考える課題は得意でも、目で見た情報をすばやく処理する課題には時間がかかる」といった傾向が見えることがあります。
ただし、得点の差だけで得意・苦手を決めつけず、検査をした人の説明も踏まえて理解することが大切です。
処理速度だけが低かったときの考え方は「WISCで処理速度だけ低い」で詳しく解説しています。
2026年7月21日には、従来の16検査版に5つの関連下位検査を加えた「21検査版」が発売されました。追加された検査は必要に応じて詳しく評価するためのもので、すべてのお子さんが21の検査を受けるわけではありません。
以前の版のWISC-Ⅳを使っている機関もあるため、どの版で受けたかを確認しておくと、結果を読み解きやすくなりますね。
WISCが子ども向けなのに対し、大人向けのWAISは16歳から対象になるため、16歳は両方の対象年齢が重なります。
WISCと発達検査の違いは?見ている力と受ける年齢
- WISC-Ⅴは考える力や情報を処理する力に絞って調べる
- 幼児期に発達検査、小学校でWISC-Ⅴという流れもある
- 発達検査の結果があれば、あわせて伝えると共有しやすい
WISCと発達検査の違いは、発達検査が育ち全体を見るのに対し、WISCは考える力を細かく分けて調べる点です。
受ける年齢も違い、発達検査は0歳から、WISC-Ⅴは5歳0か月からが対象です。
そのため、幼児期に発達検査を受けたお子さんが、小学校に入ってから学習のつまずきをきっかけにWISC-Ⅴを勧められることもあります。
WISC-Ⅴだけでは、運動面や生活面の様子はわかりません。発達検査の結果があれば、あわせて伝えると全体像を共有しやすくなりますね。
発達検査・知能検査を受けたいときは?相談から結果の活かし方まで
- 相談先や受けられる場所は医療機関・公的機関・民間の3つ
- 費用・待ち時間と、当日の流れや準備
- 検査結果は診断名ではなく、家庭での学び方に活かせる
発達検査や知能検査を受けたいときは、まず保健センターやかかりつけの小児科など、身近な相談先に話すのがスムーズです。
受けられる場所や費用、当日の準備、結果の活かし方を順に見ていきましょう。
どこで受けられる?医療機関・自治体・民間の違い
- 医療機関では医師の診察とあわせて検査を受けられる
- 公的機関は相談窓口となり、検査をする機関につなぐこともある
- 民間は予約の取りやすさや費用、報告書の出し方を確認
発達検査や知能検査を受けられる場所は、医療機関、自治体などの公的機関、民間の機関の3つに大きく分けられます。
小児科や児童精神科、発達外来のある病院・クリニックでは、医師の診察とあわせて検査を受けられ、必要に応じて診断にもつながります。
公的機関では、保健センターや発達障害者支援センターなどが相談窓口となり、必要に応じて検査を行う医療機関や相談機関につないでくれる場合があります。児童相談所などで検査を行うこともありますが、対応は地域や施設によって異なります。
民間の療育機関や相談室でも、検査を受けられる場合があります。予約の取りやすさや費用、報告書の発行方法などは機関ごとに異なります。
医師がいない機関では診断は受けられないため、検査する人の資格や結果の説明方法も確かめておくと安心です。
一般的な流れは、相談、予約、保護者からの聞き取り、お子さんの検査、結果の説明という順番です。結果は「検査報告書」として受け取れることが多いですね。
費用や待ち時間はどれくらい?受ける前に確認したいこと
- 公的機関は無料または低い費用のことが多い
- 民間では数万円程度かかるケースもある
- 予約前に検査の種類・費用・報告書・結果説明の日程を確認
発達検査や知能検査の費用は、受ける場所や検査の種類、健康保険が使えるかどうかによって大きく変わります。
公的機関では無料または低い費用のことが多く、民間の機関では全額自費で数万円程度かかるケースもあります。報告書の発行に別料金がかかる機関もあります。
医療機関では予約が数か月先になることもあり、公的機関でも希望者が多い地域では時間がかかる場合があります。
予約の前に、検査の種類・費用・報告書の有無・結果説明の日程をまとめて確認しておくと安心ですね。
検査当日はどんな流れ?子どもへの伝え方と準備しておきたいこと
- 保護者からの聞き取りと、子どもが課題に取り組む時間が中心のことが多い
- 「先生といろいろな問題をするよ」と伝えると緊張しにくい
- 気になる場面のメモと母子手帳があると聞き取りがスムーズ
発達検査や知能検査の当日は、保護者からの聞き取りと、子どもが検査者と課題に取り組む時間が中心になることが多いです。
かかる時間は、保護者が質問に答える形式なら10〜15分ほどのものもあれば、知能検査のように1時間を超えるものもあります。保護者が同席できるかどうかは、機関やお子さんの年齢によって違います。
お子さんには「テスト」と身構えさせず、「先生といろいろな問題や遊びをするよ」「わからなくても大丈夫だよ」と伝えておくと、緊張がやわらぎやすいですね。
結果はその日の体調にも左右されるため、お昼寝の時間など眠くなりやすい時間帯はできるだけ避け、体調がすぐれない日は日程の変更を相談してみてください。
持ち物は機関の案内に沿って準備し、気になる場面のメモや母子手帳、園や学校での様子がわかるものがあると、聞き取りがスムーズに進みます。
検査結果は診断名ではない|得意と苦手を家庭での学び方に活かす
- 診断は医師が育ちの様子や検査結果を合わせて判断する
- 結果と普段の様子から、家庭での工夫を考える
- 数値は体調でも変わり、子どもの価値や将来を決めない
- わからない点や家庭での工夫は、検査をした専門家に聞く
発達検査や知能検査の結果だけで、お子さんに発達障害などの診断名が決まることはありません。
診断は、医師が生まれてからの育ちの様子や行動の観察、検査の結果などを合わせて総合的に判断します。検査はその材料の一つです。
ADHDと知能検査の結果の関係については「ADHDとIQ」で詳しく紹介しています。
検査の結果は、普段の様子とあわせて見ることで、お子さんの得意と苦手を知り、家庭での学び方を工夫する手がかりになります。
たとえば、検査結果と普段の様子から、ことばだけの説明より絵や図を添えたほうが理解しやすいと考えられる場合は、声かけを短くしたり、宿題の手順を図で示したりする工夫ができます。
一度にたくさん覚えておくのが苦手そうなら、やることを1つずつ紙に書いて見えるところに貼っておく、といった工夫もできますね。
結果の数値を見て、驚いたり不安になったりするのは自然なことです。数値はその日の体調や緊張でも変わるもので、お子さんの価値や将来を決めるものではありません。
わからない点は検査をした専門家に質問し、「家庭ではどんな工夫ができますか」と聞いておくと、次の一歩が見えやすくなります。園や学校と共有するかどうかも、納得したうえで決めていきましょう。
発達検査の種類についてまとめ
- ・発達検査は育ち全体、知能検査は考える力を中心に見る
- ・検査ごとに対象年齢ややり方、わかることが違う
- ・どの検査を受けるかは、専門家と一緒に考えればよい
- ・結果は診断名ではなく、家庭での学び方を考える手がかり
発達検査には新版K式や遠城寺式、KIDSなど多くの種類があり、対象年齢ややり方、わかることが検査ごとに異なります。
乳幼児期は発達検査、小学生・中学生では学習のつまずきをきっかけにWISC-Ⅴなどの知能検査を受けることもあります。どの検査を受けるかは、専門家と一緒に考えれば大丈夫です。
まずは、気になる場面を日付と一緒にメモしておくことから始めてみてくださいね。相談や検査の聞き取りで、そのまま役立ちます。
迷ったときは、保健センターやかかりつけの小児科などに相談してみましょう。検査の結果は、お子さんの得意を活かした学び方を考えるための手がかりです。
検査でわかった得意と苦手をもとに、家庭学習の進め方を一緒に考えてくれる相手がいると心強いですね。
勉強が苦手なお子さんを専門に、これまで30,034人を指導してきた私たちランナーには、発達障害コミュニケーション指導者も在籍しています。検査の予約を待っている間も、結果が出たあとも、お子さんの特性に合った学び方を一緒に考えていけます。
サポートの内容は「発達障害の家庭教師サポート」でご紹介しています。90分の無料体験ではお子さんに合った勉強のやり方をご提案し、無理な勧誘は一切ありませんので、気軽に試してみてくださいね。







