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ADHDの子どもの特徴|18項目チェックリストと接し方・叱り方
2026.10.15

「何度言っても忘れ物が減らない」「授業中に席を立ってしまうと学校から連絡があった」。
こうした様子が続くと、ADHDの特徴に当てはまるのではと気になり、自分を責めてしまう保護者の方も少なくありません。
結論からお伝えすると、ADHDの子どもの特徴は不注意・多動性・衝動性の3つに分けられ、しつけや育て方が原因ではありません。
小学生・中学生のサインやチェックリスト、相談先、接し方まで、まとめてご紹介します。特徴を知ると、お子さんに合った関わり方が見つけやすくなります。
小さな一歩を、一緒に見つけていきましょう。
目次
子どものADHDとは?

- 注意や行動のブレーキが難しい発達障害の一つ
- 脳の働きや発達に関係する特性で、育て方が原因ではない
- 不注意などの著しい困難は推定4.0%(診断数ではない)
ADHD(注意欠如・多動症)は、注意の続けにくさや、動きや気持ちのブレーキのかけにくさがある発達障害の一つです。
年齢や発達に比べて難しさが強く、学校や家庭で困りごとが出やすくなります。文部科学省も、年齢や発達に不釣り合いな注意力、衝動性、多動性を特徴とするものと説明しています。
ADHDは脳の働きや発達に関係する特性で、遺伝的な要因などが関わると考えられています。親のしつけや育て方、本人の努力不足が原因で起こるものではありません。それでも誤解されやすく、叱られて自信をなくす子も少なくないんです。
文部科学省が2022年に公表した調査では、公立小中学校の通常の学級で「不注意」または「多動性-衝動性」の問題を著しく示すとされた児童生徒は、推定4.0%でした。
※ADHDと診断された子どもの割合ではなく、学級担任等の回答による推定です。
ADHDは、自閉スペクトラム症(ASD)や学習障害(LD)など、ほかの発達障害の特性をあわせもつこともあります。知的な遅れとは別の特性で、知能との関係は「ADHDとIQの関係」で解説しています。
ADHDの子どもの特徴|よく見られる行動を不注意・多動性・衝動性で解説

- 不注意:忘れ物やうっかりミスが多い
- 多動性:じっとしていられない、おしゃべりが止まらない
- 衝動性:順番を待てない、話に割り込む
ADHDの子どもによく見られる特徴は、不注意・多動性・衝動性の3つに分けて整理できます。
具体的には、忘れ物やうっかりミスが多い(不注意)、じっとしていられない・おしゃべりが止まらない(多動性)、順番を待てない・話に割り込む(衝動性)といった行動です。
現れ方は一人ひとり違い、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5-TR)でも、不注意が中心、多動性・衝動性が中心、両方が見られるといった違いが示されています。ただし、特徴に当てはまる行動があっても、それだけでADHDと診断されるわけではありません。
不注意|忘れ物が多い・話を聞いていないように見える
- 忘れ物や提出忘れ、うっかりミスが目立つ
- 聞いていないように見えても、わざととは限らない
- 好きなことには強く集中する場合もある
不注意とは、必要なことに注意を向け続けたり、物事を順序立てて進めたりするのが苦手な特性です。
次のような様子が見られます。
・忘れ物やなくし物が、注意してもなかなか減らない
・宿題やプリントの提出を忘れてしまう
・話しかけても上の空で、聞いていないように見える
・物音や人の動きにすぐ気をとられる
・計算や漢字でうっかりミスが多い
・片付けや準備を最後までやりきれない
聞いていないように見えても、わざと無視しているとは限りません。注意が別のことに向いてしまい、話の内容を十分に聞き取れていない場合もあります。
一方で、好きな遊びには強く集中することもあり、「やればできるのに」と誤解されやすいところです。
片付けは「ADHDで片付けられない5つの原因」、忘れ物は「忘れ物の多い子どもと発達障害の関係」、苦手な課題の後回しは「ADHDの子どもが嫌なことから逃げる理由」で解説しています。
多動性|じっとしていられない・おしゃべりが止まらない
- 立ち歩きや体のそわそわが続きやすい
- おしゃべりが多く、相手の話の途中で話し始めることも
- 成長とともに目立ちにくくなることもある
多動性とは、じっとしていることや静かに過ごすことが苦手で、体や口が動き続けてしまう特性です。
本人も止めたくても動いてしまうことがあり、周りが座っている場面ほど目立ちます。
・授業中や食事中に席を立ってしまう
・座っていても手足や体がずっと動いている
・危ない場所でも走り回ったり、高い所に登ったりする
・静かに遊んだり、待ったりするのが苦手
・おしゃべりが多く、相手が話している途中で話し始めることがある
成長とともに目立ちにくくなることもありますが、落ち着かなさが残る場合もあります。独り言が気になる場合は「ADHDの独り言がうるさいと感じたら」も参考にしてください。
衝動性|順番を待てない・話に割り込んでしまう
- 割り込みや、質問の途中で答えることがある
- 思ったことを口にして、トラブルになることも
- 後悔の気持ちを受け止める声かけが大切
衝動性とは、「やりたい」「言いたい」と思ったことを、考える前に行動や言葉に移してしまう特性です。
次のような場面で見られることがあります。
・順番を待てず、列に割り込んでしまう
・先生の質問が終わる前に答えてしまう
・人の話や遊びに割り込んでしまう
・欲しい物があると、待てずに手を伸ばしてしまう
・気持ちが高ぶったときに、考える前に言葉や行動が出てしまう
・道路に急に飛び出すなど、危ない行動をとる
思ったことを口にして「空気が読めない」と言われ、傷ついたり落ち込んだりする子もいます。叱る前に、後悔している気持ちを受け止める一言をかけると、次の行動を一緒に考えやすくなります。
小学生・中学生で見られるADHDのサイン|学年で変わる困りごと
| 時期 | 目立ちやすいサインの例 | 勉強で困りやすい場面の例 |
|---|---|---|
| 幼児期 | 動き回る・順番を待てない | 読み聞かせなど、座って聞く時間が続きにくい |
| 小学校低学年 | 立ち歩き・忘れ物・指示の聞きもらし | 先生の指示を聞きもらす、宿題やプリントを持ち帰り忘れる |
| 小学校高学年 | うっかりミス・提出物の遅れ | 計算や漢字のケアレスミス、宿題に取りかかれない |
| 中学生 | 時間や持ち物の管理・人間関係 | 教科ごとの提出期限、定期テストに向けた計画 |
※あくまで一例で、すべての子に当てはまるわけではありません。
ADHDの特性は学年で急に変わるわけではなく、求められることが増えるにつれて目立つサインが変わります。
学年が上がるにつれて学習内容や自己管理の負担が増えるため、勉強や提出物の管理などで困りごとが目立つ場合があります。
小学生は低学年と高学年で目立つサインが変わる
- 低学年では、立ち歩きや指示の聞きもらしが目立つことがある
- 高学年では、うっかりミスや宿題の取りかかりにくさが目立つことも
- できている部分に目を向け、自信を守りたい
小学生のADHDのサインは、着席や集団での指示が求められる入学後に、困りごととして気づかれやすくなります。
特性そのものは幼児期から見られることもあり、入学後に初めて現れるわけではありません。低学年(6〜8歳ごろ)は、座って授業を受ける場面などで、立ち歩きや忘れ物、指示の聞きもらしが目立つことがあります。
文部科学省の2022年の調査(学級担任等の回答による推定)では、「不注意」または「多動性-衝動性」の問題を著しく示すとされた割合は小学1年生で5.6%、小学2年生で5.8%、小学6年生で3.8%でした。学年による違いは、症状の改善を示すものではありません。
高学年(10〜12歳ごろ)は目に見える多動が落ち着いてくる子もいる一方、うっかりミスがテストの点数に響いたり、段取りが苦手で宿題に取りかかれなかったりと、不注意によるつまずきが勉強に表れることがあります。
できている部分に目を向けつつ、宿題が進まない様子が続くときは「宿題をしない子は発達障害?」も参考にしてください。
中学生は提出物や定期テストの計画、友だち関係でつまずきやすい
- 教科ごとの提出物と定期テストの計画が重なる
- 失敗が続くと、登校しぶりにつながることもある
- 学校からの連絡が減っても、様子を確認しておく
中学生になると、教科ごとの提出物や定期テストの計画を自分で管理する場面が増え、つまずきが目立ちやすくなります。
定期テスト前には複数教科の勉強と提出期限が重なり、予定を立てて進めるのが苦手な子には負担が一気に大きくなることがあります。思ったことを口にして、友だち関係がぎくしゃくすることもあります。
失敗が続くと自信を失い、登校しぶりにつながることもあります。学校に行きたくないと言われたときは「学校行きたくないと言われたら」も参考にしてください。
文部科学省の2022年の調査では、「不注意」または「多動性-衝動性」の問題を著しく示すとされた割合は、小学6年生で3.8%、中学1年生で3.0%でした。ただし、これは学級担任等の回答による推定で、学年による割合の違いがADHDの症状の改善を示すものではありません。
学校からの連絡が減っても、困りごとがなくなったとは限りません。時間管理が苦手な場合は「時間を守れない子供は発達障害?」も参考にしてください。
女の子は気づかれにくい?小学生・中学生の女子に見られやすい特徴
- 多動性が目立たない女の子は、周囲に気づかれにくいことがある
- 小学生では「おっとり」と受け取られやすい
- 中学生では人間関係の悩みや疲れが出ることも
ADHDの女の子は、男の子と比べて不注意の特徴が目立つ場合があり、多動性が目立たないと周囲に気づかれにくいことがあります。
文部科学省の2022年の調査(学級担任等の回答による推定)では、「不注意」または「多動性-衝動性」の問題を著しく示すとされた割合は男子6.6%、女子1.4%でした。
男女差の理由はこの調査からは分かりませんが、目立つ行動が少ない女の子は、困りごとが見過ごされやすいともいわれています。女の子にも、多動性や衝動性が強く見られる場合があります。
小学生の女の子では、次のような様子が見られることがあります。
・授業中にぼんやりして、空想にふけっている
・忘れ物や片付けの苦手さが続く
・準備に時間がかかり、遅刻しがち
・おっとりした性格だと思われやすい
中学生の女子では、会話のペースについていけない、思ったことを言って誤解されるといった悩みが増え、家でどっと疲れる子もいます。表情の変化にも気を配りたいですね。
子どものADHDチェックリスト|セルフチェックは目安、診断は医療機関で
- 不注意と多動性・衝動性の2区分で振り返る
- 年齢相応か、2つ以上の場面か、支障があるかを目安にする
- 結果は相談を考えるきっかけとして使う
子どものADHDチェックリストは、家庭で様子を振り返るための目安で、診断は医療機関で医師が行います。
チェックリストは、不注意9項目と多動性・衝動性9項目の計18項目です。相談や受診を考えるきっかけとして、目安の一つにご活用ください。
家庭でできるチェックリスト|家と学校での様子を振り返ろう
- 同じ年ごろの子と比べて、目立つ行動があるかを確認
- 正式な診断用のチェックリストではない
- 家と学校のどちらで見られたかも書き留める
家庭でできるADHDのセルフチェックでは、同じ年ごろの子と比べて目立つ行動があるかを、家と学校の様子から振り返ります。
※このチェックリストは、ADHDに見られる行動を家庭で振り返るために作成したもので、医療機関で使う正式な診断用のチェックリストではありません。
項目の数や当てはまり方だけで、ADHDかどうかを判断することはできません。小学生以上を想定した項目も含みます。
不注意のチェック項目
□忘れ物やなくし物が多く、注意しても減らない
□宿題や遊びなどで、注意や集中を続けることが難しい
□計算や書き取りでうっかりミスが目立つ
□話しかけても上の空に見えることが多い
□物音や周りの動きにすぐ気をとられる
□宿題や片付けを最後までやりきれない
□何から始めればよいか決められず、段取りが苦手
□集中が必要な課題をとても嫌がる
□約束や予定をよく忘れる
多動性・衝動性のチェック項目
□座っていても手足や体がずっと動いている
□授業中や食事中に席を立ってしまう
□危ない場所でも走り回ったり登ったりする
□静かに遊んだり過ごしたりするのが苦手
□いつも動き回っていて、じっとしていられない
□おしゃべりが止まらないことが多い
□質問を最後まで聞かずに答えてしまう
□順番を待つのがとても苦手
□人の話や遊びによく割り込む
当てはまった項目は、家と学校のどちらで見られたかも書き留めておくと、次の見分け方に役立ちます。
当てはまっても診断ではない|年齢相応の行動との見分け方
- 睡眠不足やストレスで、似た様子が出ることもある
- 診断では症状の数・期間・場面・生活への影響を確認
- 困りごとが続くなら、相談先に話してみる
チェックリストに当てはまる項目があっても、家庭のチェックだけでADHDと決めることはできません。
アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5-TR)では、ADHDの診断にあたって次のような条件を確認します。この記事のチェックリストは診断基準の項目そのものではないため、当てはまった数をこの基準に当てはめることはできません。
・年齢や発達に比べて強い症状が、16歳以下では不注意9項目のうち6項目以上、または多動性・衝動性9項目のうち6項目以上ある
・症状が6か月以上続いている
・12歳になる前から、いくつかの症状が見られる
・家庭や学校など、2つ以上の場面で症状が見られる
・症状によって、生活や学習、人間関係などに支障が出ている
睡眠不足やストレスなどで似た様子が一時的に出ることもあり、ほかの病気や状態との区別も必要です(診断基準の概要は、京都大学医学部附属病院の児童思春期こころの相談センターの解説も参考になります)。
人一倍敏感な気質(HSC)でも、落ち着かない様子が似て見えることがあります。見分け方は「HSCと発達障害の違い」で比べています。
つまり、「年齢相応か」「2つ以上の場面で見られるか」「生活に困りごとがあるか」が、相談を考えるときの手がかりになります。チェックリストはあくまで目安で、診断は医療機関で医師が総合的に行います。
困りごとが続いているときは、次の章で紹介する相談先に一度話してみると安心ですね。
子どものADHDの診断はどこで、どう受ける?
- タイミング:先生からの指摘や親子の疲れが続くとき
- 相談先:保健センターや小児科・児童精神科など
- 準備:母子健康手帳や通知表などがあると伝わりやすい
子どものADHDの診断は医師が行いますが、最初の相談は保健センターなど身近な窓口でもできます。
いきなり医療機関に行かなくても大丈夫なので、相談の目安から順に見ていきましょう。
様子見でいいの?相談・受診を考えたいタイミング
- 困りごとが小さければ、すぐ受診が必要とは限らない
- 先生からの指摘や親子の疲れが続くときが目安
- 診断前でも地域の窓口に相談できる
気になる様子があっても、生活に大きな困りごとがなければ、すぐに受診が必要とは限りません。
次のような状態が続くときは、相談を考えるタイミングです。
・学校の先生から、行動について繰り返し指摘を受けている
・忘れ物や友だちとのトラブルで、学校生活に支障が出ている
・年齢に比べて、危ない行動やかんしゃくが目立つ
・毎日のように叱ってしまい、親子ともに疲れている
・子どもが「自分はだめだ」と口にするようになった
とくに、お子さんが自信をなくしている様子があるときは、早めに相談すると安心です。地域の窓口は診断前でも利用できるので、困りごとを整理する一歩と考えてみてくださいね。
どこで相談・診断を受ける?相談窓口と診療科
- まずは保健センターなど身近な窓口へ
- 診断は小児科(発達外来)や児童精神科などで
- 発達の診療をしているか事前に確認する
ADHDの相談は、市区町村の保健センターなど身近な窓口から始め、必要に応じて医療機関につないでもらうのが一般的です。
・市区町村の保健センター・子育て相談窓口:発達の相談や専門機関の紹介
・発達障害者支援センター:都道府県・政令指定都市にある発達障害の相談窓口
・学校の担任・スクールカウンセラー・特別支援教育コーディネーター:学校での様子をふまえた相談
診断を受けられるのは、主に小児科(発達外来がある医療機関)、児童精神科、小児神経科です。
すべての小児科で発達の診療を行っているわけではないため、事前に電話やホームページで確認しておくと安心です。
受診から診断までの流れと準備しておくもの
- 問診や行動の評価を中心に、医師が総合的に判断する
- 母子健康手帳や通知表、場面のメモを準備する
- 通級などの支援も学校に相談できる
ADHDの診断では問診や行動の評価を中心に、必要に応じて質問紙や発達検査などを行います。
検査だけで診断が確定するものではなく、医師が発達歴や家庭・学校での様子を総合的に判断します。一度の受診で決まるとは限らず、一般的には次の流れで進みます。
1.問診:成長の様子や、家庭・学校での困りごとを聞かれる
2.質問紙・行動観察:保護者や先生が日ごろの様子を記入し、診察中の様子も見る
3.検査:必要に応じて、発達検査や知能検査を行う
4.診断・説明:医師が総合的に判断し、今後の支援を相談する
受診の際は、次のものがあると普段の様子が伝わりやすくなります。
・母子健康手帳
・通知表や連絡帳、テストやノート
・気になる場面のメモ(いつ・どこで・どんなことがあったか)
・学校から指摘された内容
診断後は、医師と相談しながら家庭や学校での支援を考えていきます。
学校では、通常の学級に在籍しながら一部の時間だけ別の教室で受ける通級による指導なども相談できます。詳しくは「通級指導教室はグレーゾーンでも通える?」「特別支援学級に入る基準」をご覧ください。
ADHDの子どもへの接し方と叱り方のコツ
- 「できた」に注目してすぐほめる
- 指示は短く1つずつ、目で見える形に
- 危険な行動は短く止め、振り返りは落ち着いてから
- 同じ要求や言い返しには、議論せずルールで対応
ADHDの子どもへの接し方で大切なのは、叱って直すより、特性に合わせて環境や伝え方を工夫することです。
小さな工夫の積み重ねが、お子さんの自信につながります。できそうなものから試してみてくださいね。
まずは「できた」に注目してほめよう
- できたときにすぐ、具体的にほめる
- 取りかかったことや工夫も認める
- シールなどで頑張りを見える形に
ADHDの子どもへの関わりは、できたことにすぐ注目し、具体的な言葉でほめることが基本です。
注意される場面が多いと「どうせ自分はできない」と自信をなくしやすいため、できたことを言葉にすることが大切なんです。
つまずきや叱られる経験が重なると、不安や落ち込み、反抗などの「二次障害」につながることもあります。サインや親ができることは「発達障害の二次障害とは」をご覧ください。
・できたその場で、すぐにほめる
・「えらいね」より「最後まで座って食べられたね」と具体的に伝える
・結果だけでなく、取りかかったことや工夫したことも認める
・靴をそろえたなど、当たり前に見えることもほめる
子どもは注目された行動を繰り返しやすいといわれます。シールで頑張りを見える形にしたり、「見てたよ」と伝えたりするだけでも十分です。
指示は短く1つずつ!目で見てわかる工夫も
- 名前を呼び、注意が向いてから話す
- やることは紙やホワイトボードに書く
- タイマーや手順分けで見通しを持たせる
ADHDの子どもへの指示は、1回に1つずつ短く伝え、目で見てわかる形にすると届きやすくなります。
「宿題をして、明日の準備をして、お風呂に入って」と一度に言うより、「まず宿題をしよう」と1つずつ伝えるほうが動きやすくなります。
・名前を呼び、こちらに注意が向いていることを確認してから話しかける
・指示は1回に1つ、短い言葉で伝える
・やることを紙やホワイトボードに書いて貼る
・タイマーを使い、時間の区切りを見えるようにする
・大きな課題は、小さな手順に分けて伝える
・できたら一緒にチェックをつける
耳で聞いたことは忘れても、目で見える情報なら自分のペースで何度でも確認できます。
宿題や家庭学習でも、「短く・1つずつ・目で見える形で」という工夫はそのまま役立ちます。勉強に集中しにくいときの具体的な進め方は、「ADHDのお子さんの勉強法」で詳しくご紹介しています。
叱るときはどうする?伝わりやすい叱り方のポイント
- 危険な行動はすぐに短く止める
- 人格ではなく行動を注意する
- 振り返りは落ち着いてから行う
ADHDの子どもを叱るときは、危険な行動はすぐに短く具体的に止め、詳しい振り返りは落ち着いてから行うのが基本です。
叱る必要がある場面では、次のような叱り方を意識してみましょう。
・危険な行動は、すぐに短い言葉で止める
・「だめな子」ではなく「走ったこと」など行動を注意する
・「次は歩こうね」など、どうすればよいかをセットで伝える
・危険なことや人を傷つけることなど、叱る場面をしぼる
細かいことまで毎回注意すると大事なことが埋もれるので、叱る場面をしぼるのも、ルールを伝わりやすくする工夫です。
お子さんが興奮しているときは落ち着くのを待ってから振り返り、イライラしたときは深呼吸して間を置くのも一つの方法ですね。
屁理屈やしつこい言い方に困ったときの受け止め方
- 切り替えが難しいと、同じ要求や言い返しが続くことも
- 気持ちを受け止め、訴えの内容も確かめる
- ルールは事前に決め、守れたらほめる
ADHDの子どもは、気持ちの切り替えが難しいときに、同じ要求を繰り返したり強い口調で言い返したりすることがあります。
保護者には「屁理屈」「しつこい」と感じられて疲れてしまいますが、わざと困らせようとしているとは限りません。
・言い返しに言い返さず、議論を長引かせない
・「そう思ったんだね」と、まず気持ちを受け止める
・ルールは落ち着いているときに決め、紙に書いて見えるようにする
・訴えの内容を確かめたうえで、同じ要求には同じ答えを短く返す
・切り上げる時間は、タイマーなどで事前に予告する
言い負かそうとするとやり取りが長引きやすいので、ルールを守れたときや気持ちを切り替えられたときに、すかさずほめて伝えましょう。
ADHDの子どもについてよくある質問
- ADHDの子どもの話し方の特徴
- ADHDに気づきやすい年齢
- 3歳でのチェックと相談先
ADHDの子どもについて、話し方や気づく年齢など、保護者の方から多い質問にお答えします。
ADHDの子どもの話し方に特徴はありますか?
- 思いついたことを次々に話し続ける
- 人の話に割り込むことがある
- 悪気があるとは限らない
ADHDの子どもの話し方には、思いついたことを次々に話し続けるといった特徴が表れることがあります。
相手が話している途中で話し始める、思ったことをそのまま口にするといった様子も見られます。多動性や衝動性によるもので、本人に悪気があるとは限りません。
ADHDは何歳くらいから分かりますか?
- 幼児期は年齢相応の行動との見分けが難しい
- 小学校入学後に気づかれやすい
- 困りごとが続くなら、年齢を問わず相談を
ADHDの様子は早ければ幼児期から見られ、小学校入学後に困りごととして気づかれやすくなります。
幼児期は年齢相応の行動との見分けが難しく、アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-5-TR)では12歳になる前からいくつかの症状が見られることが条件の一つです。
不注意が中心の子は中学生以降に気づかれることもあるため、年齢にかかわらず、困りごとが続くなら相談を考えてよいでしょう。
ADHDのチェックは3歳でもできますか?
- 行動の観察はできるが、チェックだけでは判断できない
- 記事の18項目は小学生以上を想定した項目を含む
- 健診や保健センター、小児科で相談できる
ADHDが気になる3歳の子の行動は家庭でも観察できますが、家庭のチェックだけでADHDかどうかは判断できません。
幼児期(3〜5歳ごろ)は、動き回る・順番を待てないといった行動が発達の過程で自然に見られることも多く、判断はより慎重に行われます。この記事の18項目のチェックリストには小学生以上を想定した項目もあるため、3歳の子にそのまま当てはめるのは避けましょう。
気になる様子が続くときは、3歳児健診や市区町村の保健センター、かかりつけの小児科で相談してみましょう。できるようになったことや好きな遊びもメモしておくと、全体像が伝わりやすくなります。
ADHDの子どもの特徴についてまとめ
- ・特徴は不注意・多動性・衝動性の3つに分けられる
- ・脳の働きや発達に関係する特性で、育て方が原因ではない
- ・学年が上がると、勉強や提出物で困りごとが目立つ場合がある
- ・チェックリストは目安。困りごとが続くときは身近な窓口へ
ADHDの子どもの特徴は不注意・多動性・衝動性の3つに分けられ、脳の働きや発達に関係する特性で、育て方が原因ではありません。
特徴に当てはまる行動があっても、それだけでADHDとは決まりません。チェックリストはあくまで目安で、診断は医療機関で医師が総合的に行います。
気になる様子があるときは、次の順番で進めると迷いにくくなります。
1.気になる場面を、家と学校に分けてメモする
2.困りごとが続くときは、担任や保健センターに相談する
3.家庭では、ほめる・短く伝える・叱る場面をしぼる工夫から始める
一人で抱え込まず、できることから少しずつ始めてみましょう。お子さんに合った関わり方が、親子の毎日を過ごしやすくしてくれるはずです。
勉強面のつまずきを家庭だけで支えるのが難しいときは、外の力を借りる方法もあります。
勉強が苦手なお子さんに特化した家庭教師のランナーの発達障害の家庭教師サポートは、ADHDのお子さんにも対応しています。発達障害コミュニケーション指導者の資格をもつスタッフが在籍し、訪問型とオンライン型を切り替えられるので、学校に行きづらい時期にも自宅で学習を続ける方法の一つになります。
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