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オール5の偏差値はいくつ?内申点との違いと行ける高校の考え方
2026.09.15

通知表を開いて9教科すべてに「5」が並んでいたのに、その後に返ってきた模試の結果を見て「あれ、思っていたより低い……?」と感じた。
そんな経験をされた保護者の方は、実は少なくありません。
結論からお伝えすると、「オール5だから偏差値はいくつ」と一律に換算することはできません。内申点と偏差値は、そもそも別の仕組みで決まる数字だからです。
この記事では、その理由を「ものさしの違い」から整理したうえで、お子さんの今の位置をどう確かめればいいのかまでご案内しますね。内申点と評定平均の早見表や、勉強のやり方を振り返るセルフチェックもご用意しました。
オール5という結果は、これまでコツコツ積み上げてきたものが形になったものです。
読み終わるころには、お子さんが次に何から手をつければいいのかが見えてくるはずです。
目次
オール5の偏差値はいくつ?結論と内申点別の早見表

- 換算できない理由と、代わりに見るもの
- 5教科と9教科で変わる「オール5」の中身
- 内申点レベル別の早見表と現在地の確かめ方
オール5の偏差値を、一つの数字で言い切ることはできません。
内申点と偏差値をつなぐ公式は存在せず、偏差値はどの模試を受けたか、その模試をどんな集団が受けたかによって変わるからです。同じオール5のお子さんでも、模試の偏差値には差が出ます。
まずは「なぜ一つの数字にならないのか」を押さえたうえで、実際の位置をどう確かめるかを見ていきましょう。
オール5とは9教科45点満点|中学生の偏差値は一律に決まらない
- オール5=9教科の評定合計が45点の状態
- 内申点と偏差値をつなぐ公式はない
- 必要な定期テストの点数も学校ごとに違う
オール5とは、国語・数学・英語・社会・理科の主要5教科と、音楽・美術・保健体育・技術家庭の実技4教科を合わせた9教科すべてに「5」がついた状態です。
5点×9教科で、9教科の評定合計(いわゆる素内申)は45点になります。ただし、この45点という数字から偏差値を割り出すことはできません。
偏差値は、受けた模試の中で自分がどのあたりにいるかを表す数字です。
受験者の顔ぶれが変われば同じ実力でも数値は動きますし、内申点のほうは学校の授業や提出物まで含めて決まります。そもそも材料が違うため、「45点=偏差値◯◯」という対応表は作れないのですね。
「では、オール5を取るには定期テストで何点必要なのか」も、実は学校によって変わります。
評定の基準や、観点別評価をどう5段階にまとめるかは各中学校が定めているためです。「90点なら必ず5」といった一律の目安は当てはまらないと考えておくほうが安全ですね。
5教科オール5と9教科オール5では意味が変わる
- 9教科オール5は45点、5教科オール5は25点
- 実技の評定次第で合計は37〜45点に変わる
- 実技を2倍する地域では差がさらに開く
「オール5」と一口に言っても、5教科の話なのか9教科の話なのかで意味が変わります。
一般に「オール5」と言えば9教科オール5、つまり評定合計45点のことを指します。一方、5教科オール5は主要5教科の25点満点の話で、実技4教科の評定次第で合計は変わってきます。
たとえば5教科がオール5でも、実技4教科がオール4なら合計は41点、実技がオール3なら合計は37点です。
同じ「5教科オール5」でも、素内申としては4点ぶんの差が生まれることになりますね。
逆に、実技4教科が5で主要5教科が3という場合、合計は35点です。入試の学力検査で問われるのは主に5教科ですから、合計点が近くても中身はまったく違うことになります。
さらに、東京都のように実技4教科の評定を2倍して換算する地域では、この差がもう一段大きくなります。お子さんの成績表を見るときは、合計と内訳の両方で数えてみてくださいね。
【早見表】オール5・オール4.5・オール4・オール3の内申点と偏差値の考え方
- 内申点と評定平均の対応を一覧化
- オール4.5やオール4との違いを内訳で確認
- 偏差値の欄を設けていない理由
お子さんの内申点が今どのあたりに位置するのか、表で確かめてみましょう。
| 内申点(9教科の評定合計) | 評定平均 | 9教科の内訳の例 |
|---|---|---|
| オール5(45) | 5.0 | 9教科すべてが5 |
| ほぼオール5・オール4.5前後(40〜44) | 約4.4〜4.9 | 5が4〜8教科、残りが4 |
| オール4(36) | 4.0 | 9教科すべてが4 |
| オール3.5前後(31〜35) | 約3.4〜3.9 | 4が4〜8教科、残りが3 |
| オール3(27) | 3.0 | 9教科すべてが3 |
この表に偏差値の欄がないのは、内申点から偏差値を割り出す公式がないからです。
インターネット上には「オール5なら偏差値◯◯」という数字がいくつも出回っていますが、出どころをたどるとその塾や書き手の経験則であることがほとんどです。地域も模試も違えば、数字はそのまま当てはまりません。
では、実際の位置はどう確かめればよいのでしょうか。
- 1.志望する地域で実施されている公開模試を受け、判定と偏差値を確認する
- 2.同じ模試を複数回受け、1回の結果ではなく推移で見る
- 3.志望校の過去問を解き、合格者平均点との距離を確かめる
この3つをそろえると、内申点だけでは見えなかった現在地がはっきりしてきます。
平均的な位置にあたるオール3については「オール3の偏差値と行ける高校」でくわしく整理していますので、あわせてご覧ください。
オール5を取る生徒は学年に何人?通知表オール5の割合
- 全国の割合を示す公的統計は確認できない
- 東京都の調査では評定5の割合は12.3%
- その数字から生徒の割合は算出できない
9教科オール5の生徒が学年に何人いるのかを示す全国統計は、公開資料からは確認できません。
「上位◯%」といった数字を見かけることはありますが、根拠となる調査までたどれるものはほとんどないのが実情です。
参考になる公的資料としては、東京都教育委員会が2026年3月に公表した評定状況の調査があります。
都内の公立中学校等619校を対象にした調査で、9教科全体に占める評定「5」の割合は12.3%でした。ただしこれは「つけられた評定のうち5だった個数」の割合です。この数字から、9教科すべてが5の生徒が何%いるかを算出することはできません。
わかっているのは、オール5が誰でも取れるものではないということと、正確な人数は公表されていないということの2点ですね。
内申点がどのくらいから「高い」と言えるのかは、「内申点はどこからが高いのか」で目安を整理しています。
内申点と偏差値の違いは?オール5でも一律に換算できない3つの理由

- 目標への到達度を見るか、集団内の位置を見るか
- 評価の規準や総括方法は学校ごとに定められる
- テストの点数だけでは決まらない3観点の仕組み
内申点オール5でも偏差値が一律に決まらないのは、理由が3つあるからです。
評価のものさしの違い、学校ごとの評価方法の違い、そして内申点そのものの決まり方。この3つがわかると、模試の数字とのズレに納得がいくはずです。
内申点は絶対評価・偏差値は相対評価というものさしの違い
- 内申点は目標に準拠した評価
- 偏差値は集団の中の位置を示す数値
- 測っているものが違うので直接は比べられない
内申点は、一般に絶対評価と呼ばれる「目標に準拠した評価」です。
学習指導要領に示された各教科の目標に、どれだけ到達したかを見て判断されます。周りの生徒との順位で決まるものではありません。
一方の偏差値は、その模試を受けた集団の中で自分がどの位置にいるかを示す数値です。
同じ50点でも、全体の平均が30点なら偏差値は高く出ますし、平均が70点なら低く出ます。周りとの比較で決まる数字ということですね。
測っているものが違うので、内申点と偏差値をそのまま結びつけることはできません。
志望校を考えるときは、どちらか一方ではなく両方を並べて見ることが大切です。
中学校によって評定のつけ方の厳しさが違う
- 評価規準や評価資料は学校ごとに定められる
- 観点別評価を評定にまとめる方法も学校次第
- テストの点数だけで学校間は比べられない
目標に準拠した評価とはいえ、具体的な評価の進め方は各中学校が定めています。
どの課題やテストを評価の材料にするか、観点別評価をどう5段階の評定にまとめるかは、学校によって設計が異なります。同じ「オール5」でも、その中身は学校ごとに変わってくるということですね。
ですから、「A中学の内申40」と「B中学の内申40」を並べて、どちらが学力的に上かを判断することはできません。
定期テストの点数だけを取り出して学校間を比較することも同じです。評定には記述課題や発表、提出物といった別の材料も含まれているためです。
だからこそ、校内での立ち位置と、都道府県全体での立ち位置は分けて考えたいところです。
全体の中での位置を知る手段が、外部の模試ということになります。
内申点は3観点で決まるためテストの点数だけでは決まらない
- 知識・技能/思考・判断・表現/主体的に学習に取り組む態度
- 記述課題や発表も評価材料になる
- 観点の組み合わせだけで評定は決まらない
内申点は、3つの観点をまとめて5段階の評定に総括する仕組みです。
3観点とは「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」のこと。文部科学省は評定5を、十分満足できるもののうち特に程度が高い状況としています。
つまり内申点は、定期テストの点数だけで決まるものではありません。
知識・技能は小テストや定期テスト、思考・判断・表現は記述問題やレポート、発表などが材料になります。主体的に学習に取り組む態度で見られるのは、挙手の回数やノートの美しさではなく、粘り強く取り組もうとする姿勢と、自分で学習のやり方を調整しようとする姿です。
この3観点をどう評定にまとめるかは、各学校が定めています。
「AとAとBなら5」といった全国共通のルールはありませんので、観点の組み合わせだけで評定を予想するのは難しいと考えておくとよいですね。
オール5なのに模試の偏差値が低いのはなぜ?
- 出題範囲の広さが違う
- 初見問題・単元横断型への対応力
- 5つの質問で今の勉強法を振り返る
内申はオール5なのに模試の偏差値が思ったほど出ない、というご相談は、30,034人のお子さんを指導してきたなかで私たちランナーに繰り返し寄せられてきました。
原因は一つではありません。模試の母集団、苦手な単元、試験形式への慣れなど、いくつもの要因が重なります。そのなかでも見直しやすいのが、定期テスト向けの勉強と模試・入試向けの勉強の違いです。
ここでは、そのズレがどこで生まれやすいのかを3つの角度から見ていきますね。
定期テストは範囲が狭く模試は広い既習範囲から出題される
- 定期テストは数週間〜数か月の限定範囲
- 模試は実施時期までの広い範囲から出る
- 直前の詰め込みだけでは届きにくい
定期テストと模試の大きな違いは、出題範囲の広さです。
定期テストは数週間から数か月分の限られた範囲から出るため、直前に集中して仕上げれば得点しやすい構造になっています。一方、模試では定期テストよりずっと広い既習範囲から出題されることが多くなります。
模試ごとに出題範囲は設定されますが、学年が上がるほど範囲は広がり、中1で習った内容が中3の模試に出てくることもあります。
ここで効いてくるのが、数か月前に習った内容を今も引き出せるかどうかです。テスト前の詰め込みで乗り切ってきた場合、範囲が終わった時点で知識が抜けてしまい、模試で再現できないことがあります。
お子さんが「習ったはずなのに解けない」と言うとき、理解が足りないのではなく、覚え方が短期用になっているケースもあるんです。
定期テストが終わった単元を数週間後にもう一度解き直すだけでも、模試での手ごたえは変わってくるはずです。
初見問題や単元をまたいだ応用問題への対応力が問われる
- 見たことのない設定の問題も出題される
- 関数と図形など複数分野が絡む問題がある
- 解き方を説明できる理解が武器になる
模試には、基礎・標準的な問題に加えて、初めて見る設定の問題や複数の単元を組み合わせた問題も出題されます。
学校のワークに近い問題なら繰り返し練習で対応できますが、こうした問題はパターンを覚えるだけでは手が止まりやすくなります。
数学なら関数と図形の融合問題、理科なら資料の読み取りと計算の組み合わせ、といった形ですね。
「なぜこの解き方を選んだのか」を自分の言葉で説明できるところまで理解が届いていると、初見の問題でも手が動くようになります。
逆に言えば、ここは伸びしろが大きい部分でもあります。
基本が固まっているお子さんほど、初見問題の練習を足すことで手ごたえが変わってくることがありますよ。
【セルフチェック】勉強のやり方を振り返る5つの質問
- ふだんの勉強行動を5つの質問で振り返る
- 当てはまる数で傾向をつかむ
- 次に変えるところを1つ決める
お子さんの勉強が定期テスト型に寄っていないかは、ふだんのやり方から見えてくることがあります。
当てはまるものがいくつあるか、数えてみてくださいね。
- 1.定期テストの勉強は、範囲が発表されてから始めることが多い
- 2.ワークや問題集は、答え合わせのあと赤ペンで正解を写して終わりにしている
- 3.模試や実力テストの結果は、点数と判定を見て、それ以上は見返していない
- 4.「なぜこの解き方を選んだのか」を、自分の言葉で説明するのが苦手
- 5.1〜2か月前に習った単元を、いま解き直すと手が止まる
【0〜1個】定期テストの勉強と入試の勉強が、うまくつながっている状態かもしれません。今のやり方を続けながら、演習量を増やしていきましょう。
【2〜3個】定期テスト型の勉強に寄っている可能性があります。模試の直し方を変えるところから始めてみましょう。
【4〜5個】入試型の勉強に切り替える余地が大きい状態です。裏を返せば、やり方を変えたときの伸びしろも大きいということですね。
なお、これは勉強の進め方を振り返るための質問です。当てはまった数だけで学力や偏差値が決まるものではありませんので、あくまできっかけとしてお使いください。
とくに2番と3番に当てはまった場合、直しの手順を変えるだけで変化が出ることがあります。「正解を写す」から「なぜ間違えたかを一言で書く」に変えるだけでも、次に同じ問題に出会ったときの反応が違ってきますよ。
実力テストや模試の位置づけについては「実力テストとは何かをわかりやすく解説」もご覧ください。
「やり方を変えないといけないのはわかったけれど、何をどう変えればいいのかが見えない」と感じた保護者の方も多いかもしれません。
テスト前の勉強法を入試型に切り替える手順は、成績が上がらない中学生の原因と対策でくわしくまとめています。
オール5なら行ける高校はどこ?公立・私立の目安
- 公立は地域のトップ校が視野に入る
- 私立は推薦・併願優遇の基準を満たしやすい
- 内申点の扱いは都道府県で大きく違う
オール5の内申点があれば、公立・私立ともに選択肢はかなり広がります。
ただし「内申点で行ける」わけではなく、「出願と選考のスタートラインで有利になる」というのが正確なところです。公立と私立、それぞれの見方を整理していきますね。
公立高校は地域のトップ校が内申面で視野に入る
- 主な選考資料は学力検査と調査書
- 比率は自治体・学校ごとに異なる
- 面接や特色検査を加える地域もある
オール5であれば、地域の公立トップ校も内申面では視野に入ります。
多くの公立高校入試では、当日の学力検査と調査書(内申点)が主な選考資料として使われます。この2つの比率は自治体や学校によって幅があり、当日点を大きく重視する方式もあります。
大阪府のように、学校ごとに複数の比率タイプから選べる地域もあります。
比率が調査書寄りであるほど、オール5のアドバンテージは大きくなりますね。逆に当日点重視の方式では、内申の差は縮まりやすくなります。
また、学力検査と調査書に加えて、面接や自己表現、特色検査などを課す自治体・高校もあります。
まずは志望校の募集要項で、選考資料と比率を確認してみてください。そこがわかると、あとどれだけ当日点を積めばいいかという目標が具体的になります。
私立高校の推薦や併願優遇では出願基準を満たしやすい
- 内申基準だけなら満たしやすくなる
- 欠席日数や事前相談などの条件もある
- 基準は学校ごとに異なり個別確認が必要
私立高校の推薦入試や併願優遇では、内申点が出願の条件になっていることが多くあります。
オール5であれば、内申基準だけを見れば満たしやすい位置にあると言えます。併願優遇とは、主に東京都などで、内申などの基準を満たした受験生が入試上の優遇を受けられる仕組みのことです。
私立の合格を確保できれば、公立の一般入試に落ち着いて臨みやすくなります。
ただし、条件は内申点だけではありません。欠席日数の上限、中学校を通した事前相談、検定の取得、単願であることなど、学校ごとに別の条件が設けられていることがあります。
基準の見方も、9教科の合計で見る学校、5教科や3教科の合計で見る学校とさまざまです。
併願優遇を使う場合でも学力試験や面談が課されることはありますので、志望校の募集要項は秋のうちに一度目を通しておくと安心ですね。
実技4教科の換算方法は都道府県で違う【東京都・神奈川県・愛知県・大阪府】
- 東京都は実技4教科を2倍にして65点満点
- 神奈川県は中2+中3×2で135点満点
- 愛知県は9教科一律2倍で90点満点
- 大阪府は中1からの成績を積み上げて450点満点
実技4教科の扱いと内申点の計算方法は、都道府県によってまったく違います。
ここでは代表的な4つの地域を見てみましょう。東京都立高校では、5教科の学力検査を行う場合、実技4教科の評定を2倍にして換算します。
主要5教科の25点に実技4教科の40点を足して、換算内申は65点満点です。
一次募集では学力検査と調査書点の比率が原則7:3で、調査書点は300点満点に換算されます。オール5なら換算内申65点で調査書点は満点ですが、実技1科目が「4」になると換算内申は63点、調査書点は290点まで下がる計算になります。
神奈川県は、中2の9教科45点と、中3の9教科45点を2倍した90点を足した135点満点が基本形です。
中3の評定が2倍で効くため、3年生の成績の重みが大きい仕組みですね。ただし、特定の教科を重点化する高校もあります。
愛知県は、中3の9教科の評定合計45点を2倍した90点満点が基本形です。
主要5教科と実技4教科の重みは同じで、一部の学科では傾斜配点が行われます。大阪府の全日制一般選抜は、中1と中2の9教科評定をそれぞれ2倍、中3を6倍して合計した450点満点です。中1の成績がそのまま入試の持ち点になるため、早い段階から9教科をそろえておく意味が大きい地域と言えます。
お住まいの地域の計算方法は、「内申点の計算方法」で確認してみてください。年度や選抜方式によって扱いは変わりますので、最終的には志望校の入試要項でご確認いただくと確実です。
9教科すべてを高い水準で保つのは、正直なところ簡単ではありません。音楽の実技課題も、美術の作品も、相談できる相手がいるだけで違ってきますよ。
オール5でも安心できない?知っておきたい3つの注意点
- 当日点で順位が入れ替わる可能性
- 内申への安心感からくる演習不足
- 併願校を内申だけで決めるリスク
オール5は心強い持ち点ですが、それだけで合格が決まるわけではありません。
高い内申点があるときこそ気をつけたいポイントを、3つ確認しておきましょう。
当日の学力検査の点数で逆転されることがある
- 内申の高い受験者が集まる高校がある
- その場合は当日点の重要性が高まる
- 内申の貯金は当日点で目減りしうる
人気の高い高校には、内申点の高い受験生が集まりやすくなります。
そうした状況では受験者間の内申点の差が小さくなり、相対的に当日の学力検査の重要性が高まります。
内申点で自分より低い受験生に、当日点で上回られるケースも起こり得ます。
「内申があるから多少失敗しても大丈夫」と考えて当日点の対策を後回しにすると、思わぬ結果になることがあります。
内申点のアドバンテージを活かすためにも、過去問演習は早めに始めておきたいところです。
高い内申点があるときこそ演習不足に注意
- 定期テスト対策に時間が偏りやすい
- 提出物に時間をかけすぎると演習が減る
- 内申点はゴールではなく持ち点
オール5を維持しようとするほど、時間の使い方が定期テスト寄りになりやすくなります。
ワークを丁寧に3周する、提出物のまとめを美しく仕上げる。どれも内申点には効きますが、その分、入試型の問題演習に使える時間は減っていきます。
内申点はゴールではなく、入試に持っていける持ち点の一つです。
中3の夏以降は、定期テスト対策と入試対策の時間配分を意識的に分けておくと安心ですね。
目安として、週に一度でも「範囲のない問題」に触れる時間を作れると、感覚が鈍らずに済みます。
併願校選びを内申点だけで決めるのは危険
- 内申基準を満たしても不合格はありうる
- 学校ごとに問題の相性が違う
- 過去問と模試の両方で判断する
内申点が高いと、志望校選びの視野が自然と上位校に寄っていきます。
ただし、併願校を内申点だけで決めてしまうと、当日の問題との相性を見落とすことがあります。記述量の多い学校、スピード勝負の学校、独自問題を出す学校では、必要な対策の方向が変わります。
過去問を1年分でも解いてから決めると、判断の精度がぐっと上がります。
模試の判定と過去問の得点、この2つを並べて見るのがおすすめです。
逆に、当日点を重視する学校であれば、内申にやや不安があっても十分に狙えることもありますよ。
高校の評定オール5は大学受験でどう見られる?中学の内申点との違い
- 高校のオール5は評定平均5.0のこと
- 総合型・学校推薦型での利用割合が高い
- 評定以外の選考方法も課される
高校の評定オール5と、中学の内申点オール5は別物です。
中学のオール5は9教科の評定合計45点を指しますが、高校のオール5は、履修した評定対象科目がすべて5で、全体の評定平均が5.0という意味になります。科目数も、入試での使われ方も違います。
大学受験で評定平均が使われるのは、主に総合型選抜や学校推薦型選抜です。
文部科学省の令和4年度の調査では、評定平均値を利用した選抜区分の割合は、一般選抜で31.0%、総合型選抜で72.3%、学校推薦型選抜で81.3%でした。一般選抜でも使われる場合はありますが、総合型・学校推薦型での利用割合が高いことがわかりますね。
ただし、評定平均だけで合否が決まるわけではありません。
総合型選抜や学校推薦型選抜では、小論文や面接、プレゼンテーション、レポートなどを課す大学もあります。評定を高く保つことには意味がありますが、それとは別に、自分の考えを言葉にする練習も必要になるということですね。
評定平均の出し方は「評定平均の出し方は?」でくわしく解説しています。
オール5の内申を活かしながら偏差値を伸ばす3つのステップ
- 模試の直しを仕分け作業に変える
- 週1回の初見問題で対応力を鍛える
- 実技4教科は内申の土台として守る
やることは、増やすのではなく入れ替えるだけです。
定期テストでは安定して点が取れているのに模試になると手ごたえが出にくい、というお子さんが、模試の直し方を変え、週1回だけ初見の応用問題に取り組む時間を作ったことで、少しずつ感触が変わってきた。そうしたケースがあります。
ゼロからのやり直しではなく、あと一歩の調整です。なお、取り組みの効果には個人差があります。
ステップ1|模試の間違いを原因別に仕分けする
- 誤答を5種類のラベルに分ける
- ラベルごとに打ち手が変わる
- 次の模試で同じラベルが減ったか確認
模試の直しは、点数を見て終わりにしないことが出発点です。
間違えた問題を「知識不足」「応用不足」「時間不足」「読み違い」「計算ミス」の5つに仕分けてみてください。この作業だけで、次に何から手をつけるかがはっきりしてきます。
知識不足なら基礎の復習、時間不足なら制限時間つきの演習、読み違いなら問題文に線を引く練習、という具合です。
仕分けた結果をノートに残しておくと、お子さんが繰り返しやすいミスの型が見えてきます。
次の模試で同じラベルが減っていれば、対策の方向は合っていると考えてよいですね。
ステップ2|単元をまたいだ初見の応用問題に取り組む
- 週1回、範囲のない問題に触れる
- 関数と図形など融合問題を選ぶ
- 正答率より解き方の説明を重視
次に足したいのが、範囲を決めずに解く時間です。
週に1回、30分でも構いません。関数と図形の融合問題、資料の読解と計算を組み合わせた問題など、単元をまたいだ出題に慣れていきましょう。
最初は正答率が低くても心配いりません。
大事なのは、解けなかった問題について「どこまではわかって、どこで止まったのか」を言葉にすることです。ここを飛ばさなければ、初見への強さは少しずつ育っていきます。
解説を読んだあと、その解き方を誰かに説明してみるのもおすすめですよ。
ステップ3|実技4教科の対策も後回しにしない
- 実技の評定は換算で重みが増す地域がある
- 筆記テストと実技課題の両方が対象
- 評価の観点を先生に確認しておく
偏差値に意識が向くと、実技4教科は後回しになりがちです。
けれど、東京都のように実技を2倍する地域では、換算内申の上で実技1科目の差が主要教科2科目分の重みを持ちます。せっかくの内申点を落とさないためにも、9教科そろえて守る意識を持っておきたいところです。
実技教科は、筆記テストだけでなく実技課題や授業での取り組みも評価材料になります。
何がどう見られているのかは学校や先生によって違うので、評価の観点を一度確認しておくと対策が立てやすくなりますよ。
内申と偏差値のギャップは、勉強のやり方から見直せます

- 90分の無料体験は学習法の診断の場
- 内申維持と入試対策を1人の講師で
- 無理な勧誘は一切なし
「内申はいいのに模試が伸びなくて、本人も自信をなくしかけていました」という声をいただくことがあります。
私たちランナーの90分の無料体験レッスンは、サービスの説明をする時間ではありません。今のやり方のどこが模試に効いていないのかを、お子さんと一緒に見つける90分です。
直近の模試の答案と、いつも使っているワークをそのままお見せください。
解き直しの跡や、間違えた問題への向き合い方を一緒に見ていくと、「どこで入試型に切り替わっていないのか」が見えてきます。そのうえで、内申を守りながら入試型の力をどう足していくかを、実技4教科も含めた9教科まとめて1人の講師と相談していけます。
無理な勧誘は一切ありませんし、講師との相性を確認してから決められますので、まずは診断のつもりでご利用くださいね。指導の内容は中学生コースでご覧いただけます。
オール5と偏差値についてまとめ
- ・オール5でも偏差値は一律には換算できない
- ・内申点は目標への到達度、偏差値は集団内の位置
- ・ギャップの一因は定期テスト型と入試型の勉強の違い
オール5の偏差値を一つの数字で言い切ることはできません。
内申点は各教科の目標にどれだけ到達したかを見る評価、偏差値は模試を受けた集団の中での位置を示す数値です。測っているものが違ううえ、評価の進め方も学校ごとに定められているため、対応表は作れないのですね。
だからこそ、現在地は模試の偏差値と過去問の得点で確かめるのが一番の近道です。
そして、内申がオール5なのに模試の手ごたえが出ないとき、その一因として考えられるのが定期テスト向けの勉強と入試向けの勉強の違いです。模試の直しを仕分けに変える、週1回でも範囲のない問題に触れる。そこから始めれば十分です。
オール5まで積み上げてきた力は、間違いなくお子さんの土台になっています。
あとは、その力を入試の形に合わせて組み替えていくだけです。もし一人で進めるのが難しいと感じたら、私たちのような外部の目を借りるのも一つの方法ですよ。








