- 高
将来の夢がない大学選び|12問診断と文系理系別の後悔しない決め方
2026.09.15

将来の夢が浮かばないまま、志望学部を決める時期を迎えている方は少なくありません。
周りが志望校を語り始めるほど、自分だけ取り残されたように感じるかもしれませんね。
国立青少年教育振興機構の令和4年度調査では、将来希望する職業を「はっきり決めている」と答えた高校生は22.0%でした。「おおよそ決めている」32.6%を合わせても54.6%で、残る4割以上は職業像をはっきりとは決めていません。
つまり、夢が決まっていないことは、大学選びを始められない理由にはなりません。ただし、何となく学部を決めてしまうと、入学後に「思っていた学びと違った」というミスマッチにつながることもあります。
本記事では、後悔しにくい大学選びの4ステップ、12の質問でわかる診断、文系・理系別のおすすめ学部、志望理由書の書き方まで紹介します。
読み終える頃には、今日から動かせる次の一歩が見えてくるはずです。
目次
将来の夢がないのは自分だけ?大学選びの前に知っておきたい3つの事実

- 将来の職業を「はっきり決めている」高校生は22.0%にとどまる
- 大学は将来を決める場所ではなく、選択肢を広げるための場
- 学部名と就職先は一対一で対応せず、入学後にも選び直す道がある
大学選びを始める前に、知っておきたい事実が3つあります。
「将来の夢をはっきり決めていないのは自分だけではない」とわかると、心理的な焦りはかなり軽くなります。
加えて、大学という場所の役割と、学部と就職先の関係を整理しておくと、この先の判断基準が定まりやすくなりますね。
将来の職業がはっきり決まっている高校生は2割程度
- 国立青少年教育振興機構の令和4年度調査で「はっきり決めている」は22.0%
- 「おおよそ決めている」32.6%を合わせても54.6%にとどまる
- 「なりたい職業から逆算する」方法は夢が見えない人には合いにくい
国立青少年教育振興機構が令和4年度に実施した、高校生の進路と職業意識に関する調査を見てみましょう。
日本の高校生4,822人への調査で、将来希望する職業を「はっきり決めている」と回答したのは22.0%でした。5人に1人ほど、という割合です。
「おおよそ決めている」も32.6%で、両方を合わせても54.6%です。残る4割以上は、職業像をはっきりとは決めないまま進路選択に向き合っていることになります。
高校生の段階で将来の仕事を明確に決めきっている人は、実は多くありません。
志望学部を考えるタイミングで夢が定まっていなくても、珍しい状態ではありません。周囲が明確な目標を語っていても、焦って答えを作る必要はないのです。
進路指導では「将来なりたい職業から逆算する」考え方がよく紹介されます。ただ、この方法は職業がすでに見えている人向けの手順です。まだ見えていない人が使うと、最初の一歩で思考が止まってしまいます。
うまくいかないのは努力不足ではなく、手順が合っていないだけかもしれませんね。
大学は将来を決める場所ではなく選択肢を広げる場所
- 大学は専門を学びながら将来の選択肢を検討できる場でもある
- ゼミやインターンシップを通じて興味が見えてくることもある
- 入学時点で答えを出しきる必要はない
大学は「将来の職業をその場で決定する場所」だけではありません。
「専門を学びながら、将来の選択肢を検討できる場」だと捉えると、学部選びのハードルはぐっと下がります。授業やゼミ、サークル活動、アルバイト、インターンシップなど、経験の機会が一気に増えるからです。
こうした経験を通じて、自分の興味や得意分野が少しずつ見えてくることもあります。
高校の教室と自宅の往復で得られる情報は、どうしても限られています。大学では専門分野の研究者や、違う地域から来た同級生と日常的に話す機会が生まれます。
「大学に入ってから見つける」という順番も、十分に現実的な選択肢です。高校の段階で無理に一つの答えを出すより、今わかる情報を集めておくほうが現実的ですね。
学部と就職先は直結しない|入学後も就活でも選び直せる
- 学部名と卒業後の職種は一対一で対応するわけではない
- 大学によっては転部・転科や副専攻などの制度がある
- 就職活動を通じて業界や職種の方向性を具体化する学生もいる
学部選びが重く感じるのは、「ここで決めたら一生変えられない」と思ってしまうからではないでしょうか。
実際には、学部名と卒業後の職種は一対一で対応するわけではありません。とくに文系では、学部の名前から就職先が決まるわけではないのです。
経済学部から出版社へ、文学部から金融機関へ進む人もいます。学部は「出発点」であって、「終着点」ではありません。
入学後にも軌道修正の手段があります。大学によっては、転部・転科の制度や、他学部の授業を体系的に履修できる副専攻が用意されています。大学院で異なる専門領域へ進む人もいます。
1年次は幅広く学び、2年次に専攻を決めるカリキュラムを採用する大学もあります。
ただし、こうした制度の有無や条件は大学ごとに大きく異なります。気になる大学があれば、募集要項や公式サイトで確認しておきましょう。
そして大きな選び直しのタイミングになるのが、大学3年次ごろから本格化する就職活動です。
ここでインターンシップや業界研究を通じて、業界や職種の方向性を具体化していく学生もいます。高校生の時点で職業まで決めきっていなければならない、ということはありません。
もちろん、医師や薬剤師のように学部が資格に直結する分野は例外です。この点は後ほど整理します。
次の章では、今わかる情報の集め方を具体的なステップで見ていきます。
後悔しない大学選びはどう決める?意思決定の4ステップ

- ステップ1・2|好きなことと避けたいことの両方から方向性を探る
- ステップ3|「潰しが利く学部」という基準で選択肢を残す
- ステップ4|オープンキャンパスや資料請求で実際に確かめる
ここからは、夢が見えない状態から大学を選ぶ手順を4つのステップで解説します。
特別な準備は必要ありません。紙とペン、またはスマホのメモ機能があれば今日から始められます。
一つずつ順番に進めるだけで、選択肢は自然と絞り込まれていきます。
ステップ1|好きなこと・得意なことから興味の方向性を探ってみる
- 時間を忘れて取り組めることや得意科目がヒントになる
- 「なぜ好きなのか」を一段掘り下げると学問分野につながる
- この段階ではまだ学部を絞り込まなくてよい
最初のステップは、好きなことや得意なことを書き出すことです。
大きな夢である必要はありません。「時間を忘れて取り組めること」「なぜか点数が取れる教科」など、小さな手がかりで十分です。
大切なのは、そこから一段掘り下げることですね。たとえばゲームが好きなら、物語作りに惹かれているのか、システムの仕組みに惹かれているのかを考えてみましょう。物語なら文学系、仕組みなら情報系というように、興味は学問分野とつながっています。
得意科目から考える方法も有効です。高校の得意分野と大学の学びは同じではありませんが、基礎となる力は地続きだからです。
好きなことと得意なことを両方書き出すと、共通して浮かび上がるキーワードが見えてきます。
この段階ではまだ学部を絞る必要はなく、思いついたことをそのまま書き留めるだけで構いません。
ステップ2|苦手なこと・避けたいことから消去法で絞り込む
- 好きなことが浮かばないときは「避けたいこと」から考える
- 「これは苦にならない」も一緒に書き出すと方向性が見える
- 候補が減るだけでも不安はかなり軽くなる
好きなことが思い浮かばない場合は、逆から考える消去法が役立ちます。
「数学を長時間扱うのは苦痛」「人前で話す仕事は気が重い」など、苦手意識のある内容を挙げてみましょう。反対に「これは苦にならない」と思える作業も書き出すと、方向性がより見えやすくなります。
計算や暗記が苦手なら、それらを大きく扱う学部は候補から外しやすくなります。
文章を書くことや人と話すことが苦でなければ、社会学や心理学、経営学などが視野に入ります。「やりたいこと」がゼロでも、「これなら続けられそう」という感覚は立派な判断材料です。
消去法で候補が減ると、残った選択肢から選べばよいという安心感が生まれます。
両方が整理できたら、次はその情報をもとに絞り込んでいきましょう。
ステップ3|「潰しが利く学部」という基準で選択肢を残しておく
- 夢が決まっていないうちは、進路の幅が狭まりにくい学部を優先する
- 偏差値は判断材料の一つであり、唯一の基準ではない
- 資格必須の学部は、仕事内容まで調べてから決める
好きなことと避けたいことを整理したら、残った選択肢の中でも「将来の幅が狭まりにくい学部」を優先することをおすすめします。
夢が決まっていないということは、裏を返せばまだどの方向にも進めるということです。学部選びの段階で選択肢を狭めすぎないことが、この状態を活かすポイントになります。
なお、「潰しが利く」といっても、就職や進路が保証されるという意味ではありません。特定の職業だけに進路が限定されにくい、という程度に受け止めてください。
ここで、よく聞く「やりたいことがないなら偏差値の高い大学へ」という考え方も整理しておきましょう。
この助言は、判断基準がないときに一つの物差しをくれる点で無意味ではありません。ただ、この基準だけで決めると「学部の中身を見ないまま4年間を過ごす」という別の後悔につながることがあります。
私たちがおすすめしたい軸は、「今の成績から届く範囲で、卒業後の選択肢が狭まらない学部を選ぶ」というものです。
偏差値は、この軸の中の判断材料の一つに位置づけ直してみてください。届く範囲で選んでも、潰しが利く学部なら進路の幅は残せます。
背伸びした志望校設定でなければ将来が閉ざされる、ということはありません。
経済・法・情報系が進路の選択肢を考えやすいのはなぜか
経済学部や法学部、情報系学部などは、特定の職業だけを前提としないため、進路を一つに絞らずに検討しやすい分野です。
経済学や経営学で学ぶお金や組織の仕組みは、金融からメーカーまで幅広い業界に関わるテーマです。
法学部で学ぶ法律の知識や、論理的に整理する力を活用できる職種として、企業法務や公務員などがあります。情報系のプログラミングやデータ分析も、業界を問わず活用の場があるスキルです。
資格必須の学部を選ぶときに確認したいこと
一方で、医師のように特定の課程を修める必要がある職業もあります。資格必須の学部は、途中で方向転換しにくい点に注意が必要です。
「なんとなく安定していそうだから」という理由だけで選ぶと、入学後に進路を変えづらくなります。
資格系の学部を検討する際は、資格取得後の仕事内容や働き方まで調べておくと安心ですね。
ステップ4|オープンキャンパスや資料請求で実際に確かめてみる
- オープンキャンパスでは模擬授業や在学生の様子を確認できる
- 資料請求やシラバスでカリキュラムと卒業後の進路を比較できる
- 「4年間過ごせそうか」という感覚も大切な判断材料
候補となる分野がいくつかに絞れたら、最後は実際に確かめる段階です。
オープンキャンパスでは、模擬授業や在学生の様子、キャンパスの雰囲気など、資料だけではわからない情報を得られます。気になる大学が複数あるなら、比較のために複数校を訪れておきましょう。
資料請求も有効な手段で、カリキュラムや卒業後の進路、取得できる資格などを比較できます。
時間が取りにくい場合は、大学の公式サイトでシラバスを確認するだけでも参考になります。1年次から4年次までどんな授業を受けるのかを見ると、学びのイメージが具体的になりますね。
実際に確かめる工程を挟むだけで、入学後の「思っていたのと違った」を減らしやすくなります。
ここまでのステップを踏めば、夢が見えていない状態でも自分なりの根拠を持って大学を選べます。まずは次の章の12の質問で、自分の興味がどの方向に向いているかを確かめてみましょう。
【診断】12の質問でわかる|あなたの興味に近い学問分野は?
- 12の質問に当てはまる数を数えるだけの簡単なチェック
- A〜Dの4タイプ別に、関心の近い学問分野と学部を紹介
- 適性を判定するものではなく、あくまで出発点として使う
「好きなことを書き出してみたけれど、それがどの学部につながるのかわからない」という声はよくいただきます。
そこで、興味の方向性を4つのタイプに整理する診断を用意しました。当てはまるものを数えるだけなので、3分あれば終わります。
なお、これは心理検査や適性検査ではありません。学部を調べるきっかけを作るために、私たちが独自に用意したチェックとして活用してください。
12の質問|当てはまるものを数えてみましょう
- 「好きかどうか」ではなく「実際にどう行動しているか」で答える
- 迷ったときは直近1年の自分を思い出して判断する
- A〜Dの各グループに3問ずつ、当てはまった数を比べる
次の12項目のうち、当てはまるものにチェックを入れてみてください。
ポイントは、「好きだと思う」ではなく「実際にそうしている」で判断することです。理想の自分ではなく、直近1年ほどの実際の行動を思い出してみましょう。
- 1.人の話を聞いていると、その人がなぜそう考えるのかまで想像している
- 2.ニュースで社会の出来事を見ると、背景や原因を自分で調べたくなる
- 3.海外の文化や言語に触れているとき、時間を忘れていることがある
- 4.お店やアプリを使うとき、どうやって収益を出しているのかを考えてしまう
- 5.数字やデータを表やグラフに整理していると、気持ちが落ち着く
- 6.値段やランキングの差を見ると、何がその差を生んでいるのか知りたくなる
- 7.ルールや手順が曖昧なままだと、はっきりさせたくなる
- 8.誰かに何かを説明して、相手が理解してくれたときにうれしくなる
- 9.意見が割れている話題では、どちらの言い分にも筋が通っているか確かめたくなる
- 10.機械や道具の仕組みを分解して、中身を確かめたくなる
- 11.手を動かして何かを作っているとき、時間を忘れていることがある
- 12.実験や観察で、予想と違う結果が出たときのほうが面白いと感じる
1〜3がAタイプ、4〜6がBタイプ、7〜9がCタイプ、10〜12がDタイプで、それぞれ3問ずつです。
チェックが最も多く集まったグループが、現在の興味に近い方向です。同数だった場合は、両方のタイプの結果を読んでみてください。
診断結果|A〜Dタイプ別のおすすめ学問分野と学部
- 4タイプそれぞれに、関心の近い学部を2〜3つ紹介
- 気になる学部は、この記事の該当箇所へリンクで移動できる
- 複数のタイプに当てはまる場合は、両方を候補に残す
チェックが多かったグループの結果を確認してみましょう。
結果はあくまで「今の興味の向き」であり、適性を判定するものではありません。気になった学部があれば、リンクから詳しい説明へ移動できます。
A|人と社会に関心が向くタイプ
人の考え方や、社会の仕組みがどう成り立っているかに関心が向くタイプです。目に見えない価値観や文化を読み解くことに面白さを感じる傾向があります。
社会学や人文学、国際関係や語学の分野に関心を持ちやすいかもしれません。
社会学部・人文学部を詳しく見る/国際関係学部・外国語学部を詳しく見る
B|数字と仕組みに関心が向くタイプ
お金の流れやデータの背後にある構造を知りたくなるタイプです。物事を数量で捉えて、パターンを見つけることに関心を持ちやすい傾向があります。
経済学や経営学、情報学の分野が気になるかもしれません。
C|筋道とルールに関心が向くタイプ
物事の筋道を通すことや、人に伝えて理解してもらうことに関心が向くタイプです。曖昧な状態を言葉で整理することに関心を持ちやすい傾向があります。
法学や教育学の分野が気になるかもしれません。
D|手を動かすこと・実験に関心が向くタイプ
実際に手を動かして確かめることに関心が向くタイプです。予想と違う結果が出たときに、落胆よりも興味が勝つ傾向があります。
理学・工学、農学、建築の分野が気になるかもしれません。
理学部・工学部を詳しく見る/農学部を詳しく見る/建築学部を詳しく見る
診断結果は出発点|鵜呑みにしないための3つの注意点
- 検証された適性検査ではなく、候補を絞るための独自チェック
- 興味は高校3年間でも変わっていくもの
- 結果に出なかった学部を候補から外す必要はない
診断結果が出ると、それが自分の答えのように感じられることがあります。ただ、ここで一度立ち止まっておきたいポイントが3つあります。
1つ目は、このチェックは心理テストや適性検査のように検証された指標ではないということです。12問という限られた質問で、その人の可能性をすべて測れるわけではありません。
2つ目は、興味は変わるということです。
高校1年生のときと今とで、面白いと感じるものが変わっていませんか。同じように、大学に入ってからも興味は動きます。今の結果は「今の自分」を写した一枚だと考えてください。
3つ目は、結果に出なかった学部を候補から外す必要はない、ということです。
チェックの多かった方向を示しているだけで、他が向いていないという意味ではありません。気になる学部があるなら、タイプに関係なくシラバスを見に行ってみてくださいね。
ここからは、文系・理系それぞれのおすすめ学部を具体的に見ていきます。
【文系】将来の夢がない人におすすめの学部5選
- 経済学部・経営学部/法学部|どの業界にも関わる知識と考え方
- 社会学部・人文学部/国際関係学部・外国語学部|視点と語学という武器
- 教育学部|教員以外の進路にも活かせる学びの土台
ここからは、将来の夢が決まっていない文系の方に向けて、進路の幅が広がりやすい学部を5つ紹介します。
いずれも特定の職業だけに直結せず、卒業後の進路を一つに絞らずに検討しやすい分野です。
気になる学部があれば、そこから大学選びの候補を広げてみてください。
経済学部・経営学部|数字と組織の基礎はどんな業界でも活かしやすい
- お金の流れや企業活動の仕組みを学べる
- 金融・商社・メーカーなど幅広い業界に関わる知識
- 特定の資格取得を前提としないため進路を絞らずに検討できる
経済学部・経営学部では、社会全体のお金の流れや企業活動の仕組みを学びます。
ここで扱う内容は、金融機関や商社、メーカー、コンサルティングなど、業界を問わず関わりのあるテーマです。ゼミで実際の企業を分析するなど、実務に近い演習を用意している大学も多くあります。
特定の資格取得を前提としないため、卒業後の進路を幅広く検討できる点が特徴です。
経済学部は社会全体のお金の流れ、経営学部は企業組織の運営に重点を置く傾向があります。シラバスで両方の授業を比較すると、自分に合うほうをイメージしやすくなりますね。
法学部|論理的思考力は資格がなくても武器になりやすい
- 憲法・民法・刑法など社会のルールを体系的に学ぶ
- 法律の知識や論理的に整理する力を活用できる職種がある
- 判例を読み解く授業で「答えが一つでない問題」に慣れられる
法学部では、憲法や民法、刑法などの法律や、社会のルールについて体系的に学びます。
弁護士や公務員などの専門職を目指す人だけの学部ではありません。論理的に考え、根拠をもとに説明する力を養いたい人にも向いています。
この力は資格がなくても、企業の法務や交渉、企画の場面で活用できます。
企業法務や公務員、金融機関、不動産など、法律の知識が土台として役立つ職種は幅広く存在します。なお、公務員になるには採用試験を受ける必要があります。
判例の読み解きを通じて「答えが一つに決まらない問題を筋道立てて考える」経験を積めるため、進路を一つに絞りたくない人には有力な候補になりますね。
社会学部・人文学部|人と社会を読み解く視点はどこでも活きやすい
- 社会問題や文化、歴史、心理など幅広いテーマを扱う
- マーケティングや広報など人と関わる仕事で活かせる視点
- 好きな分野を突き詰めたい人にも向いている
社会学部・人文学部では、社会問題や文化、歴史、心理など、人と社会に関わるテーマを幅広く学びます。
特定の業界に直結する知識というより、「物事を読み解く視点」を養う学問です。この視点は、マーケティングや広報、教育、メディアなど、人や社会と関わる仕事で活かせます。
一つのスキルを極めるというより、「視点の広さ」を育てる点が特徴です。
人文学部では歴史や哲学、言語学など人間の文化そのものを深く探究します。出版や教育、一般企業の企画職など、進路は決して狭くありません。
興味のある社会問題やジャンルが少しでもあれば、そこから学部選びのヒントが見つかります。
国際関係学部・外国語学部|語学力は業界を選ばないスキルになりやすい
- 世界の政治・経済・文化を学びながら語学力を磨く
- 語学力は履歴書に示しやすく、多くの仕事で活用できる
- 商社・航空・観光・メーカーの海外部門など進路は多岐にわたる
国際関係学部・外国語学部では、世界の政治や経済、文化を横断的に学びながら語学力を磨きます。
語学力はスキルとして履歴書に示しやすく、多くの仕事で活用できる強みになります。
商社や航空、観光業界、メーカーの海外部門など、語学力を活かせる進路は多岐にわたります。今の英語の成績に自信がなくても、大学の授業を通じて伸ばしていけます。
なお、国際機関の専門職を目指す場合は、語学力だけでなく専門性や学位、実務経験が求められるのが一般的です。外務省のJPO派遣制度でも、修士号と一定年数の職務経験などが応募要件とされています。
国際関係学部は政治学や経済学の視点も取り入れ、外国語学部は特定の言語を専門的に学びます。扱う言語は大学によって大きく異なるので、気になる大学があれば比較してみるとよいですね。
教育学部|教員以外の進路にも活かせる学びの土台になる
- 教職課程で所定の学位と必要単位を修め、申請することで教員免許状を取得できる
- 塾講師や企業の人事・研修など教員以外の進路も幅広い
- 資格の選択肢を持ちながら進路の幅も残せる
教育学部には、教員免許状を取得できる教職課程が置かれています。
免許状は卒業と同時に自動で得られるものではありません。所定の学位と必要単位を修得したうえで、都道府県の教育委員会に申請する必要があります。
一種免許状の場合は、原則として学士の学位が必要です。
また、教育学部を選んだからといって、必ず教員にならなければいけないわけでもありません。教育について学んだ経験は、塾や予備校の講師、出版社、一般企業の人事・研修部門などでも活かせます。
教員免許状という資格の選択肢を持てることは、大学選びにおける一つの安心材料になります。
ただし、免許状を持っていることと、教員として採用されることは別です。教員を目指す場合は、採用試験についても調べておきましょう。
続いて、理系のおすすめ学部も確認しておきましょう。
【理系】将来の夢がない人におすすめの学部5選
- 情報学部/理学部・工学部|スキルと専門性を活かせる進路がある
- 農学部/建築学部|社会的な重要性が高い分野と学際的な学び
- 医学部医学科・6年制薬学課程|国家試験受験資格につながる
続いて、理系で将来の夢がまだ決まっていない方に向けて、進路の幅を残しやすい学部を5つ紹介します。
卒業時点で身につくスキルを軸に選ぶと、就職活動でも説明しやすくなります。
気になる分野があれば、オープンキャンパスで研究室の様子まで確認してみてください。
情報学部|身につけたスキルが業界を問わない武器になりやすい
- プログラミングやデータ分析などデジタル技術を学ぶ
- デジタル人材は幅広い業界で必要とされている
- 学科によって数学や統計の比重が大きく異なる
情報学部では、プログラミングやデータ分析、AIの基礎など、社会のデジタル化を支える技術を学びます。
需要はIT業界だけにとどまりません。情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2025」では、DXを推進する人材が不足していると答えた日本企業が8割を超えています。
実務につながりやすい基礎スキルを学べる点が、情報学部の特徴です。
「何をしたいかわからないが、手に職をつけたい」という人には検討しやすい分野といえます。ただし、情報系は学科によって数学や統計、離散数学などの比重がかなり異なります。入試科目とシラバスの両方を確認しておきましょう。
作ったものを成果として見せられるため、就職活動で学びを説明しやすいという面もありますね。
理学部・工学部|研究職やものづくりの現場で専門性を活かせる
- 理学部は自然科学の探求、工学部は応用してものづくりへ
- 研究職や技術職として知識を活かせる進路がある
- 学科によって実習・研究室の負担に差がある
理学部は自然科学の「なぜ」を探求する学問で、工学部はその知識を応用してものづくりにつなげる学問です。
どちらも専門性が高く、研究職や技術職として知識を活かせる進路が用意されています。
自動車や電機、化学など、ものづくり産業を支える分野への就職実績を持つ大学も多くあります。学んだ内容と仕事が結びつきやすいため、将来の見通しを立てやすい学部でもあります。
ただし、実習や研究室の負担は学科や研究室によって差があります。卒業研究では研究室で過ごす時間が長くなる場合もあるため、生活スタイルとの相性も確認しておきたいポイントですね。
1年次は理学部・工学部の枠を超えて幅広く学べるカリキュラムを持つ大学もあり、進路を決めきれていない場合の選択肢になります。
農学部|食・環境・生命という社会的な重要性が高い分野を学べる
- バイオテクノロジーや環境問題など幅広い分野を扱う
- 食品・化粧品・製薬・環境コンサルタントなど進路は多彩
- 学科によって扱うテーマが大きく異なる
農学部と聞くと農業のイメージが強いかもしれませんが、実際にはバイオテクノロジーや環境問題など幅広い分野を扱います。
食品や化粧品、製薬会社、環境コンサルタント、公務員の農林水産職など、卒業後の進路は多彩です。食・環境・生命は社会的な重要性が高く、食品、環境、バイオなど多様な領域につながる分野です。
実験や調査など、フィールドワークに近い学びに興味がある人にも向いています。
注意したいのは、農学部の中でも学科によって扱うテーマが大きく異なる点です。食品科学、環境科学、応用生命科学など、名前が近くても学ぶ内容はかなり違います。
パンフレットやシラバスで、興味に近い学科から調べてみてくださいね。
建築学部|論理と創造性を両方活かせる学問
- 理系の知識と創造性やデザインの発想を両方使う
- 意匠設計・構造設計・都市計画など活躍の場が幅広い
- 設計課題や製図に多くの時間を要するカリキュラムもある
建築学部は、数学や物理といった理系の知識を土台にしながら、デザインセンスや発想力も求められる学際的な分野です。
論理的な構造計算と、創造的な空間デザインの両方を扱う点が建築学部の特徴です。
意匠設計や構造設計、都市計画、不動産開発など、卒業後の活躍の場も幅広く用意されています。インテリアや家具のデザインなど、建築以外の分野で知識を活かす卒業生もいます。
一方で、設計課題や製図に多くの時間を要するカリキュラムもあります。オープンキャンパスで製図室や学生の作品展示を見学すると、学びのイメージがつかみやすくなりますね。
医学部・6年制薬学課程|資格と職業の結びつきが強い
- 医学部医学科と6年制薬学課程は国家試験受験資格につながる
- 資格と職業の結びつきが非常に強い分野
- 入学難易度が高く、長期にわたる学習への準備が必要
医学部医学科は医師、6年制の薬学課程は薬剤師の国家試験受験資格につながる課程です。
資格と職業の結びつきが非常に強いという点で、他の学部とは性質が大きく異なります。人の命や健康に関わる仕事のため、強い責任感と長期にわたる学習が求められます。
医学部医学科は入学難易度が高く、6年制薬学課程も進学後は長期にわたる学習への準備が必要です。
ただし、この分野は途中で方向転換しにくい点も理解しておきたいところです。興味が薄いまま進学すると、6年間の学習を続けること自体が負担になる場合があります。
なお、資格を取得した後に研究職や行政、企業へ進む人もいます。資格取得後の働き方は事前によく調べ、実際に医療現場で働く人の話を聞いてみるのも参考になりますね。
学部の候補が見えてきたところで、次は選び方そのものの落とし穴を確認しておきましょう。
大学選びで後悔しないために避けたいNG行動4つ
- 偏差値や大学名だけ、親や先生の意見だけで決めてしまう
- 友達と同じ大学だからという理由で選んでしまう
- 条件だけを見て自分の直感を無視してしまう
ここからは、将来の夢が決まっていない状態で陥りやすい、大学選びのNG行動を4つ紹介します。
どれも判断材料が少ないときに起きやすい選び方で、本人の努力不足が原因ではありません。
当てはまっていないか、一つずつ振り返ってみましょう。
偏差値や大学名だけで決めてしまう
- 偏差値は入試難易度の目安であり、学べる内容を示すものではない
- 大学名だけで学部まで決めると入学後に戸惑いやすい
- 「届く範囲で選択肢が狭まらない学部」を軸に据える
「やりたいことがないなら、とりあえず偏差値の高い大学へ」という考え方は、一見合理的に見えます。
ただし、偏差値はあくまで入試難易度の目安であり、学べる内容そのものを示すものではありません。大学名だけを頼りに学部まで決めてしまうと、興味のない授業を4年間受け続けることになりかねません。
偏差値を最上位の基準から判断材料の一つに位置づけ直すだけで、選び方はぐっと現実的になります。
「その大学で具体的に何が学べるか」まで確認する一手間が、後悔を防いでくれますね。
親や先生の意見だけで決めてしまう
- 大人の価値観と本人の価値観は必ずしも一致しない
- 「なぜ勧められたのか」を理解したうえで判断する
- アドバイスは参考にしつつ決定権は自分に置く
進路指導や家庭でのアドバイスは参考になりますが、それだけを頼りに大学を決めてしまうのもリスクがあります。
他人の意見だけで進路を決めると、大学生活がうまくいかなかったときに後悔が残りやすくなります。
親や先生が勧める学部には、何らかの理由があります。「安定しているから」「今の成績なら届くから」など、その理由を聞いてみてください。
理由を理解したうえで選べば、他人の意見に従ったのではなく、自分で判断したことになります。意見が分かれる場合は、両方の理由を紙に書き出して比べてみるとよいですね。
友達と同じ大学だからという理由で選んでしまう
- 友達に合う大学が自分に合うとは限らない
- 進路が分かれても続く友人関係は多い
- 一度、友達の存在を抜きにして希望を書き出してみる
「友達と同じ大学に行きたい」という気持ちは自然なものですが、これだけを理由に決めるのは注意が必要です。
仲の良い友達に合う大学が、自分にも合うとは限りません。
友達に明確な目標があってその大学を選んでいる場合、同じ道を進むと入学後に目的を見失いやすくなります。
進路が分かれることへの不安から、周囲に合わせたくなる気持ちは誰にでもあります。それでも、進学先が別々になっても続く友人関係は多くあります。
一度、友達の存在を抜きにして自分の希望を書き出してみると、本当の優先順位が見えてきますよ。
条件だけを見て自分の直感を無視してしまう
- キャンパスで感じた違和感は軽視しないほうがよいシグナル
- 違和感の背景に、まだ言語化できていない要因がある場合もある
- 条件と直感の両方が納得できる大学を選ぶ
条件面では申し分ないのに、実際にキャンパスを訪れたとき「何か違う」と感じた経験はないでしょうか。
こうした違和感は、軽視しないほうがよいシグナルです。
違和感の背景には、立地や雰囲気、通学のしやすさ、学生生活のイメージなど、まだ自分でも言語化できていない要因がある場合があります。
条件と直感、どちらか一方ではなく、両方が納得できる大学を選ぶのが理想です。
オープンキャンパスに足を運び、数字だけではわからない空気感を確かめておきましょう。次は、総合型選抜や学校推薦型選抜で必要になる志望理由書の書き方を見ていきます。
志望理由書に将来の夢がない場合はどう書けばいい?
- 具体的な職業名がなくても志望理由書は書ける
- 原体験と問題意識から書き出す方法を紹介
- 大学で学びたいことと将来像へのつなげ方
総合型選抜や学校推薦型選抜では、志望理由書の作成に悩む人が多く見られます。
将来の夢が決まっていなくても、志望理由書を書くこと自体は十分に可能です。
ここでは、具体的な職業名がなくても書ける志望理由書の考え方を整理します。
具体的な職業名がなくても志望理由は書ける
- 重要なのは学びたい内容と、その背景にある問題意識
- 大学の授業や教育制度と関連づけると説得力が増す
- 設問や書式は必ず各大学の募集要項で確認する
志望理由書というと「将来〇〇になりたいので」という書き出しをイメージしがちですが、それが必須とは限りません。
そもそも推薦入試の仕組みを整理しておきたい方は、「学校推薦型選抜で落ちる確率は?」もあわせて確認してみてください。
重要なのは、大学で学びたい内容と、その背景にある問題意識を具体的に説明することです。
「人の役に立ちたい」「有名だから」といった理由だけでは、その大学固有の志望理由になりにくいという課題があります。一方で、大学の授業や教員、教育制度と関連づけて説明できると、伝わりやすい文章になります。
ただし、設問や書式は大学によって異なります。必ず各大学の募集要項と設問に沿って書いてください。
志望理由書は「将来の夢の宣言」ではなく、「なぜこの大学のこの学部で学びたいのか」を説明する文章だと捉えると書きやすくなりますね。
原体験と問題意識から書き出してみる
- 志望理由書は原体験・問題意識・大学での学び・将来像の4要素で組む
- 原体験は日常の中の小さな出来事で構わない
- 問題意識は「問い」の形にすると言葉にしやすい
志望理由書の骨格は、原体験、問題意識、大学での学び、将来像という4つの要素で整理できます。
まずは最初の2つ、原体験と問題意識の見つけ方から確認していきましょう。
この2つが明確になると、志望理由書全体に一貫性が生まれます。
原体験の見つけ方
原体験とは、その分野に関心を持つきっかけになった具体的な出来事のことです。
授業や部活動、ニュース、家族との会話など、日常の中にヒントが隠れています。「なぜその出来事が印象に残ったのか」を掘り下げると、関心の背景が見えてきます。
問題意識を言葉にするコツ
問題意識とは、原体験から感じた疑問や社会課題のことです。
「なぜこうなっているのか」「もっとよくする方法はないか」といった問いの形にすると言葉にしやすくなります。大きな社会課題でなくても、身近な違和感から出発して構いません。
大学で学びたいことと将来像につなげる
- 志望学部のシラバスから問題意識に関連する授業を探す
- 将来像は特定の職業名にこだわらなくてよい
- 書いたら第三者に読んでもらい、論理のつながりを確認する
原体験と問題意識が整理できたら、次は大学で学びたいことと将来像につなげていきます。
志望学部のシラバスを確認し、自分の問題意識と関連する授業やゼミを探してみましょう。「この授業でこの課題について学びたい」と具体的に書けると、大学固有の志望理由として伝わりやすくなります。
将来像についても、特定の職業名にこだわる必要はありません。
「学んだ知識を活かして、この課題に関われる立場で働きたい」といった方向性を示す書き方もあります。
一度書いたら、先生や信頼できる大人に読んでもらい、論理のつながりを確認してもらうのもおすすめです。
なお、学校推薦型選抜では調査書が重要な選考資料になります。大学・学部によっては「学習成績の状況」、いわゆる評定平均に一定の出願基準を設けている場合もあります。
基準の有無や数値は募集要項で必ず確認してください。自分の数値の計算方法がわからない方は「評定平均の出し方は?」も参考になります。
ここまで大学選びの手順を見てきましたが、「そもそも勉強に手がつかない」という方もいるかもしれません。次はその話をします。
「夢がない」と「勉強のやる気が出ない」が重なっているときは
- 目標が見えないことが、やる気の低下につながる場合がある
- 進路が決まらなくても成績を落とさない3つの工夫
- 学校・塾・家庭教師それぞれの相談先の特徴
「夢がないから勉強する意味がわからない」という声は、私たちがご相談を受ける中でもよくいただきます。
知恵袋のような質問サイトでも、同じ悩みを打ち明けている高校生をたくさん見かけますね。
この2つの悩みは、つながっている場合があります。ここでは、進路が定まらない状態でも学習を止めずに済む方法を整理します。
目標が見えないと勉強のやる気が下がるのは自然なこと
- やる気が出ないのは意志の弱さだけが原因ではない
- 目標が見えないことは、意欲が下がる一因になりうる
- やる気の低下には睡眠や体調など別の要因も関わる
まずお伝えしたいのは、やる気が出ないのは意志が弱いからだとは限らない、ということです。
何のためにやっているのかがわからない作業は、誰にとっても続けにくいものです。目的地を知らされないまま長距離を走るようなもので、途中で足が止まるのは無理のない反応かもしれません。
目標が見えないことは、勉強への意欲が下がる一因になることがあります。
私たちがご相談を受ける中でよくあるのは、こんなケースです。
志望学部が決まらず、模試の判定を見ても他人事のように感じてしまいます。机に向かっても集中が続かず、そんな自分を責めてさらに気が重くなってしまうのですね。
ところが、この記事の前半で紹介した「好きなこと」「避けたいこと」の書き出しをして候補が2つか3つに絞れると、状況が変わることがあります。
「この学部を目指すなら、この科目の点数が要る」とわかった瞬間に、勉強が自分の話になるからです。実際に、机に向かう時間が自然と戻ってきたという方もいらっしゃいます。
ただし、やる気が下がる背景には、睡眠不足や体調、ストレス、学校での人間関係など、進路以外の要因が関わっていることもあります。
生活リズムや勉強のやり方など今日から変えられる点については、「勉強のやる気が出ない時」で整理していますので、あわせて確認してみてください。
進路が決まらなくても成績を落とさないための3つの工夫
- 志望校を「仮決め」して目標を具体化する
- 模試の判定ではなく前回の自分と比べる
- 1日の最低ラインを決めて、ゼロの日を作らない
進路が固まるまで待っていると、その間に成績が下がり、いざ決まったときに選択肢が減っていた、ということが起こります。
そこで、進路が決まらない期間でも学習を維持する工夫を3つ紹介します。
1つ目は、志望校を「仮決め」することです。
本命でなくて構いません。この記事の診断結果や学部紹介から、今いちばん気になる大学を1つ選び、名前を書いて机の前に貼ってみてください。仮の目標でも、具体化しておくと学習計画を立てやすくなります。
仮決めなので、あとで変えて構いません。変えることを前提にしたほうが、気軽に決められますね。
2つ目は、模試の判定ではなく前回の自分と比べることです。
志望校が定まっていない時期に判定を見ても、落ち込む材料にしかならないことがあります。それよりも「前回より英語の長文が1問多く解けた」といった変化に目を向けるほうが、次に向かう力になります。
3つ目は、1日の最低ラインを決めることです。
「単語を10個だけ」「数学を1問だけ」など、疲れている日でも必ず達成できる量に設定します。ゼロの日を作らないことが目的なので、量は少ないほど続きます。
この3つは、どれも今日から始められます。進路が見えない期間を、ただ止まって待つ時間にしなくて済むはずです。
一人で抱えきれないときの相談先の選び方
- 学校の先生は出願実務と校内の情報に強い
- 塾や予備校は受験対策のノウハウに強い
- 家庭教師は進路と学習を一緒に個別で見てもらいやすい
進路と学習の両方を一人で抱えるのが難しいときは、誰かに相談するのが近道です。
相談先にはそれぞれ得意な領域があるので、整理しておきましょう。
学校の先生は、出願の実務や校内の推薦枠、過去の先輩の進路といった情報に強い相談先です。三者面談や進路希望調査のタイミングで、遠慮なく「まだ決まっていない」と伝えてみてください。
塾や予備校は、受験対策のノウハウが蓄積されています。同じ志望校を目指す仲間がいることで、刺激を受けやすい環境でもありますね。
家庭教師は、進路の話と目の前の勉強の話を、同じ人に個別で相談できる点が特徴です。
塾や予備校との違いや選び方は「大学受験の家庭教師」で比較していますので、相談先を検討する際の参考にしてみてください。
私たち家庭教師のランナーも、勉強が苦手なお子さんを中心に、これまで30,034人の指導に携わってきました。
その中には「志望校が決まらないまま高3になってしまった」という方も多くいらっしゃいます。大切なのは、どの相談先を選ぶかよりも、一人で抱え込まないことです。
身近に話せる大人がいるなら、まずはその人に打ち明けてみるところからで構いません。ここからは、お子さんの進路に悩む保護者の方に向けた内容です。
保護者の方へ|「夢がない」と言うお子さんへの関わり方
- よくある声かけと、その代わりになる言葉を対比で紹介
- 進路の話ができないときは学習の話から入る
- 第三者に任せたほうがうまくいく場面もある
ここからは、保護者の方に向けた内容です。
「将来の夢がない」と言うお子さんに、どう声をかければよいか迷っていらっしゃる方は多いと思います。
「親に言われるまま決めないほうがよい」という助言はよく目にしますが、では保護者の方が何をすればよいのかは、迷いどころではないでしょうか。
ここでは、私たちが面談でよく伺う場面をもとに、具体的な関わり方を整理します。
やってしまいがちな声かけと、その代わりになる言葉
- 「そろそろ決めなさい」は会話を終わらせてしまいやすい
- 決断を促す言葉より、情報を一緒に集める言葉が届きやすい
- 提案が否定されても、それは反抗とは限らない
面談でよく伺うのは、「そろそろ決めなさい」と言うたびに会話が終わってしまう、というお話です。
もう一つよく伺うのが、よかれと思って勧めた学部を全否定された、という場面ですね。どちらも、お子さんを思う気持ちから出た言葉だからこそ、返ってきた反応がつらく感じられます。
ここで押さえておきたいのは、提案の内容そのものではなく、決断を迫られている感覚に反発している場合もあるということです。
そこで、よくある声かけと、その代わりになる言葉を並べてみます。
決断を促す言葉から、情報を集める言葉へ
「そろそろ決めなさい」の代わりに、「今の時点で、これは違うなと思う分野ってある?」と聞いてみてはいかがでしょうか。
消去法なら答えやすく、会話が続きます。決断ではなく情報を求める形にすると、お子さんの負担がぐっと下がりますね。
評価する言葉から、一緒に調べる言葉へ
「その学部で就職できるの?」の代わりに、「その学部、どんな授業があるのか一緒に見てみようか」と誘ってみる方法もあります。
評価されると身構えますが、一緒に調べる姿勢なら味方だと伝わりやすくなります。オープンキャンパスの日程を一緒に調べるだけでも十分です。
比較する言葉から、本人を主語にする言葉へ
「〇〇さんはもう決まってるらしいよ」という比較は、焦りだけを残してしまいがちです。
代わりに「あなたはどんなときが一番楽しそうか、親から見ると〇〇のときかな」と伝えてみてください。本人が気づいていない一面を教えてもらうのは、うれしいものかもしれません。
進路の話ができないときは学習の話から入ってみる
- 進路の話題は拒否されても、目の前の勉強の話には応じることがある
- 定期テストや模試など、範囲が具体的な話題から入る
- 学習の会話が戻ると、進路の会話も戻りやすい
進路の話を切り出すたびに部屋に戻ってしまう、というご相談もよくいただきます。
そんなときによくあるのが、進路の話は拒否されるのに、目の前の定期テストの相談には乗ってくれた、というケースです。
遠い未来の話は重く、近い予定の話は軽い、という違いが理由かもしれません。
進路は答えが出るまで何年もかかりますが、次の定期テストは2週間後に結果が出ます。答えの出る距離が近いほど、話題にしやすいのですね。
ですから、進路の話が難しいときは、学習の話から入ってみてください。「今回のテスト、範囲どのあたり?」「数学と英語だとどっちが手ごわい?」など、具体的な話題であれば会話が成立しやすくなります。
学習の会話が日常に戻ってくると、その延長で「この科目が得意なら、こういう学部もあるらしいよ」と進路の話につなげやすくなりますよ。
第三者に任せたほうがうまくいく場面もある
- 親子だと感情が絡んで冷静に話しにくいことがある
- 年齢の近い第三者には本音を話せる場合がある
- 任せることは、放任ではなく役割分担
ここまで関わり方を紹介してきましたが、親子だからこそ話しにくいこともあります。
心配だからこそ口調が強くなり、お子さんも「わかってる」としか返せなくなってしまいます。この構図は、どのご家庭でも起こりうるものです。
親子で話せないことがあるのは、関係が悪いからとは限りません。近い関係だからこそ、感情が先に立ってしまうだけかもしれませんね。
そんなとき、年齢の近い大学生の講師や、進路に詳しい第三者が間に入ることで、話が進む場合があります。
私たちがご相談を受ける中でも、「親には言えなかったけれど、先生には話せた」という場面は少なくありません。第三者に任せることは放任ではなく、役割分担だと考えていただければと思います。
ご家庭では日常の会話と生活面を支え、進路と学習の相談は外部に任せます。この形で落ち着くご家庭も多くあります。
費用の目安を知っておきたい場合は、「高校生の家庭教師の相場」で一般的な水準を確認できます。比較したうえで、ご家庭に合う方法を選んでいただければ幸いです。
将来の夢がない大学選びのよくある質問
- 進学してから決めても遅くないのかという不安に回答
- 文系と理系の選び方、潰しが利く学部について回答
- 就職への影響と、親と意見が合わないときの対処法
最後に、将来の夢がない大学選びについて、よくいただく質問にまとめてお答えします。
将来の夢がないまま大学に進学しても大丈夫ですか
国立青少年教育振興機構の令和4年度調査では、職業を「はっきり決めている」高校生は22.0%で、5人に1人ほどにとどまります。
明確な職業像がないまま進路を選ぶ人は珍しくありません。大学は、専門を学びながら将来の選択肢を検討できる場でもあります。
夢がない場合、文系と理系のどちらを選べばいいですか
得意科目だけで決めず、受験科目、大学で扱う内容、自分の興味の3つを合わせて判断するのがおすすめです。
文系でも経済学や心理学では数学や統計を使い、理系でも論文の読解やレポートは多くあります。どちらにも潰しが利く学部はあるため、文理そのものより学部選びのほうが重要です。
潰しが利く学部はどれですか
経済学部・経営学部、法学部、情報学部などが挙げられます。
いずれも特定の職業だけを前提としないため、進路を一つに絞らずに検討しやすい分野です。理系なら理学部・工学部も、専門性を活かせる進路が幅広く用意されています。
ただし、学部選びで就職が保証されるわけではありません。
夢がないと就職で不利になりますか
高校生の時点で具体的な職業が決まっていないことだけで、将来の就職が不利になるとは一概にいえません。
多くの学生は大学3年次ごろからの就職活動を通じて、業界や職種を具体化していきます。就職活動では、大学で何を学び、どのような経験をしてきたかを説明する場面があります。
親と意見が合わないときはどうすればいいですか
まず「なぜその学部を勧めるのか」という理由を聞いてみてください。
理由がわかれば、賛成でも反対でも自分の判断として整理できます。そのうえで自分の希望を紙に書き出し、両方の理由を並べて比べると、話し合いが前に進みやすくなりますよ。
将来の夢がない大学選びについてまとめ
- ・職業を「はっきり決めている」高校生は22.0%で、決めきれていない人のほうが多い
- ・好きなこと・避けたいことを書き出し、消去法で方向性を絞る
- ・12の質問の診断で、今の興味がどの分野に近いかを確かめる
- ・「潰しが利く学部」を軸に、卒業後の選択肢を狭めない選び方をする
- ・志望理由書は原体験と問題意識から書き進められる
- ・やる気が出ないときは、志望校の仮決めなど小さな工夫から始める
将来の夢が決まっていないことは、大学進学や学部選択を悲観する理由にはなりません。
国立青少年教育振興機構の調査でも、職業を「はっきり決めている」高校生は2割程度にとどまっています。
大切なのは、最初から一生の仕事を決めることではなく、今できる整理から始めることです。
好きなことと避けたいことを書き出し、診断で方向性を確かめ、潰しが利く学部を候補に残します。そしてオープンキャンパスで実際に確かめれば、納得感のある選択に近づきます。
進路の悩みと合わせて学習面の不安もある場合は、90分の無料体験レッスンで、今の勉強のやり方から一緒に整理することもできます。無理な勧誘はありませんので、気軽に使ってみてくださいね。
焦らず一歩ずつ整理していけば、自分なりに納得できる進路選択にたどり着けるはずです。今日、この記事の中から一つだけ試してみることから始めてみませんか。








